順位チェックよりももっと大切なこと

キーワードのランキングをチェックするのにいちばんいい方法は何? 新しいキーワードをターゲットにしたんだけど、ランキングの変化をチェックしたいんだ。どんな方法がベスト? 検索結果をスクロールして調べていくしかないのかな。

狙ったキーワードの順位チェック方法について尋ねられたGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は、次のように回答しました。

一言でいうとある意味ではそのとおりだ。スクロールして何位にいるか自分で見ていけばいい。

でも正しく言えば、そんなことはすべきじゃない。それはSEOに対する間違ったアプローチだ。

見方を変えてごらん。特定の1つや2つの”trophy phrases”(鈴木注:トロフィー・フレーズ、上位表示を勝ち取ることがトロフィーみたいに勝利記念になるようなキーワードのことだと思います)を見るんじゃなくて、ユーザーをサイトにもたらす すべての種類のキーワード、ロングテールキーワードについて考えるべきだ。

特定のキーワードの順位を見るんじゃなくて、サーバーのログでユーザーがすでに検索してサイトに訪問しているキーワードを調べたほうがいい。

AJAXの検索で何位に表示されたときのトラフィックかが分かるようになっている。この情報を見れば最適化するべきキーワードが見えてくることがよくある。トロフィー・フレーズを追いけることはなくなる。

さらにすべきことがある。サーバーログを見るだけじゃなくて、コンバージョン率も見るんだ。サイトにユーザーが訪問した後どのくらいが購入者になるか、または自分が望むアクションを起こしてもらえるか、これが重要だ。

コンバージョンを考えると、費用対効果や広告などいろんなことを考慮に入れる必要が出てくる。ユーザーにクリックさせるようなスニペットやtitleタグも考えなくちゃいけない。

したがってランキングに対する考え方をガラリを変えたほうがいいと思う。「このキーワードは何位で、このキーワードは何位」というのをチェックする代わりに、サーバーログやGoogle Analyticsを見てすでに検索結果に出ているキーワード全体を調べて、「どうやったらそのキーワードでもっと成果を出せるか」を考えるべきだ。

加えてコンバージョン率も考えるべきだ。いちばん売上をもたらす商品をトップページに載せて、ユーザーが見つけやすくするとかね。

だからランキングだけにフォーカスしないでほしい。ごくわずかのキーワードだけにフォーカスしないでほしい。そうする代わりに、全体を見てすべてを調和させながら、できるだけたくさん収益が出るようにユーザーに何が提供できるかを考えて努力したほうがいい。

特定のキーワードのランキングだけを追い求めるのではなくて、包括的な観点からアプローチして、時間や収益を逃さないようにしてほしい。

順位チェックすることが悪いわけではありません。
ターゲットにしたキーワードが順位を上げているか調べることはSEOにおいては大切なタスクのひとつです。

しかし、特定のキーワードの順位チェックだけに意識を向けてはいけないということですね。

すでにアクセスをもたらしているキーワードを調べ、そのキーワードでの順位をさらに上げる、SERPでのクリック率をさらに上げる、コンバージョン率をさらに上げる、こういったことに意識を向けたほうがいいということです。

コンバージョンに結びつく可能性のあるすべてキーワードを視野に入れて、全体としての売上(売上じゃなくても、申し込みでも登録でも問い合わせでもダウンロードでもユーザーに興してもらいたいアクションを起こしてもらうこと)がアップするような施策をしていくべきです。

「○○で1位達成」というSEOはもはや時代にそぐわなくなってきているというのは、僕のブログ読者なら感じているはずです。

Matt Cutts氏の言っていることを十分に理解できますよね。

【参考】
Google検索からのトラフィックの順位をGoogle Analyticsで調べるフィルタの設定は、以前に解説しています。
すべての検索アクセスに適用できるわけではありませんが、参考データとして利用できるでしょう。

またGoogleウェブマスターツールでも自分のサイトが検索結果に表示されたキーワードとその順位が分かるようになっています。