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ChatGPT による推奨が、金融、旅行、美容業界における消費者行動やウェブサイトトラフィックにどのような影響を与えるかをSimilarweb(シミラーウェブ)が調査・分析しました。
その結果、AI による推奨が即時のクリックにつながることはまれである一方、購買ジャーニーの最初期段階でユーザーに大きな影響を与えることが明らかになりました。
ユーザーは数日後に、従来の検索エンジンを通じて、推奨されたブランドを検索し、訪問する可能性が大幅に高くなります。
AI は消費者ジャーニーの出発点を形作る
調査のアンケートデータによると、AI がユーザーにとって最も役立つのは、発見や初期アイデアの段階です。
購入時点では、従来の検索も同程度に役立ちます。
しかし AI の影響は、それが生み出すトラフィックに先行して発生するため、そのインパクトの大部分は標準的な分析では見えません。
AI での露出を参照トラフィックだけで測定することの問題は、AI の影響を受けたユーザーが AI の回答内の参照リンク経由から必ずしも訪問するわけではないという点にあります。
ユーザーは
推奨されたブランドを記憶し、後で検索したり URL を直接入力したりして戻ってきます。
標準的な分析では、こうした訪問はオーガニックまたはダイレクトとして記録され、それを促した AI との会話とは結びつきません。
このアトリビューションギャップは構造的なものです。
AI が推奨したブランドへの訪問は 2.5 倍高い
3 業界全体で、ChatGPT によるブランド推奨を受けたユーザーは、7 日以内にそのブランドのウェブサイトを訪問する可能性が 2.5 倍高くなりました。
直接リンクを受け取っておらず、そのサイトとの過去の関係もなかったにもかかわらずです。
この効果は、テストされたすべてのブランドのペアで一貫して見られました。
- American Express 対 Capital One
- Skyscanner 対 Kayak
- Sephora 対 Ulta
この傾向は対称的でもありました。
競合ブランドが代わりに推奨された場合、トラフィックはその競合へ流れました。
AI の影響を受けたユーザーは AI リファラルではなく検索経由で戻ってくる
AI の影響を受けた訪問の半数以上は検索経由で発生していました。
標準的な訪問の 40% と比べて高い割合です。
AI の参照リンクによって受動的に誘導されるのではなく、推奨されたブランドを記憶し、自ら積極的にそのブランドをユーザーは探しに行きます。
この状況こそが、AI のインパクトが参照データに現れない主な理由です。
訪問は実際に発生しています。
ただし、別のチャネルを通じて、時間差を伴って訪れているのです。
ところが調査レポートが示すように、アトリビューションモデルはそれを捉えられるようには設計されていません。
マーケターにとってこうした現状は、ブランド検索の防衛がこれまで以上に重要になることを意味すると調査は警告しています。
AI の影響を受けた訪問の 56% は検索経由で発生するため、競合はあなたのブランド名キーワードへの有料検索によって、AI が生み出した需要を横取りできるのです。
AI の影響を受けた訪問者はより深くエンゲージする
AI の推薦がきっかけで訪問したユーザーは、すでに納得した状態でサイトにやって来ます。
彼らは、AI との会話の中で調査を済ませ、選択肢を絞り込み、サイトに到達する前にすでにそのブランドを選んでいます。
より固まった訪問意図は数字にも表れています。
標準的な訪問者と比べて、閲覧ページ数はほぼ 2 倍、サイト滞在時間も 2 倍です。
一方、標準的な訪問者はまだ調査段階にあります。
閲覧し、比較し、同じ深さのエンゲージメントには至らないまま離脱します。
AI での露出は単にトラフィックを生むだけではありません。
適切な種類のトラフィックを生み出すのです。
見えないことはゼロサムの結果をもたらす
AI があなたのブランドではなく競合を推奨した場合、その競合が訪問、エンゲージメント、コンバージョン機会を獲得します。
訪問自体はいずれにせよ発生するかもしれません。
決定的に重要な問題は、どのブランドが AI の推薦を受け取るかです。
AI の回答の中に現れないブランドは、単に言及を逃すだけではありません。
訪問を失うのです。
アトリビューションギャップを埋める
アトリビューションギャップを埋めるために、同レポートは、マーケター向けに 5 つのステップを示しています。
- AI をリファラルトラフィックだけで測定しない:AI 起点の訪問は検索やダイレクトチャネル経由で発生する。参照トラフィックだけでは AI のインパクトを過小評価してしまう。
- 可視性を先行指標として扱う:AI での露出は、後にトラフィックや収益として表面化する意図を生み出す。
- 検索結果で自社ブランドを守る:ブランド名キーワードを最適化し続け、有料検索で防衛することで、AI 推奨によって生まれた需要を競合に奪われるのを防げる。
- 推奨と成果を結びつける:プロンプトやランキングだけでなく、推奨からサイト訪問までのユーザージャーニー全体を追跡する。
- 競合もベンチマークする:AI での露出はゼロサム。重要なのは、自社がどれだけ見えているかだけではなく、どこで競合が自社の代わりに推奨されているか。
ChatGPT があなたのブランドを推奨すれば、購入意欲の高いウェブサイト訪問者を獲得する可能性は測定可能な形で高まります。
推奨されなければ、その需要を競合が獲得します。
調査方法 概要
Similarweb は、利用に同意した米国デスクトップユーザーによる独自の実ユーザーパネルを使用し、2025 年 7 月から 12 月までの実際の閲覧行動を追跡しました。
ChatGPT による推奨を受けた後にブランドを訪問したユーザーと、その他の経路で訪問したユーザーを比較しています。
購入ジャーニーの各段階における AI と検索の有用性に関する別のアンケート調査は、2026 年 1 月に実施されました。
この調査は、広義の AI プラットフォームではなく、特に ChatGPT に絞っています。
AI の影響を受けたと見なされるには、ユーザーが ChatGPT にクエリを送信し、特定のブランドを推奨する回答を受け取っている必要がありました。
選択バイアスを避けるため、自分のプロンプト内でブランド名を言及したユーザーは除外されました。
純粋な新規獲得を切り分けるため、対象に含めたのは、過去 4 週間にそのブランドのドメインへの訪問記録がないユーザーのみでした。
アトリビューション期間
AI との会話後、7 日間にわたってその後の訪問が追跡されました。
分析では、AI がユーザーのブランド発見に影響を与えた後、ユーザーが何をしたかを測定しました。
- トラフィック獲得チャネル:ユーザーが最終的にブランドのウェブサイトにどのように到達したか(検索、ダイレクト、リファラル、AI、その他)について、AI の影響を受けた訪問者と AI の影響を受けていない訪問者を比較。
- 検索行動:AI による推奨後、ユーザーがそのブランドを見つけるために検索エンジンに戻ったかどうか。同レポートでは、AI の影響を受けた訪問者は一般的な訪問者よりも検索経由で訪問する割合が大幅に高いことが示されている。
- サイト内エンゲージメント:閲覧ページ数とサイト滞在時間。出典では、その他のエンゲージメント指標は明記されていない。
- 下流インパクト:AI による推奨が、ブランド検索やウェブサイト訪問など、その後の行動にどのような影響を与えるか。標準的なアトリビューションでは、こうした行動は AI と結びつけられていない。\。
平易な説明
「ChatGPT からのリンクを誰かがクリックしたか?」ではなく次のような問いを立て調査しました。
ChatGPT がブランドを推奨した後、ユーザーは次に何をするのか?
ユーザーが後にどのようにブランドを検索し、ウェブサイトを訪問し、そのサイトでエンゲージしたかを Similarweb は追跡しました。
目的は、従来の分析では AI に直接帰属されないトラフィックも含め、AI 可視性がビジネスに与えるより広範なインパクトを測定することでした。
◇ ◇ ◇
この調査は実験的研究ではなく、観察研究であるように見受けられます。
ChatGPT による推奨とその後のユーザー行動の間に強い関連性があることを示していますが、察されたすべての結果が AI による推奨のみを原因として生じたと証明しているとは同レポートは主張していません。
Similarweb は、ウェブのトラフィックを観測するツールベンダーでもあります。
自社プロダクトの利用を促すプロモーションの意味もひょっとしたらあるのかもしれません。
それでも、AI の回答でおすすめされたブランドやプロダクト、サービスを検索エンジンで指名検索して公式サイトに訪問し、購入・申し込みするという経験は僕自身もいくどとなく経験しています。
単純な記事引用ではなく、ブランドとしての推奨が AI 検索ではより重要というのは合点がいきます。
先週取り上げたリリーさんの調査でも、引用を推奨を分離して取り扱っていました。
引用よりも推薦、そしてその推薦が訪問・コンバージョンに繋がるかどうかの計測に注目する必要があります。
とはいえ、分断されていて現状の解析ツールではアトリビューション計測がそう簡単ではないことが課題です。
