AMP (Accelerated Mobile Pages) 導入前に知っておくといい話

[レベル: 上級]

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が、英語版の公式ヘルプフォーラムで Accelerated Mobile Pages (AMP) について質問したユーザーに情報を提供しました。
AMP導入を検討している人の参考になるので紹介します。

AMP導入に参考になる情報

  • 今のところは、正規の検索ではまだAMPページを表示していない。2月後半の開始を予定している。
  • まず最初は、ニュース系コンテンツをカルーセル形式で表示することになるだろう。エンジニアによれば、ほかのタイプも公開後すぐに追加していく予定とのこと。
  • 一般的には、AMPページはページ単位で結び付けられる(各AMPページには対応する[通常の]ウェブページが存在する)。もちろんAMPだけのページを作ることもできる。
  • 私たち[Googlebot]がクロールして link rel=amphtml を発見すると、その後ほぼ即座にAMPバージョンのページを取得する。[ウェブページとAMPページの取得の]時間差は最小限のため、ニュース系コンテンツにとっては非常に都合がいい。
  • Search Consoleのレポート反映は即時ではない。更新には2、3日かかることがある(Search Consoleの他のレポートと同じタイミングで更新する)。これが理由で、たとえクロール・インデックスされても、AMPページを作成した直後には変化が見られないはず。

ミューラー氏情報の補足

ミューラー氏の情報をもう少し深掘りして補足説明します。

AMPはまだ正式公開されていません。
2月後半に、AMPに対応したモバイル検索をGoogleは一般公開する予定です。
g.co/ampdemo で試験用のAMP対応モバイル検索を体験することができます。

AMPページは、通常の検索結果とは分けられ、カルーセルのなかに表示されます。
主にニュースサイトからの最新ニュースが対象です。

こちらは、試験公開されているAMP検索結果です。
産経ニュースや朝日新聞のようにニュースサイトからの記事がカルーセルのなかに表示されています(当然すべてAMPページ)。

AMP対応モバイル検索で、カルーセルに表示されるニュースのAMP記事

ニュース系以外のコンテンツも追加していくとのことです。
当面は、ニュース記事ほかレシピや旅行ガイド、イベント情報のような静的コンテンツが対象になるでしょう。

AMPページは単独では公開できません(できるけど、検索の対象にはならない)。
元となる通常のウェブページがあり、それに対応する形でAMPページを公開します。

【UPDATE】これは間違いです。AMPだけのページを公開することが可能です。

通常のウェブページが存在する場合は、ウェブページからは対応するAMPページへ向けて link rel="amphtml" を指定し、反対に、AMPページからは対応するウェブページへ向けて link rel="canonical" を指定します。
別々のURLで構成するモバイルサイトの双方向のアノテーションと同じようなものですね。

通常のウェブページに記述してある link rel="amphtml" をGooglebotが検出すると、即座に、指定されているAMPページのURLを取得しにいきます。
したがって、元となるウェブページさえクロールさせればいいということになります。

AMPページを速やか見つけてもらうには、常のサイトマップよりも取得スピードが速いRSSフィードを、Search Consoleのサイトマップツールから送信するといいかもしれません(通常ページのRSSフィードを送信する)。
もっとも、ニュースサイトのようにクロール頻度が高いサイトは何もしなくてもすぐにAMPページもクロール、インデックスしてもらえるでしょう。

既存のページをAMP化したりエラーを解消したAMPページがあったりするなら、<lastmod> で更新日時を指定したサイトマップを送信しておけば優先的にクロールされます
記述するのは元となるウェブページのURLです。
link rel="amphtml" によって対応AMPページもクロールされます。

Search Consoleに実装されたAccelerated Mobile Pagesレポートは、即時反映ではありません。
だいたい3〜4日かかるようです。

Search ConsoleのAccelerated Mobile Pagesレポート

ミューラー氏が言うように、Search Consoleのレポートはどれも数日から1週間程度の時間が更新までにかかりますね。
AMPレポートも例外ではありません。

Googleは、TwitterやPinterest、Linkedinなどのソーシャルメディアや大中小を問わずにニュースメディアを巻き込んで、公開前からAMPを猛プッシュしています。
日本語導入ガイドの公開や、Googleアナリティクス・広告のサポートなど導入のハードルも少しずつですが下がってきています。
誰でも簡単に導入できる状態ではまだまだ決してありませんが、AMPの導入をあなたが真剣に検討しているなら、この記事が参考になればと思います。