Google、キーモーメント用のClip構造化データを正式公開。自動生成用のSeekToAction構造化データを試験提供

[レベル: 上級]

キーモーメント用の構造化データの使い方に 2 つの更新が入りました。

  • Clip 構造化データのベータ版が終了し、どのサイトでも使用できるように
  • SeekToAction 構造化データの試験提供を開始

キーモーメント (Key moments) は、動画コンテンツが検索結果に掲載されたときに、動画内の各セクションの見出しとタイムスタンプを表示する機能です。
日本語では、「主な出来事」または「重要なシーン」と呼ぶこともあります。

キーモーメント

Clip 構造化データのベータ版が終了し、どのサイトでも使用できるように

Clip 構造化データは、ベータ版の申し込みを先日打ち切りました。
正式版として公開され、すべてのサイトで利用できます。

Clip 構造化データ

VideoObject 構造化データの hasPart プロパティでキーモーメントとして表示させたいクリップ(セクション)の情報を指定します。

  • name プロパティ: クリップの見出し名
  • startOffset プロパティ: 動画の先頭からの秒数で表したクリップの開始時間
  • url プロパティ: クリップの開始時刻を指定する URL

これらの 3 つのプロパティのセットを、表示したいクリップの数だけ繰り返して記述します。

Clip 構造化データの技術的な詳細は検索セントラルのデベロッパー向けサイトで確認できます。

SeekToAction 構造化データの試験提供を開始

SeekToAction はキーモーメントの生成を Google に任せてしまう構造化データです。
Google が AI(人工知能)を使って、適切だと判断するキーモーメントを自動で生成します。

現在は、ベータ版としての提供になります。

SeekToAction 構造化データ

VideoObject 構造化データの potentialAction プロパティに SeekToAction タイプをエンベッドします。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "VideoObject",
  "potentialAction" : {
    "@type": "SeekToAction",
    "target": "https://video.example.com/watch/videoID?t={seek_to_second_number}",
    "startOffset-input": "required name=seek_to_second_number"
  }
)
  • target プロパティ: 動画を掲載しているページの URL。{seek_to_second_number} はプレースホルダなのでそのまま使う。
  • startOffset-input プロパティ: プレースホルダなのでそのまま使う

設定するのは、動画ページの URL だけです。
Clip とは異なり、あとは Google がすべてやってくれます。

とはいえ、Google がどこまで適切に、正確にやってくれるかの保証はありません。
そのため、試験提供なのです。

SeekToAction 構造化データについても、技術的な詳細は検索セントラルのデベロッパー向けサイトで確認できます(日本語ページは未更新なので英語ページにリンクしてます)。

YouTube 動画は説明欄でキーモーメント設定

ClipSeekToAction をマークアップしてキーモーメントを設定するのは、基本的に YouTube 以外のサイトで動画をホストする場合です。

YouTube にアップロードした動画は、クリップの見出しと対応する再生時間を説明欄に書くだけで検索結果にキーモーメントが出てきます(このブログでの解説記事はこちら、検索セントラルの技術ドキュメントはこちら)。

ということで、自分のサイトで動画をホストしていたり、YouTube ではない動画投稿サイトで動画を公開したりしているなら Clip 構造化データまたは SeekToAction 構造化データを利用してみるといいでしょう。

ClipSeekToAction は、Google I/O 2021 の検索をテーマにしたセッションでも John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が紹介しています。