最初のリンクの優位性はどのくらいSEOに重要なのか

Googleには、1つのページから同じページに対して複数のリンクが張られていた場合、最初のリンクのアンカーテキストだけが評価対象になる現象が確認されています。

たとえば、僕のYouTubeチャンネルに対して、次のように2つのリンクを張ったとします。

  1. 海外SEOビデオ
  2. すずきが作った動画

このとき対象ページに渡されるアンカーテキストは(HTMLソースレベルで)いちばん初めに出てくる1つめのほう、つまり「海外SEOビデオ」なのです。

2つめのリンクのアンカーテキスト「すずきが作った動画」は無視されるか、ほとんど評価されないのです(同じURLに向けてのリンクです。異なるURLに向けてのリンクには当てはまりません)。

メインコンテンツで「海外SEO」とホームページに向けてリンクを張っても、ページ上部のグローバルナビゲーションで「HOME」としてリンクを張っていたら、ホームページに対するアンカーテキストは「HOME」になってしまいます。

「海外SEO」のキーワードで上位を狙ったつもりが、実は効果がないわけです。

“最初のリンクの優位性”を回避するために、CSSのpositionプロパティでHTMLソースと実際の表示場所を裏で入れ替えたり、外部化したJavascriptでリンクを記述(GoogleはJavascriptリンクを通常リンクとしてみなすようになっているのでそのまま書き込むと読まれてしまう)したりするなどの細工が存在します。

この現象をいち早く発見した1人であるSEOmozのRand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏に、今でも発生しているのかと昨年末のウェブセミナーで質問したときには、”YES”との回答を得ました。

果たして、僕たちは”最初のリンクの優位性”をどこまで意識する必要があるのでしょうか?

これまでGoogleは、この現象に関して明確な説明をしていません。
しかし、Matt Cutts(マット・カッツ)氏が昨日ビデオを公開しました。

Is the order of links on a page important for SEO?

概して言えば、気にすることはないね。
最初のリンクだからといって特別なメリットはないよ。
リンクが何百あっても、大抵はGoogleは読むことができるからね。
ユーザーがリンクを見ることができてクリックすることができるのなら、Googlebotもそのリンクを辿るよ。
Googleはすべてのリンクを発見するように試みている。

結論としては、「意識することはないし、細工もしなくていい」ということになりますね。
こういうのはSEOギーク(僕?w)が興味本位で試すことで、普通のウェブマスターがやることではないでしょう。

PageRankスカルプティングみたいなものですね。

やるべきことをやって他にすることがなくなったときに思い出せばいい、最後の最後のSEO施策になります。

P.S.
アルゴリズムは変化するものなので、今現在も“最初のリンクの優位性”が存在するかどうかは分かりません。
また、Googleに限った現象です。
Yahoo!やBingでは同様の現象は確認されていません。