Googleパーソナライズ検索の拡張がSEOに与える影響とは?

不思議と日本ではほとんど騒がれていないのですが、Googleから大きな大きな発表がありました。

全ユーザーへのパーソナライズ検索の導入です。

Personalized Search for everyone

パーソナライズ検索とは、簡潔に言うと「個人の検索履歴や行動に応じて検索結果を自動的にカスタマイズ」する機能です。

たとえば、「ピザ」で検索したときにいつも「ピザハット」のサイトをクリックしていると、「ドミノ・ピザ」や「ピザーラ」ではなく、「ピザハット」が上に来るようなるかもしれません。

検索結果から「楽天市場」を頻繁に訪れるようなら、楽天市場のショップが上位に出やすくなるかもしれません。

つまりあなたに合わせた検索結果を、Googleが作り出してくれるのです。

これまでGoogleのパーソナライズ検索は、Googleアカウントにログインしているユーザーにだけ適用されていました。

しかし、これからはログインしていないユーザーにも適用されるのです。

全ユーザーが対象ということですね。

パーソナライズ検索の完全適用によって、僕とあなたの検索結果が違ってくることがあり得るのです。

僕の検索結果の1位のページは、あなたの検索結果の1位のページではないかもしれないのです。

これがどういう意味を持つかお分かりでしょうか?

SEOの終わり」・・・、というのは言い過ぎです。

SEOは終りになったりしませんし、1位を狙うSEOも決して間違ってはいません。

でもユーザーによって検索結果が変わってくる状況が、以前よりも増したことを考慮すると、順位だけを追い求めていてはいけないのです(もっとも、これは今に始まったことではありませんが)。

毎朝起きてすぐターゲットキーワードで検索して、自分のサイトをクリックしていようものなら、他の人の検索結果では5位とか6位なのに、自分の検索結果だけで1位表示になっているなんていうことがあるかもしれません。

そしてランキングチェックツールは、ますます意味をなさなくなるでしょう。
機械の結果と人間が検索した結果が異なることが、多いに発生しそうです。

ログインしていないユーザーの検索情報は、Cookieに保存され180日保存されます。
(ログイン時とログアウト時の違いの詳細については、ヘルプを参照してください)

パーソナライズ検索を無効にすることもできますが、一般のユーザーが無効にするために設定変更するようには思えません。

履歴に基づくカスタマイズを無効にする方法は次のとおりです:

  1. 検索結果のページの右上にある [ウェブ履歴] をクリックします。
  2. 表示されたページで、[検索内容に基づくカスタマイズを無効にする] をクリックします(この設定は Cookie に保存されるため、同じパソコンとブラウザを使用するすべてのユーザーに影響します)。

そもそも、パーソナライズ検索という言葉も存在も知らないでしょう。

パーソナライズ検索の全導入は、SEOに取り組むサイト管理者にとってはもちろんですが、それ以上にSEOコンサルタントにとっては、もっと厄介です。

「家で検索したら自分のサイトが1位なのに、会社で検索したら出てこない」とか「トップ表示になったのに、なんでアクセス数がぜんぜん増えてないんだ」とか、そういう面倒な問い合わせ(クレーム?)が増えそうです。

特にクライアントに「SEOは検索順位だけではないんですよ、もっと大切な事があるんですよ」と普段から啓蒙していない“順位至上主義”のSEO業者は、痛い目を見るかもしれません。

と、脅してきましたが、パーソナライズ検索の全ユーザーへの導入がどのくらいインパクトを与えるかは、今後の様子を見ないとはっきりと言えないのも事実です。

ユーザーが特定のパターンに従った検索を繰り返し実行していなければ、パーソナライズされることがないでしょうし、最初の検索に対してはデータがないので、パーソナライズされないでしょう。

「SEOが無意味になった」と騒ぐアンチSEOが出てくるかもしれませんが、そんなことはありません。

SEOは無意味になったりしません。

ですが、ランキングアップだけを追い求めるSEOは確実に無意味になっていくでしょう。

上位表示はもちろん、さまざまなキーワードでの流入確保、検索結果でのCTRアップ、コンバージョン向上のサイトデザインなど、施策すべき項目はたくさんあるのです。

【NOTE】
検索結果のURLの末尾に、”&pws=0“のパラメータを付けるとパーソナライズされていない検索結果になります。以前からありますが、依然として有効です。