Google、AIと検索を融合したSearch Generative Experience (SGE) を発表

[レベル: 上級]

Google は、Generative AI(生成 AI)と融合した検索を Google I/O で発表しました。
Search Generative Experience (SGE) と名付けています。

一般公開はまだで、米国のユーザーに対してウェイトリスト登録の受付けを開始しました。

この記事では、速報として Search Generative Experience の概要を紹介します。

AI が生成した回答を検索結果に表示

クエリに対応した AI が生成する回答は検索結果のトップに掲載されます。
ウェブ検索結果よりも上です。

SGE (Search Generative Experience)

通常の検索では細かく分けないとたどり着けないような複雑だったり、1 つの正しい回答が存在しないような質問にも SGE は対応できます。

検索結果と融合したのは Bing チャットと同じ形式ですね。
📝すずき補足: Bing チャットは単独のプロダクトとしても提供されている。

関連コンテンツを提示

生成した回答は特定のソースから引用したものではありません。
したがってソースを提示することはしません。

その代わりに、回答に関連するコンテンツを SGE は提示します。

SGE (Search Generative Experience)

拡大します。

SGE (Search Generative Experience)

右上にあるアイコンをクリックすると別の関連するコンテンツと入れ替わります。

Bard は、基本的に、ソースも関連するコンテンツも提示しませんでした。
コンテンツクリエイターからしてみると、一歩前進ですかね。

会話モードで質問を継続

ChatGPT や Bing チャットのように連続してやりとりできます。
通常の検索のように単発でありません。

こちらはショッピング系クエリで、SGE が生成した回答の様子です。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、2 つ目の質問を続けて投げかけています。
📝すずきメモ: 画面の下に注目

SGE (Search Generative Experience)

会話モードなので、当然のことながら、その前のやりとりの内容を記憶しています。
コンテキストを引き継げるのは、追加で知りたいことがあるときには便利です。

SGE (Search Generative Experience) として試験公開

生成 AI と融合した検索を “Search Generative Experience”(検索生成体験)、略して SGE と Google は名付けています。

SGE は、米国のユーザーを対象にウェイトリストの登録を受け付けています。
数週間後に試験的にリリースする予定です。

米国ユーザーかどうかはアカウント情報で判断しているらしく、VPN で米国から繋いでも登録は叶いませんでした😢
うまいことウェイトリストに登録できました😃

Search Lab

SGE は Bard とは別プロダクト

SGE のベースになっている LLM(大規模言語モデル)は PaLM2 や MUM など複数の LLM を利用しているとのことです。
これは SGE と Bard は完全に別プロダクトであることも意味しています。
Bard は はじめは LaMDA をベースにしており、現在は PaLM2 にアップグレードしました。

なお、Bard は、PaLM2 にアップグレードしたことにより日本語でも利用できるようになりました。

Bard 日本語版

Bard のアップグレードに関しては別記事で後日紹介します。

性能は、まぁ、自分で確かめてください。

さてさて、事前の噂どおり、SGE が Magi プロジェクトだったようです。
ヴェールを脱いだわけですが、驚くような機能ではなかったというのが僕の感想です。
検索と融合という点では、Bing チャットの後追いです。

生成 AI としての性能は使ってみないことにはなんとも言えませんが、ChatGPT(の GPT-4 バージョン)を凌ぐような能力を発揮するのかどうか。
Bard のような “劣化版” 生成 AI でないことを祈ります。

この記事では SGE の概要紹介でしたが、別の記事で後日より詳しい情報を解説します。

SGE の公式アナウンスはこちらです。
Google I/O での発表はこちらです。

【UPDATE (2023/05/15)】
SGE を紹介するホワイトペーパーを Google は公開しました。

日本語に翻訳したドキュメントを作成したので、英語で読みたくない方はそちらをご利用ください。