Google検索のスクレイピングは合法? SerpApi訴訟でDMCAの主張が棄却

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米国連邦地裁は、Google が SerpApi に対して提起した 2 件の DMCA 違反の主張について、SerpApi の棄却申立てを認めました。

SerpApi は、Google 検索結果を自動取得し、有料 API として提供している企業です。
OpenAI の ChatGPT がウェブ検索を実行する際に Google 検索結果を SerpApi 経由で取得していたとも囁かれていました。

Google は昨年 12 月、SerpApi が自動アクセス対策「SearchGuard(サーチガード)」を回避して検索結果をスクレイピングし、DMCA の技術的保護手段の回避を禁じる規定に違反したとして、訴えを起こしていました。

ただし、今回の棄却判断は「Google 検索結果のスクレイピングは合法である」と広く認定したものではありません。
裁判所は、SearchGuard が保護している検索結果に著作物が含まれているかどうかによって、Google の主張を分けて判断しました。

著作物を含まない検索結果には DMCA を適用できない

著作物を含まない検索結果へのアクセスを SearchGuard が制御している場合、DMCA の主張は成立しないと裁判所は判断しました。
DMCA が対象とするのは、著作権法で保護された著作物へのアクセスを制御する技術的手段です。
したがって、保護対象に著作物が含まれていない場合、この規定を使ってスクレイピングを差し止めることはできません。

この部分については、Google に修正の機会を与えず、再提出を認めない形で棄却されました。

著作物を含む検索結果については訴状の修正が可能

一方、Knowledge Panel(ナレッジパネル)に掲載されるライセンス画像など、検索結果に著作物が含まれている場合には DMCA が適用される可能性は残されました。

しかし、アクセス制御手段として SearchGuard を使用する権限を著作権者から与えられていたことを Google は十分に主張できていませんでした。
第三者の著作物を表示するライセンスを Google が持っているだけでは、アクセス制御を実施する権限まで与えられているとは推認できないとの判断です。

結果として、Google は、著作権者から必要な権限を得ていたことを具体的に示したうえで、21 日以内に訴状を修正できます。

SerpApi の行為は「回避」に当たり得る

SerpApi の主張が完全に認められたというわけでもありません。
SerpApi の行為は技術的保護手段の「回避」に当たらないという主張は裁判所によって退けられました。

SerpApi が自動クエリを人間によるアクセスに見せかけたり、あるブラウザが取得した認証を別の未認証ブラウザで利用したりしたと Google は主張しています。
これらの事実が立証されれば、SearchGuard の回避に当たり得ると裁判所は判断しました。

また、SerpApi が SearchGuard の回避を目的とするサービスを提供していたという Google の主張についても、訴訟の初期段階では十分に成立し得るとしています。

著作権者でなくても Google は提訴できる

Google が対象コンテンツの著作権者または独占的ライセンシーではないため、DMCA に基づいて提訴できないと SerpApi は主張していました。

しかし裁判所はこの主張を退けました。
DMCA 違反によって損害を受けた者であれば、著作権者でなくても訴訟を提起できる可能性があると判断したためです。

今回の棄却理由は、Google に訴える資格がないことではありません。
SearchGuard が著作物を保護していることや、著作権者から必要な権限を得ていることを十分に主張できていなかったことが理由です。

SEO への影響

米国連邦地裁による今回の判断は、SerpApi に限らず検索結果データを収集する事業者やツール提供者にとって、ひとまず有利な結果です。
現状では必ずしも違反行為ではありません。

とはいえ、「検索結果のスクレイピングが全面的に合法になった」と解釈するのは適切ではありません。
裁判所が判断したのは、Google が今回提示した DMCA に関する法理(法律上の論理)が成立するかどうかです。
利用規約違反、契約違反、コンピューター不正アクセスなど、別の法的論点について結論を示したわけではありません。

重要なのは、技術的なアクセス制限を回避したという事実だけでは、DMCA 違反は成立しないという点です。
そのアクセス制限が、著作権者の許可を得たうえで、実際に著作物へのアクセスを制御している必要があります。

Google が訴状を修正し、著作権者からの権限を具体的に示せるかどうかが、今後の焦点になります。