「ペナルティ解除が不可能なこともあり、サイトを完全に新規に作り直すべき」とジョン・ミューラー&マット・カッツがアドバイス

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解決が困難な多くの問題をサイトが抱えている場合は、その解決に取り組み続けるよりも新たにサイトを作り直したほうがいいことがある。

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏はこのようにアドバイスしました。

難しい選択でも新規スタートすべし

「不自然なリンクの手動対策やペンギンアップデートでペナルティを受けたサイトのうち、およそ3分の2が解除できずにサイトをたたむことが最善の選択肢だった」と締めくくった記事がSearch Engine Landに投稿されました。

これを読んだGoogleのJohn Mueller氏は、次のようにGoogle+でコメントしています。

 

決して安易に決められることではないが、非常に多くの問題をウェブサイトが蓄積してきてそうした問題を1つ1つすべて解決しようとするよりも、新たなサイトを作り直したほうが速くて簡単に思える状況がある。

自分のビジネスについてすでによく知っていたとしても新規にサイトを作ることには多くの労力がかかるが、それでも長年にわたって築き上げてきた問題を克服することは簡単ではない。

 

100%新規に作り直す

John Mueller氏がここで言う「新規にサイトを作り直す」というのは単にドメイン名を変更して、コンテンツを移動させるという意味ではありません。

コンテンツも含めて完全に「ゼロからサイトを作る」という意味です。

「現在のサイトをGoogleから削除して、別のドメイン名でのサイトでそのコンテンツを使いたい」という要望に対して、John Mueller氏は次のようにアドバイスしました。

If you’re creating a new website, and don’t want to be associated with the old one, I’d strongly recommend really making a *new* website and not just moving the content to a different domain. You don’t need to wait for anything in a case like this — it’s fine to remove (or block) the old website, and to create a really new one elsewhere at the same time.

新規にサイトを作成して、(Googleに)以前のサイトと関連付けられてほしくないなら、別のドメインにコンテンツを単に移動するのではなく完全に新しいサイトを作ることを強く勧める。

こうすれば、(Googleのインデックスデータから以前のサイトの情報が消えるまで)待つ必要は何もない。以前のサイトを削除するかブロックし、完全に別のサイトを同時に作り始めても構わない。

もっとも質問者がやりたいことはペナルティを回避する目的での作り直しではありません。

しかしそっくりそのまま単純にコンテンツを移動しただけでは301リダイレクトやrel=”canonical”を設定していなかったとしてもサイトが移転したとGoogleは認識することがあります。

サイト移転したと認識されれば、ペナルティも引き継ぐ可能性もあります。

ペナルティを受けたサイトとの関係性を完全に断ち切りたいのであれば、コンテンツもまったく作り直したほうが安心でしょう。

マット・カッツも「ペナルティ解除が難しいこともある」と発言

クライアントのサイトの不自然リンク警告の解除対応に行き詰まっているSEOコンサルタントとのやりとりのなかで、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は下のように発言しています。

最後にもう1つ質問してもいいですか。私たちが完全にペナルティを解除してもらうことは可能でしょうか?

それは可能だ。だが(ジョン・ミューラーが指摘したように)何年にもわたってやってきたスパムをすべて取り消しにすることはかなり難しいかもしれない。

積み重ねてきたスパム行為を完全に消去することは困難なことがあるとMatt Cutts氏も伝えてます。

ドメインを捨てる苦渋の選択をしないために

ガイドラインのスパム行為、とりわけ違反リンクを蓄積してきた場合は完全なクリーンアップが非常に困難です。
解除の試みを結局断念して、新たにサイトを作りなおした事例をいくつか知っています。

こうなると解除のために費やした時間と労力(とお金も?)がまったくのムダになってしまいます。

そして何よりも今まで作ってきたコンテンツも利用できなくなります(もっとも「真面目に作ってきたコンテンツがあれば」の話ですが)。

仮に手動による対策を解除できたとしても、対策を受けたという履歴は残ります。
言わば「前科持ち」になり、そのサイトに対する”信頼度”が下がっているかもしれません。

同じことをやってもひょっとしたらGoogleに評価されにくくなるかもしれません。

使い捨てのアフィリエイトサイトならまだしも自社のビジネスとして運用しているサイトであれば、ペナルティを解除するために「ドメインとコンテンツを完全に捨てる」というのはものすごく厳しい選択になります。

「今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫」という保証のない安心感のもとに、スパム行為を積み重ねることはやめておきたいものです。
「ちりも積もれば山となる」のまったく嬉しくない事例にあなたはならないでください。