YMYLに該当するトピックをGoogleはアルゴリズムで決め打ちしていない

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YMYL に該当するトピックを Google は手動でアルゴリズムに設定していません。

YMYL かどうかの判断は Google 社員ですら難しいこともある

こんな質問が英語版オフィスアワーで出ました。

家庭用のエネルギー供給機器や通信機器をテーマにしたコンテンツは YMYL に含まれますか?

Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は次のようなに回答します。

わからない。私たちは、特定のコンテンツを見て YMYL ジャンルだと判断しようとするように、そういったものを内部的にアルゴリズムにハードコードしているわけではない。したがって、絶対的な答えというものはない。

ここでのハードコード (hard-code) とは、「このジャンルのサイトは YMYL」「このテーマのコンテンツは YMYL」のように決め打ちして、YMYL に該当するサイトやコンテンツを固定的に定義することです。
大雑把に言えば、YMYL ジャンルを手動で設定してはいないということです。

YMYL かどうかはアルゴリズムが判断する?

サイトやコンテンツが YMYL に該当するかどうかはアルゴリズムが自動的に判断すると考えるのが妥当でしょう。

なぜなら、クエリが YMYL に該当するかかどうかはアルゴリズムが決定することを Google は明らかにしているからです。

Google は、間違った情報を提供しないようにどのように取り組んでいるかを説明するホワイトペーパーを 2019 年に公開しています。
この文書には次のように書かれています。

where our algorithms detect that a user’s query relates to a “YMYL” topic

ユーザーのクエリが YMYL トピックに関連していると私たちのアルゴリズムが検出した場合

クエリが YMYL かどうかをアルゴリズムが検出しているのなら、サイトやページのトピックも同様にアルゴリズムで YMYL 関連かどうかを検出しようとするはずです。

※すずきメモ: ちなみに、このホワイトペーパーには、検索だけではなく Google のプロダクト全般に YMYL や E-A-T が関わっていることも含まれています。読んだことがなければ読むことをおすすめします。

自分のサイトが YMYL かどうかを調べるには

自分のサイトとコンテンツが YMYL に該当するかどうかを調べるには、第一に、品質評価ガイドラインで挙げられている例を参考にして推測します。

別の判断方法として、ユーザーテストをミューラー氏は提案しています。

直接のテストもしくは A/B テストで、E-A-T に関する要素、たとえば著者情報がある場合とない場合でユーザーの反応がどのように変わってくるかを調査します。
ユーザーがコンテンツ著者の詳しい情報を求めるようであれば、そのコンテンツは YMYL に該当する可能性が高そうです(仮に該当しなかったとしても、ユーザーが求めているなら提供すべきですね)。

いずれにしても、YMYL に該当するジャンルとテーマは固定で決まってはいません。
Google 社員ですら判断が難しいケースもあります。

非 YMYL サイトであれば E-A-T は必要ないと昨日の記事で書きました。
それでも、コンテンツ作成者とサイト運営者の情報を提供することはどんなサイトであってもマイナスにはなりません。
YMYL サイトかどうかにかかわらず、E-A-T を高めておいて損はないでしょう。