Google、1年たてばリダイレクトは解除可能。引き継いだ評価はリダイレクトなしでもそのまま残る

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1 年たてばリダイレクトを解除して構わない。
たとえリダイレクトを停止しても、引き継がれたシグナルはそのまま残る。

こうした情報を、Google の Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏が Twitter に投稿しました。

リダイレクトは半永久的に保持する必要なし

旧 URL から新 URL へ検索エンジンの評価を引き継ぐためにリダイレクトを構成します。

リダイレクトが有効であるかぎり評価は引き継がれる」、逆に言えば、「リダイレクトを停止すれば評価の引き継ぎは止まる」、このように僕たちは理解してきました。
そのため、リダイレクトは半永久的に継続するのが原則です。

しかしながら、そうではないことが判明しました。

リダイレクトを 1 年間 継続しておけば、リダイレクトを解除しても、旧 URL から新 URL への評価の引き継ぎは継続します。
つまり、リダイレクトはもはや不要になるのです。

リダイレクト停止後の旧 URL の評価はどうなる?

1 年経過してリダイレクトを解除したとします。
その後、旧 URL に新たなコンテンツを公開したら評価は新旧のどちらの URL に所属するのでしょうか?

わかりやすく、ドメイン A をドメイン B に移転したケースで考えてみましょう。

まず、セオリーどおり、ドメイン A からドメイン B にリダイレクトを設定します。
こうすることで、ドメイン A が持っていた評価はドメイン B に受け継がれます。

1 年たったので、リダイレクトを止めました。
それでも、ドメイン A の評価はドメイン B に引き継がれたままです(これが新しい情報)。

リダイレクトを解除したので、ドメイン A を新たなサイトとして再運用します、
ドメイン B とは関係のない独自のコンテンツを公開します。
リダイレクトを解除した後は、ドメイン A とドメイン B は互いに独立したサイトとして Google は認識します。

この状況では、ドメイン B はドメイン B として独自の評価を構築していきます。
それでも、リダイレクト継続中にドメイン A から引き継いだ評価は保持します。

同じように、ドメイン A はドメイン A として独自の評価を構築していきます。
ところが、リダイレクトするまで培ってきた評価はドメイン B に移ってしまっています。
戻ることはありません。
リダイレクト解除後のドメイン A は、評価ゼロからスタートするのです。

「1 年」の補足

リダイレクトを 1 年継続する必要があるとはいえ、きっかり 1 年つまり 365 日ということではありません。
1 年未満でも評価が完全に移行する場合もあります。
それでも、 1 年を目安に考えておけば安心だそうです。

また 1 年はどの時点で始まるかと言うと、最初にクロールした時点(リダイレクトを認識した時点)です。

旧 URL にユーザーがアクセスするならリダイレクトは保持したほうがいい

リダイレクトは 1 年間 継続しておけばいいというのはあくまでも、Google 検索の評価の観点からの話です。

以前の URL にユーザーが引き続きアクセスするのであれば、移転後のページにユーザーを転送するためにリダイレクトは継続しておくべきでしょう。

また、ほかの検索エンジンはリダイレクトの継続期間をどのように処理するのかはわかりません。
Google 以外の検索エンジンも重要なら、安全策のためにやはりリダイレクトは継続しておいたほうがいいかもしれません。

リダイレクトは 1 年で解除可能の衝撃

リダイレクトは 1 年たてば解除可能で、しかも評価の引き継ぎも残ったままというのはかなり衝撃的でした。

たしかにリダイレクトは 1 年でもいいというのは John Mueller(ジョン・ミューラー)氏も数年前にコメントしていました。
ただこれは、1 年くらいたてば旧 URL へのクロールが減って評価シグナルとしての価値がなくなるだろうし、新 URL 独自の評価が蓄積されて旧 URL の評価なしでも問題にならないだろうという判断に基づきます。

評価の受け渡しは、リダイレクトを切った時点でストップすることに変わりはありませんでした。

次の条件がそろえば、1 年後には憂いなくリダイレクトを解除できるというのが最新の情報です。

  • Google 検索だけが重要
  • 古い URL にはユーザーはもうアクセスしない

たとえリダイレクトがなくなっても、評価は引き継いだままです。

[H/T] Gary