[レベル: 上級]
AI が、Google 検索の結果の回答を生成する Search Generative Experience (SGE) のプレビュー版を僕も利用できるようになりました。
この記事では、SGE のファーストインプレッションをレポートします。
SGE の機能
こちらは [Best age to learn a new language](新しい言語を習得するのに最適な年齢)の検索結果です。
検索結果のトップに、SGE が生成した回答が表示されます。
この回答は Snapshot(スナップショット)と呼ばれます。
Snapshot の右には、関連するウェブのコンテンツがサムネイル付きで掲載されます(サムネイルが付かない場合もある)。
関連コンテンツの右上にあるアイコンをクリックすると展開して、より多くの関連コンテンツが出現します。
スナップショットの下には追加の質問の例が提案されます。
いちばん左にある「Ask a follow up」を選択すると、Conversation Mode(会話モード)に入ります。
Conversation Mode では、Bard や ChatGPT などの AI チャットと同じようにテキストでのやりとりを続けられます。
SGE のいろいろなスナップショット
購買クエリ
こちらは [Bluetooth speakers with extended battery life](バッテリーが長持ちする Bluetooth スピーカー)の SGE スナップショットです。
このように、ショッピング系クエリでは商品一覧が出てきます。
オーガニック検索がはるか下方に
こちらは [best crm for small business](小規模ビジネス向けの CRM)の検索結果です。
SGE のスナップショットには CRM がリストされます。
スナップショットの下には広告が掲載されます。
もう 1 つ特殊検索結果を挟んで、その下にようやくオーガニック検索結果が表示されます。
オーガニック検索結果が 1 位でも、はるか下方に追いやられてしまいました。
YMYL 系クエリにも回答
YMYL 系のクエリにも SGE はスナップショットを生成します。
こちらは [why nvidia stock is_down today](NVIDIA の株価が今日下がったのはなぜ)の SGE スナップショットです。
回答は返しますが、金融の専門家ではないので、専門家に相談した方がいいと注釈が付きます。
こちらは、[Should I apply heat or cold to a sprained area](捻挫は温めるのと冷やすのとどちらがいいのか)の SGE スナップショットです。
冒頭に、医者など医療の専門家に相談した方がいいと断りが入っています。
SGE が回答しないクエリ
どんなクエリに対しても SGE が回答を生成するとは限りません。
回答しなかったクエリでも「Generate」ボタンが出現した場合は、クリックすると SGE に答えさせることができます。
こちらは [orange](オレンジ)の検索結果です。
スナップショットは最初は出ていませんが、「Generate」で出せます。
SGE で検索トラフィックは減る? 減らない?
SGE の影響で、検索トラフィックが減少するのではないかと心配する人もいることでしょう。
たった 1 日使った僕の印象ですが、さほど心配はいらないように思います。
第一に、回答が必ずしも正しいとは限らないからです。
こちらは、[Why hasn’t my site switched to mobile first indexing yet?](サイトがモバイルファーストインデックスにまだ移行しないのはなぜ)のクエリです。
SGE の回答は次のとおりです。
Your site might not have switched to mobile-first indexing yet because Google hasn’t qualified it to be moved over. This could mean that Google sees your mobile version of your website differently.
Google automatically enables mobile-first indexing for all new websites created after July 1, 2019. However, it can take time for Google to index your page. For example, it can take 3–4 weeks for websites with less than 500 pages, 2–3 months for websites with 500 to 25,000 pages, and 4–12 months for websites with more than 25,000 pages.
You can also check if Google has crawled your page but chosen not to index it. If you see the message “Crawled – Currently Not Indexed”, it means that Google has crawled the page but chosen not to index it.
日本語訳です(Bard 利用)
あなたのサイトは、Googleがまだ移行を認めていないため、モバイルファーストインデックスに切り替えていない可能性があります。これは、Googleがモバイル版のウェブサイトを異なるように見ている可能性があることを意味します。
Googleは、2019年7月1日以降に作成されたすべての新しいウェブサイトに自動的にモバイルファーストインデックスを有効にします。ただし、Googleがあなたのページをインデックスに登録するまでには時間がかかります。たとえば、500ページ未満のウェブサイトの場合は3〜4週間、500〜25,000ページのウェブサイトの場合は2〜3か月、25,000ページ以上のウェブサイトの場合は4〜12か月かかることがあります。
また、Googleがあなたのページをクロールしてインデックスに登録しなかったかどうかを確認することもできます。メッセージ「クロール済み – インデックス未登録」が表示される場合、Googleはページをクロールしましたが、インデックスに登録しませんでした。
SEO にほどほど詳しいなら、適切な回答でないことに気付くでしょう。
SEO に詳しくなければ鵜呑みにしてしまうかもしれませんが、SGE の情報の正確性にいったん疑問を抱いたら、その後は SGE に出てくる関連コンテンツやオーガニック検索でサイトに訪問して、確かめるでしょう。
第二に、SGE のスナップショットは包括的な回答を提供しないからです。
ざっくりとした内容です。
イメージとしては、強調スニペットです。
SGE は、Google が自動生成した強調スニペットだと僕は表現したくなります。
概要で満足するなら検索をそこでストップするかもしれませんが、詳しい内容を知りたいユーザーはやはり実際にサイトを訪問するでしょう。
とはいえ、概要であっても検索結果で知りたい情報が手に入るのは便利です。
面白い機能であることは確かです。
SGE はまだ始まったばかりの実験段階のプロダクトです。
ユーザーからのフィードバックを集めて、正式公開されるときにはもっとずっと便利になっていることを期待しましょう。
SGE について試してほしいことがあれば、こちらからリクエストしてください。
試してみます。