Googleの9月の検索品質改善は22個、でも2つの重要なアルゴリズム更新が抜け落ちている。

Google search quality highlights

昨日投稿した8月分に続いて、Googleが公表した検索品質改善の9月分をこの記事では紹介します。

9月分は全部で22個あります。

Googleが公表した2012年9月の22個の検索品質改善

Dot

[プロジェクト・コードネーム: Autocomplete]
中国語と日本語、韓国語でカーソルの位置を認識しての予測を向上させた。たとえば「restaurants」(レストラン)を検索した後に「Italian resutaurants:」(イタリアン レストラン)を検索しようと思って検索ボックスの先頭に「I」を入力すると、カーソル認識によって「Irestaurants」ではなく「Italian」を候補として提示してくれる。
(鈴木補足: 英語での例なので実際にはこのとおりではありませんが、「レストラン」の先頭にカーソルを当てて「い」を入力すると「いレストラン」の候補ではなく「池袋レストラン」や「伊勢丹 新宿 レストラン」のように確かにあり得る検索候補を提示します。)

#84288

[プロジェクト・コードネーム: Autocomplete]
韓国語において、より最新のオートコンプリート候補を表示するようにした。

espd

[プロジェクト・コードネーム: Autocomplete]
この変更により、ユーザーがいる国により関連性の高いエンティティをオートコンプリートで提供できるようになった。

#82876

[プロジェクト・コードネーム: Autocomplete]
オートコンプリートの候補の最後の単語が同じときの予測を更新した。

#80435

[プロジェクト・コードネーム: Autocomplete]
Googleアカウントにログインしているユーザーのウェブ履歴に基くオートコンプリートの提案をこの変更により改善した。

trafficmaps

[プロジェクト・コードネーム: Universal Search]
“traffic from A to B”(AからBへの交通)や”traffic between A and B.”(AとBの間の交通)のようなクエリで交通マップを表示するようにした。

#83406

[プロジェクト・コードネーム: Query Understanding]
明らかに画像を探している、場所を探している、ビデオを探しているなど意図がはっきりしているクエリの理解力を向上させることでユニバーサル検索結果を改善した。

#84394

[プロジェクト・コードネーム: Page Quality]
より質の高いコンテンツを信頼度の高いソースから見つけられるようになった。

#83761

[プロジェクト・コードネーム: Freshness]
クエリに対して関連性のあるページが同じドメインに2つ以上あった場合、もっとも新しいコンテンツを返すようにした。

#83901

[プロジェクト・コードネーム: Synonyms]
ユーザーの検索意図に関連性がある結果をもっと頻繁に返せるように検索キーワードの同義語の使用を改善した。

#84652

[プロジェクト・コードネーム: Snippets]
HTMLに変換したときにPDF(とその他のHTML以外のドキュメント)のタイトルを生成する。これらの自動生成タイトルはたいていは良いものだが他のシグナルも見ることによってより適切なタイトルをこの変更で付けられるようになった。

#84211

[プロジェクト・コードネーム: Snippets]
より適切なスニペットのタイトルを表示できるようになった。

#84460

[プロジェクト・コードネーム: Snippets]
ページのなかで重要なフレーズをより適切に識別するのに役立つ変更。

#83391

[プロジェクト・コードネーム: Answers]
症状検索を国際対応し改善した。

#83304

[プロジェクト・コードネーム: Knowledge Graph]
右パネルにトピックのサマリーをいつ表示すべきかを決めるシグナルを更新した。

#81360

[プロジェクト・コードネーム: Translation and Internationalization]
適用可能なところでは、一般的なホームページではなくユーザーの地域に即したURLを表示するようにした。たとえばスイスのユーザーにはblogspot.comの代わりにblogspot.chを見せる。

#81999

[プロジェクト・コードネーム: Translation and Internationalization]
(ウェブマスターが書いていなくても)特定の地域や言語に関連が高いドキュメントを自動的に理解するためのコードを改造した。

Cobra

[プロジェクト・コードネーム: SafeSearch]
アダルトコンテンツをより適切に検出するためのアルゴリズムを改良した。

#937372

[プロジェクト・コードネーム: Other Search Features]
検索結果ページのサイドバーにある「Translated foreign pages」(翻訳して検索)のリンクから翻訳検索ツールが利用可能になった。加えて、英語でない検索に対して英語のドキュメントからの方がより適切な結果を返せるときは検索結果ページの下に翻訳ツールを使うように提案するメッセージを表示するようにした。この変更により提案を表示するときの関連性が向上した。

以下の3つは公式アナウンスが別途すでに出ています。

Structured Data Testing Tool

「リッチスニペット テストツール」が「Structured Data Testing Tool」(構造化データ テストツール)としてリニューアル。
詳しくはこちらの解説記事で。

Google Insights For SearchがGoogle トレンドに統合

Google Insights For SearchがGoogleトレンドと統合した。
詳しくはこちらの解説記事で。

タブレットからのフライト検索

タブレット端末からのフライト検索が可能になった。
詳しくはこちらの解説記事(英語)で。

公表された9月の検索品質改善には2つの重要なアルゴリズム変更が抜けているのに気付いたでしょうか?

EMDアップデート」と「パンダ・アップデート20」です。

ともに9月中に実行されたにもかかわらずリストに含まれていません。

理由はブログ記事を書き終えた後にこれらのアルゴリズム更新が承認されたからだそうです。

またありとあらゆる改善をGoogleは公表するわけではありません。

アルゴリズムの更新は公式アナウンスすることがあってもデータの更新は必ずしも伝えるとは限りません。
パンダ・アップデートやペンギン・アップデートのデータ更新は頻繁に伝えるけれど、通常は、新しい変更が承認されたときにアナウンスします。

年間に500以上の品質改善がGoogleでは実行されていると言います。

公表されるのは、共有することに価値があると判断されたごく一部ということになりますね。