【2019年5月16日】Googleが検索品質評価ガイドラインを更新、やや大きめの変更点は3つ

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検索品質評価ガイドラインを 2019 年 5 月 16 日付けで Google は更新しました。

General Guidelines May 16, 2019

検索品質評価ガイドラインは、Google 検索の品質を評価する際に評価者が参照する解説書です。
もともとは非公開でしたが、2015 年 11 月に一般公開されました。

検索品質評価ガイドラインは、不定期に内容が更新されます。

僕自身は最新版をまだ読めていません。
The SEM Post の Jennifer Slegg(ジェニファー・スレッグ)が更新前後の差分をまとめています。

最新版の検索品質評価ガイドラインには大きな変更点はないようです。
しいて挙げると、次の 3 点が比較的特筆すべき変更になるようです。

  • E-A-T からページ品質へ
  • 著者の専門性要件の緩和
  • インタースティシャルへの言及

The SEM Post の記事を参照して、おおまかに変更点を解説します。

E-A-T からページ品質へ

“E-A-T” という専門用語の使用がガイドライン内で減りました。
代わりに “Page Quality”(ページ品質)という一般的な用語に置き換わっています。

E-A-Tは、次の頭文字を組み合わた言葉です。

  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

高品質なサイトに求められる条件として E-A-T は定義され、その後その重要性が高められてきました。

最新版ガイドラインでも E-A-T は用いられているものの、多くの場所で Page Quality が代わりに使われているようになっているとのことです。

理由はわかりませんが、評価者が誤解しないように特殊な専門用語の使用を避けたのか、Expertise/Authoritativeness/Trustworthiness に限定されず、もっと幅広い角度から品質を評価するようにしたのか、そんな理由を僕は想像しました。

もっとも E-A-T という用語が減ったからと言って、この要素が重要なことに変わりはありません。

著者の専門性要件の緩和

コンテンツ著者の専門性 (Expertise) がほぼあらゆるサイトに求められるような傾向がガイドラインの更新のたびに強まっていました。
しかしながら、最新版ガイドラインでは、”非” YMYL サイトでは専門性がさほど要求されなくなりました。

YMYL は “Your Money or Your Life” の略でお金や健康、法律など人の生活、生死に大きな影響を与えうる分野を表します。
YMYL に該当するサイトには特に高い品質が必要になります。

この高品質性には、コンテンツを作成した著者(個人、企業)の専門性も問われます(素人から、健康やお金に関することを教えてほしいとは思いませんよね)。

ですが、YMYL には程遠いようなジャンルのサイトでは専門性はさほど求められなくなりました。
たとえば、日常の出来事を個人が気軽に書いている雑記ブログでは高度な専門性は不要でしょう。

とはいえ、検索からのトラフィックを重視する僕たちのサイトでは専門性は重要だと僕は考えます。

インタースティシャルへの言及

インタースティシャルへの言及が拡大しました。
インタースティシャルでユーザー体験を阻害しているページは品質が低いとみなされます。

実際に、ユーザーの閲覧を邪魔するインタースティシャルを表示するモバイルページはアルゴリズムで評価を下げられるようになっています。

品質評価ガイドライン最新版の主だった変更点は以上です。
原本はこちらから入手できます。

最後に確認しておきます。
品質評価ガイドラインは、検索の品質を評価する目的で使われます。
検索アルゴリズムが想定どおりに正しく機能しているかどうかを判断するためのマニュアルと言い変えても構いません。

気を付けたいのは、ガイドラインに基づいた評価者の評価がランキングを直接変えることはない点です。
低いスコアを評価者が付けたページのランキングを、そのスコアに基づいて下げるということはありません。
評価者のフィードバックはアルゴリズム改善のための情報として利用されます。