「No」と言わせない、コンバージョンを勝ち取るためのランディングページ最適化 at #SMX London 2012

[対象: 初〜中級]

SMX London 2012でのGoogleのAmit Singhal氏のキーノートスピーチを昨日は紹介しました。

今日から数回に分けてセッションレポートを公開していきます。

意表をついて、SEOではなく、ランディングページ最適化、LPOのセッションから始めます。

セッションタイトルは
“Winning The Conversion: Creating “Can’t Say No” Paid Search Landing Pages”
です。

4人登場したうちの3人のスピーカーのプレゼンテーションからになります。
まずは1人目、LimeTreeのMalcolm Graham(マルコム・グレアム)氏からです。

CVRが1%上がると売上が50アップする

− あからさまな広告のようなランディングページは機能しない
・「今すぐ購入!」みたいなのはNG
・ただし安い商品はこれで済んでしまうこともある

− 慣例となっているデザインから逸脱してはいけない
・典型的なレイアウトは、左上にロゴとはっきりした“Call To Action”(購入ボタンなどの反応装置、以下“CTA”)がある
MailChimpはよくできている
MailChimpのホームページ

− シンプルで値段が安い商材はシンプルで簡素なデザイン、簡素なメッセージでいい

− 複雑で高価な商材はランディングページにたくさんの情報を載せなければならない
・1行の文だけではコンバージョンしない
・説得するために多くの情報が必要
・CTAがBelow the Foldになることもある

− ランディングページではユーザーの疑問に答える
・探している答が見つからなければユーザーは去っていく

− グラフィカル的に豊かなページはブランディングに役立つことがある

− いいランディングページはコスト面で利点がある
・コンバージョン率が2%から3%に上がれば売上は50%アップする

次は2人目、Return On DigitalのGuy Levine(ガイ・ リーヴァイン)氏です。

− ホームページ(トップページ)はPPCのランディングページには向いていない

− すべてのランディングページには必ず目的を持たせ、訪問者に望む反応を定義しておく

− 購入サイクルのなかでマッチした反応がもっとも望まれる
・一般的な情報を探している人はまだ購入段階ではないから「買う」という反応を求めてはいけない

Above the Foldについてよく考える
・そのページにとどまるかを決める最初の段階
・伝えたいメッセージを繰り返す
・ただし少しずつ表現を変える

− ナビゲーションを制限する
・選択肢が多いとユーザーはそっちに行ってしまう

− 信頼を構築する
・ビデオが役に立つ
・協会・団体のロゴやメディア掲載歴など納得させるものを使う

− CTAを明確に打ち出す

− 全員が購入モードとは限らない
・購入をすぐに迫ると逃げる客もいる
・2ステップで販売する ⇒ メールアドレスの取得

− フォームを科学的に使う
・フォームが短ければ数は増える
・フォームが長ければ質は上がる

− キーワードとランディングページのことだけを考えない
・訪問者のこととそのペルソナを考える

− PPCのテストはキャンペーンの入念な準備によって支えられる
・コンバージョンするキーワードは慎重に扱い別の広告グループに入れる
・キーワードと広告文には関係性を持たせる

− コンバージョンを測定する
・電話も測る

− A/Bテストは始めたばかりのときやトラフィックが少ない時に効果的
・多変量テストは上級向け

− 推論で決めずに必ずテストする
・他の人が言ったことは自分の環境では当てはまらないかもしれない
・最初は大きなテストから始め、それから細かな調整をしていく

− コンバージョン最適化はデザイン賞をとることではない
・サイトでコンバージョンを獲得することがもっとも重要

− すべてのランディングページで必要な3つの要素
1. 自分たちは専門家だと伝える
2. これがあなたが求めているものだと伝える
3. 自分たちから買うように伝える

最後は、Solutions-insight InteractiveのBrain Lewis(ブレイン・ルイス)氏です。

『ランディングページの間違い1: 視覚的ないじめ』
− 積極的すぎる要素
・たとえばものすごく大きい購入ボタン
・大きければ買うというものではない
・購入ボタンは目立たせるが押し付けがましくあってはならない

− たくさんの種類のフォントにいろいろな大きさのフォント
・ゴチャゴチャして読みづらくなる
・あちこちに気が行くようにしてはいけない

− ローテーションバナー
・気が散る
・それぞれを覚えていられない
・ただし感情に訴えかけるようなときは機能することもある

− 切れ目なく長く続くコンテンツ
・ぜんぶ読まなければならない
・スペースやインデントを使って見やすくする
・カートに入れるボタンがAbove the Foldにない

− 色の使いすぎやコントラストの効かせすぎ
・視線は暗いところから明るいところへ動く
・ハイコントラストな部分に最初に目が行く
・多すぎる色と効きすぎたコントラストはページをゴチャゴチャにする

『ランディングページの間違い2: コンテキストの無視』
− ユーザーがなぜサイトにいるのかを理解する
・訪問者全員が買う準備ができているわけではない

− 訪問者の「立場」と「目的」を考え自分のサイトがそれらを考慮して作られているかを確認する
・「訪問者の立場」とは
1. 誰なのか
2. 彼らにとって大切なのは何か
3. 知識のレベルはどのくらいか
4. 購入サイクルのどこにいるか
5. どこからやって来たか
6. 動機や信条、欲求は何か
・「訪問者の目的」とは
1. 商品・サービスの事前調査
2. 初めの段階の調査
3. 会社の長所についての研究
4. ただ見てるだけ
5. 値段比較
6. 買いに来た

『ランディングページの間違い3: 信頼の未構築』
− 信頼を得るための4要素
1. 当然のことと思われている信頼性 — 今までに聞いたことがあるか
2. 視覚的な信頼性 — プロフェッショナルっぽく信用できるように見えるか、1996年から来たように(古めかしく)見えるか
3. 業界の信頼性 — 協会・団体のロゴ
4. 社会的な信頼 — 顧客の声やレビュー、数を載せるのもよい

以上です。

英語のセッションタイトルを見ると「Paid Search」とあるので実はPPC広告のランディングページ最適化のセッションです。

でもPPCに限らず一般的なLPOとしておおいに参考になる情報がたくさん見つけられたはずです。

コンバージョン率が2%から3%に上がれば売上は50%アップする

SEOでトラフィックを増やすことよりも、コンバージョン率を上げることのほうが比較的簡単にできることが多いものです。
僕たちにとって検索エンジン最適化(SEO)はもちろん大切です。
しかし効率良く収益アップするためにはランディングページ最適化(LPO)とコンバージョン率最適化(CRO)にも積極的に取り組まなければなりません。