Googleが取得した新しい特許は想定外の順位を見せてスパムを判定する

[対象: 上級]

スパムを検出するための仕組みに関する新しい特許をGoogleが取得しました。

スパムらしい行為が発見できたものの確信が持てないときに想定外の順位変動をまず見せることで反応を伺い、本当にスパムかどうかの判定に利用するものです。

SEO by the SeaのBill Slawski(ビル・スロースキ)氏がこの新しい特許について解説しています。

僕なりに要点を絞って解説します。

3つのタイプの検索順位

特許では3つのタイプの検索順位を定義しています。

  1. old rank(オールド ランク)
  2. target rank(ターゲット ランク)
  3. transition rank(トランジション ランク)

“old rank”はページの元の検索順位です。

“target rank”は、そのページにランキングを不正に上げようとして加えられたスパムらしき変更、でもスパムとは確定できない変更が加えられた後の最終的な検索順位です。

“transition rank”は“old rank”から“target rank”に移る間に見せる暫定的な検索順位です。

transition rank の役割

transition rankで、想定外の動きを見せることがこの特許の特徴になります。

たとえば、ランキングが上がることを期待するサイト管理者の思惑とは裏腹に次のような変化をtransition rankは起こすかもしれません。

  • 順位変化の反応に時間がかかる
  • 順位が下がる
  • ランダムに順位が動く
  • 予期せぬ動きを起こす

1つだけとは限らず組み合わせになるかもしれません。

サイト管理者がリンクを付けた場合、反応せずにしばらく待つかもしれません。
順位を下げることさえするかもしれません。
期待していたよりもずっと少ししか順位が上げないかもしれません。

こういった異常な動きに対してそのサイト管理者がどう反応するかを見るのです。

たとえばキーワードを詰め込んだところ期待とは逆に順位が下がったためそのキーワードを取り除き元の状態に戻したとしたら、スパムを行なっていた証拠になり得ます。

あるいは最終的な検索順位(target rank)にたどり着くまでの時間を遅らせて期待しているような順位の上昇を抑えておいたとしたら、今度はさらなるスパムを追加で実行してくるかもしれません。

transition rankが適用される対象は、1つのページだけあるいはそのページを提供しているサーバー、同じ作成者によって作られた一連のページ、レイアウトや画像など同じデザイン要素を持つページ群になるかもしれません。

まとめ

スパムとおぼしき行為が発生しているけれど絶対という確信が得られないときに、不安定な順位変動や極端な動き、あるいは順位変化なしのように想定していない検索順位をこの特許の仕組みは暫定的に見せます。

この期間の順位を“transition rank”と呼びます。

transition rankに対してそのサイトがどんなふうに反応するか、例として、順位が下がったら元に戻す、少しあがった・変化なしだったらさらに追加でスパム行為を実行する、こんな反応が認められればスパムと判定する大きな判断材料にできるわけです。

スパムのつもりではない、何らかのSEOを僕たちが施策したときに思いがけない動きをしたあるいはまったく変化がなかったという経験がありませんか?

ひょっとしたら今日紹介した特許の仕組みが働いているのかもしれませんね。

この特許が実装されているとしたら、その時のあなたのリアクション次第でスパム判定される可能性も考えられそうです。