PageSpeed Insightsが部分的でもフィールドデータをレポートするように改良

[レベル: 中級]

PageSpeed Insights のコア ウェブ バイタルに関するフィールドデータが、不十分なデータの指標があった場合でも十分なデータの指標だけはレポートするようになりました。

PSI のフィールドデータはすべての CWV 指標の十分なデータが必要だった

PageSpeed Insights のフィールドデータは、コア ウェブ バイタルの 3 つの指標 (LCP/FID/CLS) のすべてについて、(Chrome ユーザーエクスペリエンス レポートの)データが十分に蓄積されていないとレポートされません。
どれか 1 つでも不十分な場合は次のメッセージが出ます。

Chrome ユーザー エクスペリエンス レポートには、このページの実際の速度データが十分にありません。

そして Origin Summary として、検証したページの代わりにサイト全体のフィールドデータをレポートします。

Chrome ユーザー エクスペリエンス レポートには、このページの実際の速度データが十分にありません。

一部だけでも CWV のフィールドデータをレポート

6 月 10 日にこの仕様が変更になりました。
3 つすべての指標のデータが十分に蓄積されていなくても、十分に蓄積されている指標だけはフィールドデータをレポートします。

FID だけをレポートしない

FID はグレーアウトして数値が出ていません。
一方で、LCP と CLS は数値が出ています。

十分な指標だけで CWV を評価する

特に、FID は十分な量のデータが集まりづらい傾向にあります。
LCP や CLS はページが表示されればそれだけで通常は必ず記録できます。
これに対して FID は、テキスト入力やタップといったユーザーのアクションが発生しないと記録できません。

Google の Rick Viscomi(リック・ヴィスコミ)氏によれば、Chrome ユーザーエクスペリエンス レポートの対象ページの 30% 近くは FID のデータが不十分とのことです。

※すずき補足: どのくらいのアクセスがあればフィールドデータとして十分な量になるのかは公開されていません。

FID のフィールドデータは不十分だけれど LCP と CLS のフィールドデータは十分に蓄積されている、こんな場合のコア ウェブ バイタルはどのように最終的に評価するのでしょうか?

この場合は、LCP と CLS の 2 指標だけで評価するそうです。
つまり、3 つの指標すべてが絶対に必要ということではありません。

ただし、LCP と CLS の 2 指標はコア ウェブ バイタルを評価するのに必須です。
FID だけが例外で、なくても構わないとのことです(上で説明したように、蓄積されにくいという特性が理由なのでしょう)。

FID のフィールドデータが不十分でも LCP と CLS のフィールドデータを把握できるようになった PageSpeed Insights の改良は、コア ウェブ バイタル改善に役立つでしょう。