[レベル: 上級]

この記事では、11月に米ダラスで参加した State of Search のキーノートスピーチ(基調講演)をレポートします。
キーノートタイトルは「The State of Search」、スピーカーは Search Engine Land のFounding Editor、Danny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏です。

サリヴァン氏は、検索の現状と将来予測について語りました。

検索はどのように変化しているのでしょうか?
また今後はどのように変化していくのでしょうか?
そして、僕たち検索マーケッターはどのように行動していくべきなのでしょうか?

Danny Sullivan at State of Search 2016

【鈴木補足】使用しているスクリーンキャプチャは可能な限り日本語のものに置き換えました。

検索結果の1位はどれ?

いったいどれが検索結果の1位なのか?

広告と強調スニペット、オーガニックが出る検索結果

商品リスト広告

ローカルパック

広告や強調スニペット、ローカルパックなどさまざまな要素が、現在はオーガニック検索よりも上に出てくる。

モバイル検索ではどうか?

ではモバイル検索ではどうだろか?

モバイル検索結果の広告

モバイル検索結果の商品リスト広告

モバイル検索結果のローカルパック

モバイルでも状況は同じ。

「検索結果1位になる」という考えと「10本の青いリンク」の時代は終わった。
SEOオワタ! SEM(広告)よ、おめでとう!
【鈴木補足】会場大爆笑

いや、SEOは終わっていない。
状況が変わることはチャンスが変わることを意味する。

何が変わってきたのか?

まず、前提として、Googleと我々の間には不文律がある ―― ユーザーの疑問に答える優れたコンテンツを提供することに我々は同意している。一方でGoogleは、検索者をそのコンテンツに送ることに同意している。―― ここで商取引が成立し、みんながハッピーになる。

しかし不文律は修正されがち。
Googleは、悪意からではないだろうが、検索者のもっと役に立ちたいという想いから、その不文律を変更した。
我々はその変更と戦わなければならない。

文字列 (strings) からモノゴト (Things) へ

Googleは、文字列ではなくモノゴトを認識・理解できるように変化した。

たとえば、「TEXAS」(テキサス)なら、以前は単に「T・E・X・A・S」の文字としてしかGoogleは認識していなかった。
しかし現在は、人々やものごと、各種情報と結びついた場所としてTEXASを認識している。

テキサス州が場所であり、人が住んでいることをGoogleは知っている。

「テキサスの人口は」のナレッジカード

テキサス州の州都であるかをGoogleは知っている。
【鈴木補足】ちなみに、 音声検索で「テキサス州の人口は」のクエリに後に「そこの州都はどこ」と続けると、”そこ”がテキサス州を意味していることも理解し、”テキサス州”に置き換えて検索する。つまり会話が成り立つ。

「テキサスの州都はどこ」の検索結果

テキサス州の一番高いビルが何かもGoogleはわかっている。

テキサス州で一番高い建物は

エンティティ検索は、ダイレクトアンサーに繋がる。
【鈴木補足】エンティティ (Entities) はこちらの記事で解説

「gary danko menu」(ゲイリー・ダンコ メニュー)と検索すると、そのレストランのメニューを表示する。
【鈴木補足】Gary Dankoはサンフランシスコにあるフレンチレストラン

「gary danko menu」の強調スニペット

iPhoneのリセット方法が検索結果でわかる。

「iPhoneのリセット方法」の強調スニペット

MozCastのデータによれば、ダイレクトアンサー(強調スニペット)が出現するクエリが増えている。ダイレクトアンサーは、SEOをダメにしてしまうのか?

そういうことでもない。
ダイレクトアンサーはおかしな答えを返すこともあるし、間違った答えを返すこともある。

ダイレクトアンサーを恐れなくていい。
理由は次のとおり。

  • Googleはあらゆることをダイレクトアンサーにはしていない
  • ダイレクトアンサーはまだ検索のごく一部
  • 多くの検索は複雑で、複数のセッションから成る
  • ダイレクトアンサーによるトラフィックの減少をほとんどのパブリッシャーは報告していない
  • ダイレクトアンサーにあるリンクがトラフィックに繋がるので、ダイレクトアンサーを欲しがっているパブリッシャーもいる
  • 状況に注視すること ―― とはいえ懸念は残る。バランスが取れた行動をGoogleが取るかどうかを見守る

Google Postsと、Googleのコンテンツ配信・自己ホスト

Googleは、Google Posts(グーグル ポスト)という検索結果での特別なセクションの提供を、選ばれた企業やグループに対して始めた。
コンテンツはGoogleでホストされる(Googleに直接投稿される)。

Google Posts

【鈴木補足】Google Postsに関してはこちらの記事を参照

AMPによって、さらにGoogleがホストするコンテンツが増える

AMPが通常の検索結果に表示されるようになった。

AMP化したモバイル検索結果

AMPは、効率的にGoogleでホストされる。

AMPはGoogleでホストされる

余談だが、AMPはApp Indexingよりも優先する。
【鈴木補足】こちらの記事を参照

ホストしたコンテンツや配信したコンテンツが、ひょっとしたら将来の新しい形になるのかもしれない。
しかしGoogleと同じゴール(有益なコンテンツをユーザーに提供すること)を目指しているなら問題ない。
もしそうでないなら、実験してみて、結果を注意深く観察する。

フィルタの終焉

2年の時を経て、ペンギンはリアルタイム更新になった。
パンダはペンギンよりもゆっくりだが、同じように継続して更新するようになった。
間隔を空けて更新する、順位を落とすフィルタではなくなった。

ハミングバードは検索アルゴリズムの中核部分を刷新した。
いわば、車のエンジンを入れ替えた。エンティティ検索に変わった。

【鈴木補足】それぞれこちらの異記事を参照

機械学習とRankBrainの幕開け

RankBrainと機械学習も大きな変化だ。

しかしRankBrainのためのSEOというものはない。

RankBrainは、検索結果をより適切に洗練するために機械学習を使う。
未知のクエリを、結果に自信が持てる既知のクエリに置き換える。

RankBrianや機械学習を恐れる必要はなく、ユーザーのクエリに答えるコンテンツを作ればいい。

今はモバイルファーストの世界

モバイフレンドリーアップデートをGoogleは実施した。
しかし「モバイフレンドリー」はもはや時代遅れの考え。
「モバイフレンドリー」と「モバイルファースト」は違う。
モバイルファーストじゃなければGoogleの検索結果に掲載されなくなるかもしれない。

モバイルで取るべきアクション

  1. モバイフレンドリーではなくモバイルファーストのサイト
  2. Click-to-Call
  3. リピータにはアプリ?
  4. Progressive Web App(PWA、プログレッシブ ウェブ アプリ)も検討すべきか?今後注目

ボットとデジタルアシスタント、ハンズフリー検索

予測検索の増加

Google Nowは検索する前に、ユーザーが知りたがるだろう情報を提供する。
【鈴木補足】Google Now(Nowカード)は、名称を「フィード」に変更。

Google Nowカード

たとえば、自宅にいる時は自宅周辺の天気を、出張中は出張先の天気を表示する。
海外旅行先の観光スポットや、日本の時間を教えてくれる。
パーソナライズした情報をプッシュする。

Google Assistantがおそらく”支援サーチ”になると推測

Google Assistantは将来の検索アシスタント。
初めに、検索は10本のリンクじゃないといったのを覚えているだろうか。
検索は、ユーザーが探しているものを提供すること。
Googleアシスタントがこの役割を果たす可能性がある。

とはいえ、支援サーチやボットの将来性はまだはっきりしない。
まだ先は長いだろう。
【鈴木補足】Google Assistantは、英語(米国)ではレストラン予約など日本語ではまだできないこともできる。

Google Home

Google HomeはGoogle Assistantを搭載したホームデバイス。

とても賢くて便利。
いろんなことをやってくれるし調べてくれる。

これは、ミートパイのレシピを、同じホームアシスタントデバイスであるAmazonのEcho(エコー)とGoogle Homeに質問した時の動画。

Echoは答えられないが、Google Homeは答えられる。
Google Homeの方が答えをたくさん知っている。

答えとして読み上げるのは、検索結果の強調スニペット。
【鈴木補足】こちらの記事を参照

こう聞くと、ウェブサイトへのアクセスを得ることができないと心配するかもしれない。
しかし、そのウェブページをあとから閲覧できるようにGoogle Homeアプリにリンクを残す。
ここからアクセスがあるかもしれない。

Google Homeアプリに表示された検索結果のリンク

あなたへのメッセージ

20年前に真実だったことは今でも真実である。

検索は常に変化し続ける。
変化しないのは、「人々は常に探す、検索する」ということ。
人々がどのように検索し、検索という場で露出する機会をどうやって増やすかを検索マーケッターは見つけ出さなければならない。

遠い昔に、Yellow Page(※日本でいうタウンページ)という紙の媒体に掲載して露出したのも、検索マーケティング。
少し昔に、25個の単語でYahoo! Directory(※すでに閉鎖、日本のYahoo!カテゴリに相当)に掲載して露出するのも、検索マーケティング。
現在、Googleのウェブ検索結果に掲載させて露出するのも、検索マーケティング。
露出するためのどんな手段が新たに現れようと、それは依然として検索マーケティング。

名前は変わる。
仕様も変わる。
しかし、成功する好奇心のスキルは変わらない。

好奇心を持ち、疑問を抱き、常に探求する検索マーケッターは変化をチャンスとみなすものだ!

ダニーは、僕が毎年参加しているSMXの主催者ですが、ここ数年は壇上に立って話すことがなくなりました。
ダニーが話すと知ったのもState of Searchへの参加を決めた大きな理由です。
行った甲斐がありました。

僕たちが理解しておくべき検索の現状を非常に巧みに語ってくれました。
しかし、変化したとはいえ本質的な部分は不変ですね。

最後のダニーからのメッセージは、繰り返し読みたいものです。

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