A/Bスプリットテストはクローキングや重複コンテンツになるのか?

[対象: 中〜上級]

A/Bスプリットテスト
A/Bスプリットテストや多変量テストの適切な実行方法について英語版のGoogleウェブマスター向け公式ブログが説明しました。

A/Bテストは、クローキングのようなガイドライン違反になったり重複コンテンツのようなインデックス・ランキングに悪い影響を与えたりすることがあるのでしょうか。

公式ブログの説明によれば以下に説明する点に注意してテストすれば問題は起こらないとのことです。

クローキングをやらない

クローキングはユーザーエージェント (User-Agnet、UA) に基いてユーザーと検索エンジンに対して同じURLで異なるコンテンツを見せることでガイドライン違反に違反します。ユーザーにはテスト用のページを見ながら検索エンジンには常にオリジナルのページを見せるとクローキングに相当してしまうのでやってはいけません。ガイドライン違反としてみなされ順位を下げられたりインデックスから削除されたりすることがあります。

rel=”canonical”を使う

A/Bテストを複数のURLで実行するときは優先するURLをGoogleに示すために代表となるURLをrel=”canonical”で指定します。rel=”canonical”の使用はnoindex robots metaタグの使用よりも推奨されます。優先しない方のURL(正規化されるURL)をnoindexにしてしまうと優先URLまでもがインデックスから非表示になってしまうといった予期せぬ結果になってしまう可能性があります。

301ではなく302を使う

オリジナルのURLからテスト用のURLへリダイレクトする場合は恒久的な移動を意味する301リダイレクトではなく一時的な移動を意味する302リダイレクトを利用します。テストを行なっている間だけリダイレクトするので、302であれば一時的な転送であることを検索エンジンに伝えられます。インデックス(検索結果)にはオリジナルのURLが保持されます。またJavascriptによるリダイレクトも利用可能です。

必要な期間だけテストを実行する

結果が出てテストを終了したらできるだけ早く望ましいコンテンツに更新して代わりに使ったURLやスクリプト、HTMLのコードなどの残りの要素をすべて削除します。不必要なくらいの長い間テストを実行しているとGoogleが判断したときは検索エンジンをだます試みだとみなして相応の措置を講じることがあります。ひとつのコンテンツの変型を大多数のユーザーに提供しているときには特に注意しなければなりません。

上記を正しく守ってテストすれば、ほとんどまたはまったく検索結果に影響を与えることはありません。

テストの内容によってはGooglebotのクロールやインデックスにさらにたいした問題にならないこともあります。
大きさや色を変えたりボタンや画層の配置を変えたりCall to Actionの言葉を「カートに入れる」から「今すぐ購入する」に変えたりする小さな違いはユーザーの反応に驚くくらい大きなインパクトを与えることがありますが、そのページの検索結果でのスニペットや検索結果にはたいていの場合まったく影響しません。

サイトで実行されているテストを検出してインデックスするのに十分な頻度でクロールしていれば、テストが終わった後には最終的な更新をかなりスピーディに通常はインデックスします。

GoogleによるA/Bスプリットテストの注意点の説明は以上となります。

SEOを意識しているサイト管理者のなかには、A/Bテストで複数のコンテンツを準備するときに検索結果に与える影響を気にする人も多いのではないでしょうか。

普通にやっていれば問題が起こることは通常ないのですが、検索エンジンをだます意図がなくても知識不足による不適切な構成で思わぬ事態に出くわすことがあるかもしれません。

Googleアナリティクスに「ウェブテスト」機能が実装されてA/Bスプリットテストがより簡単に試せるようになりました。

今回得た情報を念頭に入れてトラブルを起こさないようにテストを実行しましょう。