検索結果をリアルタイムに更新する「Googleインスタント検索」が登場

Googleは、検索時の文字の入力に合わせて検索結果をリアルタイムに更新する「Google Instant(日本語名:Google インスタント検索)」をリリースしました。

検索結果を表示させるには通常「Google Search(Google検索)」ボタンをクリックするか、またはEnterキーを押します。

しかし、Googleインスタント検索はキーワードの入力途中であっても、入力されるであろうキーワードを予測し該当した検索結果ページをリアルタイムに表示します。

たとえば「海外旅行」を検索しようとして「かいが」まで入力したところで、すでに「海外旅行」の検索結果が表示されます。
検索ボタンをクリックしたり、エンターキーを押す必要はありません。


※分かりづらければ「フルスクリーンモード」で再生してください(プレイヤーの右下にボタンがあります)。

Googleの狙いは検索スピードの向上です。
個々の検索で短縮できる時間はほんの僅かですが、多数の検索ユーザーが利用するGoogleでは毎秒11時間が節約できることになるそうです。
「塵も積もれば山となる」で毎日大量の検索を実行するヘビーユーザーにとっては、長いスパンで見ると時間の節約に繋がりそうですね。

現在導入されているのは、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ロシアのGoogleです。
サポートしているブラウザは、Chrome v5/6、Firefox v3、Safari v5 for Mac、Internet Explorer v8 になります。

日本は未導入ですが、Google.comでも日本語の検索に対応しています。
また日本語のヘルプページがすでにできあがっているので、そう遠くない将来に日本にも導入されるのではないでしょうか。

Web担当者Forumのコーナーでレポートしたように少し前にテストが行われていた機能が晴れて一般向けに公開された形になります。

使いづらいといった不平も出ているようですが、個人的には気に入った機能です。
日本にも早く導入してほしいですね。
嫌いなユーザーは設定ページでオフにできます。

Googleインスタント検索の導入で「SEOが死んだ」なんていう声もあるようですが、新しい機能が出るたびにこういう予測が起きます。

GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)も言っているように、そんなことはないでしょう。

なんらかの影響を与える可能性は否定できませんが、そんな予測は当たるか当たらないか分からないので気にしても仕方ありません。

予測は「Googleインスタント検索」に任せておけばいのです。(笑)

なお、検索結果(検索順位)はまったく変わりません

ただし、これまでと確実に違ったデータが現れる影響があります。
それは「インプレッション」すなわち表示回数の数え方です。

表示回数の算出方法

Google インスタント検索を利用して検索を行うと、次の場合に広告の表示回数がカウントされます。

  • ユーザーが Google で検索クエリの入力を開始して、ページ上の任意の場所(検索結果、広告、スペルの訂正、関連する検索)をクリックしたとき。
  • ユーザーが [検索] ボタンをクリックするか、Enter キーを押すか、予測キーワードの 1 つを選択したとき。
  • ユーザーが入力を止めて、結果が 3 秒以上表示されたとき。

上はGoogle AdWordsのヘルプページからの引用です。

AdWordsの広告主は要注意ですね。

ただし自分はAdWords広告を出稿していないから関係ないのかというとそんなこともありません。

身近なところで言うとGoogleウェブマスターツールのレポートにも影響します。

ウェブマスターツールの「検索クエリ」ではキーワードごとの表示回数を見ることができます。

Googleウェブマスターツール 検索クエリ レポート

インスタント検索の予測で検索結果が表示され、先に説明した3つの条件のどれかに当てはまると、予測したキーワードが表示回数に含まれます。

たとえば、僕のブログは「robots.txt 書き方」でそこそこアクセスがあります。
しかし「robots.txt」まで入力したところで、インスタント検索の機能によって僕のブログのページが表示されて、検索ユーザーがそれをクリックしたとします。

すると、検索キーワードは「robots.txt」になります。

結果的に、「robots.txt 書き方」で検索しようとしていたユーザーが、「robots.txt」で検索して訪問したことになります。

複合キーワードでのアクセスが減って、代わりに単一キーワードのアクセスが増えるかもしれません(正確に言えば、単一というより単語数がより少ないキーワードのアクセスが増えるかもしれない)。

HTTPで送信されるリファラーも先読みに使われたキーワードになるので、アクセス解析ツールに現れる検索キーワードが変化する可能性がおおいにあります。

でも、これにしても今からどうこうできないので情報収集し経過を見るしかないですね。
そもそもまだ日本には導入されていませんし。

今は、Google インスタント検索が早く導入されるのを待ちたいと思います。