ページタイトル生成の新しいアルゴリズムについてGoogleが説明、ページ全体を反映するように改良

[レベル: 初級]

最近起こった、検索結果に表示するページタイトル生成のアップデートに関して Google は検索セントラルブログで詳しく説明しました。

なお、この記事では「タイトルの書き換え」という表現をあえて使いません。
Google 的には、title タグはあくまでも、検索結果に表示するページタイトルにかかわる要因の 1 つに過ぎず、必ずしも従うものではないからです。
したがって、「書き換え」ているわけではなく自分たちが最適だと考えるページタイトルを生成するために単に参考にしているという認識です。

新しいアルゴリズムはクエリではなくページ全体を参考にしてタイトルを生成する

検索結果に表示するタイトルを生成するアルゴリズムは以前のものと大きく変わりました。
いちばん大きな変化は、タイトル生成に影響する要因です。

  • 以前のタイトル生成: クエリに依存する
  • 現在のタイトル生成: ページ全体の内容を反映する

以前は、同じページであっても検索に使われたクエリに応じて表示されるページタイトルが修正されることがありました。

しかし新しいアルゴリズムのもとでは、クエリはタイトル生成に利用されません。
クエリに関係なく、そのページが何について表現しているのか(記事コンテンツであれば、何について書かれているのか)を全体的に考慮して、それを反映したタイトルを生成します。

title タグ以外の要素をさらに積極的に使う

HTML の <title> タグ以外の要素を検索結果のページタイトルに使うことは今に始まったことではありません。
10 年以上も前からある仕組みです。
公式ブログでの解説記事も 2012 年に出ています。

しかしながら、新しいタイトル生成アルゴリズムは、title タグ以外の要素をさらに積極的に使うようになりました。
特に、ページにあって、ユーザーが訪問したときに目にする要素です。

title タグの記述はページ上には現れません。
ブラウザのタブには出ていますが、ほとんどの場合は title タグの記述はタブの幅に収まりません。

ページにあって、ユーザーの目に最も付きやすい要素の代表は h1 タグです。
実質的には、そのページのタイトルとみなせます。
そんなわけで、検索結果のページタイトルに h1 タグが使われるケースが急増したようです。

もっとも、検索結果のタイトルに使われるのは h1 タグだけではありません。
下位の h タグも含めて、

  • そのページにあるテキスト
  • 他のページからのアンカーテキスト

などの要素も今までと同様に利用されます。

とにもかくにも、検索結果のページタイトル生成に対する title タグの影響度は以前よりも低下しました。

title タグ以外の要素を使う理由

title タグ以外の要素を使ってページタイトルを Google が生成する主な理由は次のとおりです。

  • 長すぎる
  • キーワードを詰め込んでいる――キーワードをたくさん入れたほうが上位表示しやすいとサイト作成者が勘違いしているため
  • title タグがないとか定形タイトルの繰り返し――たとえば「ホーム」や「無題」、あるいは全ページでサイト名だけ

概して言えば、読みやすくわかりやすいタイトルを生成するように新しいアルゴリズムは設計されています。
たとえば次のように修正するケースがあります。

  • サイト名を追加する
  • 極端に長い title は削って、大切だと判断した部分だけを表示する

適切なタイトルを検索結果に表示させるための対応

適切なタイトルを検索結果に表示させるためにできることを最後にまとめます。

ガイドラインに従う

検索結果に効果的なタイトルを作成するためのガイドラインに従って title タグを記述します(今回のアップデートに合わせてガイドラインも更新予定。新しいのが出たらブログでお伝えします)。

基本は依然として、適切な title タグの記述です。
Google によれば、今でも 80% 以上は title タグによって検索結果のタイトルが生成されているとのことです。

すぐにいじらない

先に説明したように、長すぎるとかキーワード詰め込み、「ホーム」だけのような不適切な title タグの場合には修正が起きやすくなります。
ですが、日頃から SEO に取り組んでいる僕たちには当てはまりません。
それどころか、どんなタイトルが検索ユーザーに訴求できるかを常に考えて title タグを設定しています。

今回のアルゴリズム変更に条件反射して title タグを修正するのは得策ではないでしょう。
“書き換え”を防げる保証はありません。
むしろ、ランキングに影響が出る可能性も否定できません。

※すずき注: タイトル生成のアルゴリズム変更は、検索結果のページタイトルの表示だけに影響する。ランキング アルゴリズムの変更ではない!

今回のタイトル生成アルゴリズムは不評なので(問題点も実際にたくさんある)きっと調整がはいるはずです。
少し様子をみるのも、1 つの対応策です。

ただ、h タグは見直したほうがいいかもしれません。
と言っても、キーワードを入れろということではなく、ページの内容を適切に反映しているかどうかを再確認することを提案します。

Google にフィードバックする

これは明らかにおかしい😡 というタイトルに遭遇した場合は(自分のサイトであってもほかのひとのサイトであっても)、Google にフィードバックします。
タイトル生成アルゴリズムの改良に役立てられるでしょう。

検索セントラルのヘルプコミュニティで受け付けています。
英語で書きたくなければ、日本語のヘルプコミュニティでもかまいません(フィードバック専用のスレッドを作ってもらうようにリクエストしておきます)。

【UPDATE (2021/09/10)】
日本語でのフィードバック用のスレッドはこちら

フィードバックの際は次を明記してください。

  • ページの URL
  • 検索結果に表示されたタイトル
  • デバイスの種類(スマホか PC か)
  • 可能であれば、スクリーンショット(鮮明に)
  • そのタイトルについての意見

ここからは、僕の個人的な意見です。

title タグの書き換え自体は問題ないと思います。
僕たちが設定した title タグよりももっと優れたタイトルを作ってくれるならありがたいことです。
ですが、意図せず変な風に変えてしまうから不満を言うわけですよね。
タイトル修正が検索ユーザーの役に立っているというなら、「修正によって CTR が ○% 上昇した」のような、それを証明するデータを提示してほしいものです。
そして何よりも、書き換えを拒否する仕組みの提供を要望します。