Googleの検索品質評価ガイドラインが大幅改定、高品質サイトに求められるのは「E-A-T」

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Googleの「検索品質評価ガイドライン」が大幅に改定されました。
評価対象から削除された要素があるなかで、高品質なサイトやページに必要な要素としての「E-A-T」など新たな評価要素が加わっています。

検索品質評価ガイドラインとは

Googleは検索結果の品質を外部の評価者に評価させています。
その際にマニュアルとして「検索品質評価ガイドライン(英語名: General Guidelines)」を配布します。

マニュアルのサンプルは、Google検索の仕組みを紹介するポータルサイトで一般公開されておりダウンロード可能です。

しかし一般公開されているこのガイドラインはごく一部で、(僕たちSEOを施策する人間にとって)肝心な部分が大幅にカットされています。

評価者が実際に利用していると思われる本物の品質評価ガイドラインは、これまでたびたび外部流出してきました。

直近は2013年11月で、このときのバージョンは4.2、更新日は2013年6月7日が記載されていました(記事ではv4.1を参照していますが、その後v4.2を入手しています)。

今回、表に出てきたのはバージョン5.0です。
発行日は2014年3月31になってます。

General Guidelines Version 5.0の目次

新たに追加された「E-A-T」

4.xから5.0へと整数のバージョン番号が上がっていることが示すように、メジャーバージョンアップになっています。
内容が大幅に改定されています。

160ページもあるのでまだほとんど読めていませんが、v5で新たに加わった品質評価項目の「E-A-T」を取り上げます。

v4.xではYMYLが注目すべき新規項目でした。
v5.0では「E-A-T」です。

「E-A-T」とは

「E-A-T」とは以下の3要素の頭文字をとったものです。

  • Expertise
  • Authoritativeness
  • Trustworthiness

日本語では順に、「専門性・権威性・信頼性」となるでしょうか(“expertise”は「専門知識」と一般的には訳されますが、残りの2つに合わせてここでは「専門性」と置き換えました。)

サイトまたはページの品質を判断するための基準として「E-A-T」を用いるようにガイドラインは指示しています。
高品質なサイト/ページは「E-A-T」を備えていなければなりません。

品質評価ガイドラインにおける「E-A-T」の説明を以下に訳します。

高品質なページとサイトには、そのトピックに関して権威性と信頼性があるとみなされるのに十分な専門性が必要とされます。あらゆる種類のウェブサイトに「専門家」がいることを頭に入れておいてください。ゴシップのウェブサイトやファッションのウェブサイト、ユーモアのウェブサイト、フォーラム、そしてQ&Aのページなどでさえそうです。実際に、フォーラムやディスカッションのなかでしかほとんど得られない情報もあります。そういった場では、特定のトピックに関して価値ある視点を専門家のコミュニティが提供してくれることがあります。

  • 質が高い医学的な助言は、適切な医学的専門知識や認証評価を持った人や組織から出てくるべきです。質が高い医学的な助言や情報は、専門的な書式で書かれていたり作られていたりするべきだし、定期的に編集や見直し、更新がなされるべきです。
  • 質が高い、お金に関する助言や法律に関する助言、税金に関する助言などは専門的な情報源に由来するべきだし、きちんとした状態に保たれ更新されているべきです。
  • 住宅のリフォーム(数千ドルかかることがある)や育児・子育て(家族の将来の幸福に影響しうる)のようなことに関する助言もまた、ユーザーが信頼できる「専門的」な情報源に由来するべきです。
  • 写真やギターの弾き方を習うといった趣味に関するページにも専門知識は求められます。

正式な専門知識をそれほど必要としないトピックもあります。商品やレストランについてとても詳細で役立つレビューを書く人が大勢います。フォーラムやブログなどで、ちょっとしたコツや人生経験を共有する人が大勢います。こうした一般の人たちは、自分の生活のなかで経験があるトピックにおいて専門家としてみなされるかもしれません。そのトピックに関して「専門家」と思わせるような種類と量の生活上の経験をそのコンテンツを作っている人があたかも持っているようだとしたら、「日々の生活の専門家」として評価するし、その分野の正式な教育やトレーニングを受けていないからといって、その人やページ、サイトを私たちは罰したりはしません。

YMYLのトピックにおいてさえ、日々の生活の専門家がいることがあり得ます。たとえば、特定の病気を患う人たちのためのフォーラムや支援ページがあります。個人の経験を共有することは日々の生活の専門性の1つの形です。ここの事例を見てください([鈴木注]権限がないため見られない) ーー フォーラムの参加者が、愛する人がどのくらい長い間肝臓がんと共存してきたかを語っています。これは、医学的な助言ではなく個人の経験(それについては専門家)を共有している例です。しかしながら、(人生経験の話ではなく)特定の医学的な情報や助言は医師やそのほかの健康の専門家に由来すべきです。

そのページのトピックについて考えてみてください。目的をきちんと達成するためにどんな種類の専門性がそのページには求められるでしょうか。専門性の判断基準はそのページのトピックに依存します。

 

「E-A-T」を備えたサイト・コンテンツ著者を目指す

そのジャンルにおける権威があるサイトを高く評価するアルゴリズムをGoogleは開発しています。

また、まだ実装にはほど遠そうですが、Author Rank(オーサーランク)はコンテンツ著者の専門性や権威性、信頼性を評価する仕組みです。

ガイドラインに組み込まれたということは、サイトやページの質を測る要素として「E-A-T」をよりいっそう今のGoogleが重要視しているのではないでしょうか。

「E-A-T」を備えたサイト・コンテンツ著者を僕たちは目指さなければなりません。
もちろんそれは、上位表示のためではなく検索ユーザーが求めていることだからです。