EMDアップデート: 低品質な完全一致ドメインの評価を下げるようにGoogleがアルゴリズムを変更

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GoogleのMatt Cutts(Matt Cutts)氏は小さなアルゴリズム更新を実行することを現地時間の先週金曜日の夕方(日本時間の先週土曜日の早朝)にTwitterでアナウンスしました。

アルゴリズム変更の狙いは、クオリティが低い「完全一致ドメイン」が検索結果の上位に出てこないようにすることです。

Exact Match Domain”とは、検索されるであろうキーワードをそのまま使ったドメイン名のことです。
完全一致ドメイン」とここでは呼ぶことにします。
頭文字をとって“EMD”と略すこともあります。

たとえば、“buy cheap viagra online”(安いバイアグラをオンラインで購入する)という検索キーワードをターゲットにした場合の完全一致ドメインは「buycheapviagraonline.info」になります。

この新しいEMDアルゴリズム更新は、米Google (google.com) の英語の検索だけに適用され与える影響は0.6%程度になるそうです。

またパンダ・アップデートやペンギン・アップデートとは関係ありません。

Exact Match Domainという言葉を初めて聞いた人も多かったことでしょう。
Matt Cutts氏のツイートをすでに見ていたとしても意味することが分からなかったかもしれません。

英語圏では、検索クエリをそのままドメイン名に使えるので完全一致ドメインは誰もが取得したがるドメイン名と言えます。

日本料理レシピの紹介サイトを運営するなら、japanesecooking.jp (Japanese cooking) や howtocookjapansefood.jp (How to cook Japanese food) 、japanesecusinerecipes.jp (Japanese cuisine recipes) が僕だったらほしくなるかもしれません。

完全一致ドメインのメリットは1つは分かりやすさです。
ドメイン名でサイトのテーマを想起できますね。

そしてもう1つ大きなメリットがあります。
Googleはドメイン名も関連性を測る指標にしていると考えられることです。
SEO的にも有利になり得ます。

ところが完全一致ドメインの影響力があまりにも強く、それだけで上位表示できているとしか思えない検索結果がずいぶん前から指摘されていました。

たしか2年前のPubCon Las Vegasで、完全一致ドメインが強すぎる件について質問されたMatt Cutts氏は対応すると答えていた記憶があります。

今になってやっとなのか、それともさらに調整を加えたのかツイートからだけでは判断できません。

とにかく完全一致ドメインを指標にするアルゴリズムをGoogleが変更したことは事実です。

ただし単純に完全一致ドメインの評価を下げたということではなく、「質の低い」完全一致ドメインのサイトの評価を下げたということのようです。
完全一致ドメインがすべて悪いと無条件に評価することは理にかなっていないので当然でしょう。

いずれにしても、日本で日本語のサイトを運用している僕たちの大半には影響しないアルゴリズム変更です。

もっとも僕のブログ読者には英語圏を対象にしたサイトを所有している人もいますから、該当するようならランキングの変化にいつもよりも注意を払ってください。

WebmasterWorldSEOmozを見るとそれなりに順位変動が発生しているようです。

今回のアルゴリズム変更がうまく機能していると判断できれば最終的にグローバルで展開することもあるだろうともMatt Cutts氏はツイートしています。

日本語のサイトで言えば、完全一致ドメインは日本語ドメインに相当するように感じられます。

日本語ドメインのサイトも日本語ドメインというだけで有利になっているとしか思えない検索結果がありますよね。

完全一致ドメインアルゴリズム更新が日本語ドメインにもゆくゆくは拡大するかのかどうかが気になるところです。