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AI が生成する回答に貢献した度合いに応じて、ウェブサイトに報酬を支払う「AI Contribution Pilot」と呼ばれるプログラムを Google が一部のパブリッシャーを対象に進めていることを先日紹介しました。
関係者からの情報をもとに、このプログラムに関するさらに詳しい内容を The Information が報じています。
約 100 社のパブリッシャーに AI 回答の対価を支払い中
The Information の報道によると、Google は AI Overviews、AI Mode、Gemini での回答への貢献度に応じて、約 100 社のデジタルパブリッシャーに報酬を支払うテストを行っています。
関係者の証言に基づく報道で、テストは 1 年ほど前に始まったとされています。
「使われた回数」ではなく「貢献度」で決まる
報酬は、単にコンテンツが参照された回数ではなく、AI の回答をどれだけ良くしたかで決まります。
たとえば、AI が 100 のサイトを参照しても、回答を大きく改善するのは 5 サイト程度 (5%) という例が挙げられています。
ただし、何が「大きな貢献」と見なされるのか、どんなコンテンツが重視されるのかは、参加者にもよくわかっていません。
何の理由の説明もなく支払額が月ごとに変わることもあるそうです。
「Google が自分で使ったコンテンツの価値を決める新しい取引を試しているようだ」と参加企業の幹部は話しています。
差の大きい報酬額
報酬として得られる金額の差はパブリッシャー間で大きいようです。
- 数か月前に参加した媒体:約 5 万 〜 6 万ドル(約 790 万円 〜 950 万円)
- 早期に参加した媒体:年間 100 万ドル超(1 億 6,000 万円超)
- 小規模サイト:数か月で 1,000 ドル未満(16 万円未満)
複数の中小ブログやサイトでは、報酬は広告収入の 0.1% 未満でした。
ウェブ上の情報が比較的少ないのに、ユーザーの関心が高いテーマ、具体的にはアニメ、ゲームなどのジャンルは、報酬が高い傾向があるそうです。
ただし、はっきりしたルールではなく、パターンが見え始めた段階です。
なお、利用状況と支払額は、Google Search Console で確認できます。
大手は様子見、一方で「分析に役立つ」と見る声も
金額の小ささを理由に、参加を見送っている大手媒体もあります(関係者 3 人の証言)。
参加しないことで、Google などにもっと高い対価を払わせようとする狙いがあるようです。
一方で、Google の AI がどんなコンテンツを評価するのかを知り、自社の記事作りに生かす機会と考えるメディアも存在します。
Google が報酬を支払う理由
Google が報酬を支払う背景には、次の 2 つがあると考えられます。
- AI の回答の鮮度と正確さを保つための最新コンテンツの確保
- パブリッシャーの収益減少の補填と良好な関係の維持
ウェブ上のコンテンツで学習した AI モデルは、時間がたつと情報が古くなります。
そのため Google は、検索で見つけたコンテンツと回答を照らし合わせて、情報の鮮度と正確さを保ち、ハルシネーションを減らすよう取り組んでいます。
この目的を達成するためには、パブリッシャーのコンテンツが必要不可欠です。
もう一つの背景は、パブリッシャーからの強い不満です。
World History Encyclopedia(このプログラムには不参加)は、Google 経由のトラフィックが過去 2 年間、毎年 25〜35% 減り、2024 年と比べて約 50% 減ったと説明しています。
創業者によると、AI Overviews が表示されるページの落ち込みが最も大きいそうです。
Google としてはパブリッシャーとは良好な関係を続けていきたいという思惑があるでしょう。
トラフィックを奪うことによる収益減の埋め合わせという意図も含まれているはずです。
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The Information の記事によると、参加する媒体が十分に増えれば、他の AI 企業がウェブ媒体に対価を払う際のモデルになる可能性があります。
ただ現時点では、金額の小ささ、算定基準のわかりにくさ、大手の様子見といった課題が残っています。
なお、この報道は匿名の関係者の話に基づいており、Google からの正式な発表ではありません。
SEO の観点から注目するとしたら、Search Console に AI での利用状況が表示される点でしょうか。
現在、全ユーザーに提供されている AI パフォーマンスレポートはインプレッション数と表示されたページがわかるだけです。
どんなコンテンツが「貢献」と評価されるのかの情報が Search Console で手に入るのであれば、今後の生成 AI 向けの最適化を考えるうえで大きな手がかりになりそうです。
もちろん、対価として報酬が支払われることも魅力的に響きます。
