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自社のプロダクトやサービスを 1 位にする自己推薦のランキング記事を公開することで、AI 検索に引用させる手法が出回っています。
一見するとグレーにも思える手法ですが、効果を表していました。
ところが、Google 検索においては風向きが変わってきたようです。
ダメになるまでは、順調だった
ここ数年、生成 AI 検索の結果に表示される最も効果的な方法の 1 つはシンプルでした。
自己宣伝型のリスト記事を公開することです。
たとえば、「best [category] software(おすすめの[カテゴリ]ソフトウェア)」という記事を公開し、自社製品を 1 位にランク付けします。
こうした手法は、B2B SaaS 領域全体に大規模に広がり、AI 検索が登場する前はほとんど競争のなかったクエリを狙う数百社の企業に採用されました。
しかし、Lily Ray(リリー・レイ)氏の最新の調査によれば、Google は、AI Overviews におけるこの手のページの扱いを変えたようです。
むしろ多くのブランドにとって、この戦略はいまや利益よりも害をもたらしている可能性があります。
レイ氏のデータが示していること
レイ氏は、Google の AI Overviews における 100 件の B2B「ベスト[カテゴリ]ソフトウェア」クエリを分析し、2026 年 4 月から 6 月の間の 3 時点で AI の回答と引用元を取得しました。
一般的な AI 検索分析と比べた場合のレイ氏の分析の特徴は、「引用されたもの」と「おすすめされたもの」を分けた点にあります。
この 2 つの指標は、多くの分析では同じように追跡されています。
しかし実際には、ますます大きく異なる挙動を示すようになっているとのことです。
100 件のクエリのうち、20 件は AI Overview にまったく表示されていませんでした。
言い換えると、約 5 件に 1 件は AI Overviews に引用されていませんでした。
表示された 80 件の結果は衝撃的でした。
ブランド自身の自己宣伝型リスト記事が情報源として引用された場合であっても、そのブランドは実際のおすすめから 69% の割合で除外されていました。
つまり、自己推薦の記事によって引用を獲得できても、その記事内で言及した競合他社が代わりにおすすめされる可能性があるということです。
自社は引用中ではおすすめされず、競合他者の宣伝記事になってしまうのです。
自己推薦ランキング記事がもたらす 3 つ(悪い)影響
自社プロダクト/サービスを 1 位にすることで AI 検索の推薦引用を獲得しようとする戦略には、3 つの悪影響が起こりうるとレイ氏は指摘します。
1. オーガニック検索での露出低下
Google からの反応はオーガニック検索で始まりました。
2026 年 1 月 20 日頃、未公表の検索システムアップデートにより、この戦術を多用しているサイトのオーガニックでの露出が大幅に減少しました
特に、自己推薦のリスト記事を収容するサブフォルダが標的となりました。
その後、多くの影響を受けたサイトでは下落がそれらのフォルダ以外にも広がり、Google の 2026 年 5 月のコアアップデート中にさらに加速しました。
影響を受けた企業の多くは、自己宣伝型のリスト記事を公開していただけではありませんでした。
AI 生成コンテンツを大規模に組み合わせ、比較ページや、Google に GEO スパムのシグナルを送るその他の施策も併用していたのです。
2. AI のおすすめからの除外
自己宣伝型のリスト記事が現在も AI Overview で引用される場合でさえ、誰がすすめられるかにはこの記事は影響していないと思われます。
調査対象となった複数のカテゴリ――HR ソフトウェア、CRM、タスク管理、ヘルプデスクソフトウェア、LMS プラットフォーム、アンケートツール――全体で、同じパターンが一貫しています。
自己宣伝しているブランドは情報源として引用される一方で、そのブランド自身の記事で名前を挙げられた競合他社が Google におすすめされています。
「best LMS for selling courses(コース販売向けのおすすめ LMS)」では、Oasis LMS が AI Overview 全体で、本文中とサイドバーの両方に複数回引用されています。
しかし、おすすめされているのは Kajabi、Thinkific、LearnWorlds、Teachable でした
いずれも Oasis が自社の記事で名前を挙げた競合です。
同様のパターンは「best help desk software(おすすめのヘルプデスクソフトウェア)」でも見られました。
Pylon と Crisp の自己推薦記事は引用されていますが、おすすめはされていません。
一方、Zendesk、Freshdesk、Help Scout は、いずれもそれらの引用記事で名前を挙げられており、おすすめを獲得しています。
おすすめされたブランドと、引用されたものの除外されたブランドとの間に、権威性指標に明確な差があるとレイ氏は考えています。
おすすめされたブランドには、自己宣伝している相手と比べて、一貫して次のような特徴があります。
- 参照ドメイン数が多い
- Domain Rating(サードパーティ製 SEO ツールの指標)が高い
- AI Overview や ChatGPT でのブランド言及が多い
「自称」に対する警告
自己推薦型コンテンツで過度に飽和しているクエリに対して Google は、AI Overview の回答文の中に警告を直接挿入し始めています。
「real best SEO experts(本当におすすめの SEO 専門家)」のクエリでは、AI Overview は専門家を評価する方法についての指針を示す前に、この業界は「自称専門家」で飽和していると述べています。
関連するクエリでは、おすすめを提示する前に「自称グル」という表現が表示されます。
一部の回答では、独立した検証のために Clutch(※B2B サービスのレビューを投稿できる UGC サイト) を参照するようユーザーに促す注記も追加されています。
他の AI システムも同様の反応を示しています。
たとえば Claude は、そのクエリが尋ねられた際に、「best SEO experts」というカテゴリは自己宣伝型コンテンツによって大量にスパム化されていると警告すると報告されています。
依然として効果があるケース
自己宣伝型のリスト記事が依然として効果を示しているケースもあります。
ただし条件付きです。
レイ氏の調査によると、自己宣伝型のリスト記事を公開している一部の確立された高権威ブランドは、いまもおすすめされています。
たとえば Salesforce と Monday.com はどちらも自己宣伝型のリスト記事を使っており、関連クエリの AI Overview のおすすめに表示されています。
すでにそのカテゴリで権威があり信頼されたプレーヤーであるブランドには、ある程度の余地を Google が与えている可能性があるというのがレイ氏の解釈です。
つまり、自社が何を公開しているかにかかわらず、より広いウェブ全体で頻繁に議論され、リンクされ、おすすめされているブランドです。
しかし、知名度の低いブランドにとっては、この戦術は逆効果になっているように見えます。
とはいえ、確立されたブランドであっても、そのリスクに見合う価値はないかもしれません。
そのコンテンツは人間の読者からの信頼を損なう可能性があり、Google がこのアプローチをさらに厳格化し続けるなら、今日の引用が明日の負債になる可能性があるとレイ氏は注意喚起しています。
AI 引用が誤った KPI である理由
多くの SEO チームは、AI 検索パフォーマンスの指標として AI の引用を追跡しています。
しかしレイ氏は、この KPI 設定を疑問視しています。
2025 年の Pew Research の調査では、Google 検索が AI 要約を表示した場合、ユーザーがその要約内のリンクをクリックしたのは訪問のわずか 1% でした。
LLM は、クリックを必要とせずに完全な回答を提供するよう設計されています。
引用されることとおすすめされることには非常に大きな違いがあります。
- 引用 = あなたのコンテンツが情報源として使われたこと
- おすすめ = ユーザーが最終的にそのブランドについて知って記憶に残ること
引用とおすすめは同じ成果ではありません。
特に音声ベースの AI 利用が増えるにつれ、引用はユーザーにまったく見えなくなるとレイ氏は言います。
「ベスト」クエリの勝者
Ahrefs Brand Radar のデータによると、「Best(おすすめ)」クエリにおける AI Overview の引用は、少数の高権威レビューサイトや UGC サイトが支配しています。
Forbes、Reddit、YouTube などのプラットフォームは、ブランドが公開したリスト記事よりもはるかに頻繁に表示されています。
Reddit の「ベスト」クエリにおける引用シェアはここ数カ月で大幅に伸びており、Forbes Advisor は 2026 年 3 月から顕著な急増を見せました。
SEO にとっての意味
AI 検索 SEO の根底にあるロジックは変化したとレイ氏は主張します。
ブランドが AI Overview でおすすめされるかどうかは、そのブランドが独立したウェブ全体でどれほど広く議論され、リンクされているかに支えられていると考えられます。
自社を何度ベストと呼んだかではありません。
自己宣伝型のリスト記事を増やしても、この状況は変わりません。
AI 生成のおすすめにおける自社の立ち位置を改善したいブランドには、次のような取り組みのほうが有効である可能性が高いとレイ氏は提案します。
- 第三者からの言及やリンクを獲得することで、本物の権威性を築く
- 出版物、レビュー プラットフォーム、ユーザー コミュニティなど、独立した情報源からレビューやおすすめを得る
- 自社ページ上でのみ引用を得る自己宣伝型コンテンツではなく、第三者サイトからの引用を引きつける専門的なコンテンツを制作する
- ブランド全体の認知度を高める。AI のおすすめは、そのブランドについてすでにウェブ上でどれだけ語られているかを反映しているように見えるため
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レイ氏の調査から言えるのは、Google は、情報源として受け入れるものと、実際におすすめする対象を切り離しつつあるようだということです。
そして、実際に推薦するかどうかの判断は、自己申告のランキングではなく、現実世界での権威性にますます結びついています。
SEO の観点で押さえておきたいのは、「引用される」と「おすすめされる」は別の成果指標だという点です。
推薦を左右するのは自社コンテンツではなく、信頼できる外部サイトでの言及であることが示されています。
自作自演の言及・おすすめは、”Inauthentic” だとして無視されるのです。
真に本物の推薦を獲得することが、AI 検索においても重要な要因です。
