クロール頻度を強制的に増やしてもコンテンツ評価は上がらない

[レベル: 初級]

コンテンツのクロール頻度を無理やり増やしても、良いコンテンツであると Google に評価させることはできません。

クロールを増やしても評価は上がらない、少数でもいいから素晴らしいコンテンツを

コンテンツの品質は、Google のクロールの優先度と頻度に影響します。
簡単に言えば、高品質であればあるほど優先的にクロールされるし頻繁にクロールされます。
かといって、たくさんクロールさせればそのコンテンツの評価が上がるわけではありません。

Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が LinkedIn で次のようにコメントしました。

Purely from a practical POV, if you think something’s great, you’re going to try to get more of it, right?

I see some folks try to turn this around, pushing their content to be crawled more frequently, so that Google will think it’s good. IT DOES NOT WORK THAT WAY, IT DOES NOT MAKE ANY SENSE. HELLO. Your kids won’t start loving kale if you force it down their throats in the same way they stuff ice cream in their faces.

実用的な観点から見れば、何かが素晴らしいと思えば、もっと手に入れようとするのが当然のことでは?

なかには、この考え方を曲解し、コンテンツをより頻繁にクロールされるようにして、Google に良いコンテンツだと思わせようとする人たちもいる。しかし、そんな方法ではうまくいかない。筋が通っていない。そうだろう? 子どもたちに無理矢理ケールを食べさせても、アイスクリームをがっつくように好きになってはくれないのと同じことだ。

重要なページだと認識しているから、優先的にクロールする」のであって、「クロールを強制しても、そのページが重要だと認識する」ことはありません。
因果関係と相関関係を取り違えてはいけませんね。

Google だけではなく Bing にも当てはまる理論です。
Bing 検索の PM である Fabrice Canal(ファブリス・カナル)氏は X で次のようにコメントしました。

Bing に関しても同じだ。SEO では「少ないほうが豊か」という考え方が重要だ。クロールする URL を最小限に抑え、素晴らしいコンテンツの作成に注力することで、あらゆる検索エンジンで良質なクリックを獲得できる。同じコンテンツを何度も公開すると、クロールの割り当てを無駄にしてしまう。IndexNow とサイトマップの「lastmod」を活用し、検索エンジンに優先的にクロールしてもらおう。

最後に IndexNow を宣伝しているあたりがアレですが、少なくてもいいから良質なコンテンツを提供すること、月並みに表現すれば「量より質」が重要なのは Google でも Bing でもどんな検索エンジンでも共通です(少なくとも現在では)。

まとめ

ミューラー氏とカナル氏のコメントのポイントをまとめます。

  • 量より質: 検索エンジンで上位表示されるためには、素晴らしいコンテンツを作ることが最重要。頻繁な更新や過度なクロール要求でシステムを操作しようとしても効果はない。
  • 効率的なクロールが鍵: クロール対象の URL を最小限に抑える、lastmodタグ(と Bing では IndexNow)を活用すれば、検索エンジンが効率的にクロールして重要なコンテンツにフォーカスできるようになる
  • 少ないほうが豊か: 少数だったとしてもすべてが高品質なコンテンツであればサイト全体の高い評価にもつながる