Bing、AI利用設定を刷新。学習とグラウンディングを個別に指定でき、NoArchive/NoCacheは置き換えへ

[レベル: 上級]

Microsoft Bing は、AI の学習とグラウンディングに関するパブリッシャー向けの設定を刷新します。

学習とグラウンディングを別々に設定できるように

これまでの NoArchive と NoCache による指定を、「AI Training」と「AI Grounding」という 2 つの新しい設定に置き換え、それぞれを独立して選べるようにします。

AI Training は、自サイトのコンテンツを AI の学習に使うことを制御します。
AI Grounding は、AI が回答を作るときに自サイトのコンテンツを情報源として使うことを制御します。

なお、どちらの設定も、通常の Bing 検索結果への掲載資格には影響しません。

AI Training:業界共通の記法を採用

AI Training には、業界共通の robots.txt の記法として提案されたばかりの「User-Agent: __usage_ai-training」を使います。
これは IETF の AI Preferences ワーキンググループの Internet-Draft に基づくもので、正式な標準になる前の段階です。

User-Agent: __usage_ai-training の詳細はこちらの記事で解説しています。

Microsoft は、この設定をページ単位の meta タグや X-Robots-Tag ヘッダーでも指定できるようにします。
ページ単位の指定は robots.txt の指定より優先されます。選択肢は Allow(デフォルト)と Disallow の 2 つです。

AI Grounding:Microsoft 独自の 3 段階の設定

AI Grounding は Microsoft 独自の設定です。
ページ単位の meta タグまたは X-Robots-Tag ヘッダーで ai-grounding を指定します。
robots.txt では指定できません。

値は次の 3 つです。

  • Allow: 生成回答の情報源として使うことを許可する。デフォルト(指定がない場合)は Allow。
  • DisallowExtended: Microsoft が運営するサービス(Copilot、Microsoft 365 など)でのグラウンディングに限って利用を許可する。Web IQ や Foundry のグラウンディング API など、Microsoft が第三者に提供するサービスでは使われない。
  • Disallow: グラウンディングには使われない。

たとえば、ページのグラウンディングを拒否するには、次の meta タグか HTTP レスポンスヘッダーのどちらかを使います。

<meta name="Bingbot" content="ai-grounding:disallow"/>
X-Robots-Tag: Bingbot: ai-grounding:disallow

利用を Microsoft のサービスだけに限定する場合は、ai-grounding:disallow の部分を ai-grounding:disallowextended に変えます。

<meta name="Bingbot" content="ai-grounding:disallowextended">
X-Robots-Tag: Bingbot: ai-grounding:disallowextended

設定するときの注意点

学習とグラウンディングは別々に設定できます。
たとえば、学習は拒否し、グラウンディングは許可するといった組み合わせが可能です。

Microsoft によると、グラウンディングを制限すると AI の回答でのコンテンツの露出が大きく減ります。
一方で、許可しても、AI の回答への掲載やトラフィック、報酬が保証されるわけではありません。

これらの設定が決めるのはコンテンツの「利用」で、クロールの可否ではありません。Allow を指定しても、robots.txt で Bingbot をブロックしていれば、そのブロックは有効なままです。

また、ページ単位の設定は、再クロールで検出されて初めて反映されます。IndexNow を使うと再クロールされる可能性は高まりますが、いつ再クロールされるかは保証されません。

なお、Bing の検索シンジケーション API は従来の検索用途にリンクを返すもので、AI による要約には使われないため、グラウンディングの設定の影響を受けません。

移行スケジュール

移行スケジュールは次のとおりです。

  • 2026 年 12 月 15 日:Bing ウェブマスターツールで、グラウンディングの一時設定の受付が始まる。対象は、この時点で NoArchive や NoCache を使っているサイトだけ。
  • 2027 年 2 月 1 日:クロールに合わせて、新しい設定の適用が始まる。
  • 2027 年 3 月 1 日:移行期限。この日以降、NoArchive と NoCache は学習とグラウンディングの指定として扱われなくなる。
  • 2027 年 9 月 30 日:一時設定の有効期限。ただし、それより前にページが再クロールされて新しい設定が検出されれば、その時点で新しい設定に置き換わる。

サイトで新しい AI Training または AI Grounding の設定が検出されると、そのサイトに残っている NoArchive と NoCache の指定は無視されます。

また、NoArchive や NoCache を使っているページで 3 月 1 日までに一時設定を登録しなかった場合、再クロールで新しい AI Grounding の設定が検出されるまで、グラウンディングは Allow として扱われます。

学習については、一時設定の仕組みはありません。

NoArchive/NoCache を使っているサイトの対応

NoArchive や NoCache による利用制限を今後も続けたいサイトは、2027 年 3 月 1 日までに新しい設定を公開する必要があります。
グラウンディングを制限する場合は、再クロールまでの間に制限が外れないように、Bing ウェブマスターツールへの一時設定の登録も忘れないでください。

◇ ◇ ◇

AI の学習とグラウンディングを別々に管理できる点は歓迎したいです。

ただ、業界共通の仕組みに Microsoft 独自の設定や優先ルールが加わり、管理する設定はむしろ増えてしまいました。
共通化でシンプルになると思っていただけに、正直ちょっとややこしいですね。

グラウンディングも、いずれ業界共通のルールにまとまってくれるとありがたいです。