Googleコアアルゴリズムで順位が下がったとしても、必ずしもコンテンツ品質に問題があるとは限らない

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7月末から8月頭にかけて、Google はコア アルゴリズムをアップデートしました。

コア アルゴリズムのアップデートの影響を受けて検索トラフィックが減少した場合、たいていは、コンテンツの品質が低いことが真っ先に疑われる原因になります。

しかし、必ずしもコンテンツ品質が低いことが原因とは限りません。
コンテンツ品質が十分に高くても、コアアルゴリズムによって順位が下がることがありえます。

もっと評価されるようになったページが出現

3月のコア アルゴリズムアップデートの際、Google の Danny Sullivan(ダニー・サリバン)氏は SearchLiaison の Twitter アカウントを通じて次のように言っています。

どんなアップデートでも、順位が上がるサイトもあれば下がるサイトもあります。今、前よりも順位が良くないページがあっても何も悪いことはありません。そうではなく、以前は過小評価されていたページに対して私たちのシステムへの変更がプラスに働いたのです。

検索結果は相対的に決まります。
たとえコンテンツの品質に問題がなかったとしても、アルゴリズム更新によって別のコンテンツの評価が高くなれば、あなたのページの順位が下がってしまいます。

本質的に品質が低いわけではなく、品質の評価方法が変わったために順位が下がることがありえます。

検索ユーザーが求めるものは時間とともに移り変わる

では、Google はどうして品質を評価するコア アルゴリズムを繰り返し変更するのでしょうか?

理由はシンプルです。

検索ユーザーのクエリに対して、もっとも関連性が高いページを返すためです。

検索ユーザーが求めるものが、時間とともに移り変わることだってあります。
同じクエリでも、1年前は A というページがもっとも関連性が高かったとしても、今は B というページのほうが関連性が高いかもしれません。

僕のブログで言えば、MFI が発表された当時は「モバイル ファースト インデックス」のクエリではこのページがたくさんの検索トラフィックを集めました。
でも、そのクエリでは今は検索トラフィックはかなり減っています。
代わりにこちらのページに検索トラフィックが移っています(もう上位表示はしてないですが)。

MFI が発表された2年前と開始された今とでは、ユーザーが知りたいことは明らかに変化しているでしょう。

実社会で例えてみれば、1年前のファッションの流行は水玉模様だったけれど、今の流行はストライプ模様になったようなものです(ダサい例えですみません)。
去年の夏にとっても売れた水玉ワンピースなのに、今年の夏はさっぱり売れませんでした。
これは、水玉のワンピースの質が悪くなったわけではなく、今の女性が欲しがらなくなっただけの話です。
でも流行は繰り返すので、いずれ再び人気が出るかもしれません。

コアアルゴリズムによって評価が下がったページが、復活する例は珍しくありません(その逆もあり)。

関連性があり、高品質なコンテンツを作り続ける

「低品質なコンテンツ」に心当たりがあるなら、もちろんその改善に取り組まなければなりません。
しかし品質には問題がないと言える自信があるのなら、これ以上の品質改善はそう簡単ではないでしょう。

となると、取り組めることは次になるでしょうか。

  • “今”のユーザーが本当に求めている情報を提供できているか考える――提供できていなければコンテンツを更新する。あるいは状況によってはページを根本的に作り直す。
  • 関連性・品質がともに高いコンテンツを増やす――ユーザーが求めるものが新たに生まれている(日々のおよそ15%のクエリは、検索されたことがないまったく新しいクエリとのこと)。既存のページに固執せず、自分のビジネスに関係する新しいページを追加作成することができる。

コアアルゴリズムの影響を受けるのは、コンテンツの品質に問題があるケースが多いことは事実です。
しかしながらこの記事で説明したようにコンテンツの品質に大きな問題がなくても影響を受けることがありえます。

その場合は、現在のユーザーのニーズに確実に合致した情報を提供できているかどうかを調査してみてください。