自動アルゴリズムによるリンクペナルティの解除には時間がかかる

[対象: 中級]

アルゴリズムのなかには、最新の状態が検索結果に反映されるまでには長い時間がかかるものがあります。
不自然なリンクを対象にするスパム対策アルゴリズムもそのうちの1つです。

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が、公式ヘルプフォーラムに投稿された質問に対してこのように説明しました。

問題となったサイトの状況

まず、質問者のサイトの状況を簡潔に説明します。

  1. クライアントのサイトが不自然なリンクが理由で手動による対策を受けた。
  2. そのサイトを、新しく取得した別のドメイン名のサイトに301リダイレクトした。
  3. 一緒にペナルティも引き継いでしまったと思われるため、サブドメインを含む以前のドメイン名のサイトの全てのページを410を返すようにした。
  4. ウェブマスターツールから手動対策が消えた。
  5. 新しいドメイン名のサイトは依然として悪い影響を受けているようだ。
  6. 手動対策ビューアには何も出ていないので、再審査リクエストを送ることはできない。

ミューラー氏からの説明

この投稿に対して、ミューラー氏は次のようにコメントを返します。

新旧どちらのサイトにも手動対策は見られない。手動対策を受けていれば、ウェブマスターツールのアカウントに出てくるはずだ。

とはいえ、以前の古いリンクが依然としてそのサイトの順位を下げてしまっていることが確かにわかる。特に、ウェブスパムのアルゴリズムが不自然なリンクにとても不満を感じている。

すべてにわたって、古いリンクを完全に1本残らず削除することを推奨する(その作業をしている間に見つかるかもしれない他のスパム行為も同じように修正する)。

更新された結果が目に見えるまでには、かなり長い時間がかかるアルゴリズムがあることを知っておいてほしい。リンクの場合は、削除や修正、あるいは否認されたことを認識するために再クロール・再処理する必要がある。そのデータがそれから統合されて再処理され、検索結果の新しい情報として再発行される。

最後の段落が僕がこの記事で伝えたい箇所です。

バックリンクの状態変化の反映には時間がかかる

リンク状態の変化をGoogleに認識してもらうためには、リンク元ページのクロールがまず必要になります。
クロール頻度が低いページだと、リンクを削除・否認したとしてもそれを認識してもらうまでにそれこそ数ヶ月かかるかもしれません。
そのあとさらに、再インデックス・再処理のプロセスが必要になります。

したがって、リンク関連のトラブルで評価を下げられたときは回復までにより長い時間がかかるのでしょう。
[鈴木メモ] 僕が調べた限りでは、質問者のケースでは、初めに実行して後に解除した301の情報がまだGoogleのインデックスに残っていることも影響しているようです。

ミューラー氏は、「ペンギンアップデート」には特に言及していませんが、ペンギンはデータの更新間隔が非常に長いアルゴリズムです。
前回の更新から9か月も経過しています。
次の更新は未定のようです。

ペンギンによる低評価を受けたときは、基本的には、問題を解消できていたとしても次の更新まで最新の状態は検索結果に反映されません。
さらに長い時間がかかります。

ペンギンアップデートに限らず、大量の人工リンクでランキングを不正に操作していたとしたら、問題発覚後にいざ解決を試みても信頼回復までにはとても長い時間を要することがあると認識しておきましょう。