Google、JavaScriptの処理能力を向上。ウェブマスターツールにJS診断ツールを提供予定。

[対象: 中〜上級]

Googleは、JavaScriptを理解する能力を一段と向上させていることを公式ブログで紹介しました。

また、JavaScriptを診断するツールをウェブマスターツールで近日中に提供する予定です。

JavaScriptのコード
Image credit – http://goo.gl/XtM0UG

JavaScriptの処理能力をさらに向上

Googleに限らず、検索エンジンはJavaScriptの理解、処理が得意ではありません。

それでもGoogleは、JavaScriptのリンクを読めるようになっているし、JavaScriptを実行することもできます。

しかし僕たちが使っているブラウザとまったく同じようにJavaScriptを完全に扱えるわけではありません。
そのためGoogleはJavaScriptの理解力の向上によりいっそう力を入れているのです。

GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏はTwitterで次のようにコメントしています。

(「JavaScriptのリンクをGooglebotは読めるのか?」という問いに対して)ほとんどは読める。

 

僕たちは、JavaScriptを実行するだけじゃなくて、多くの場合、レンダリングしたりJavaScriptから作られたテキストをインデックスすることもできる。

 

僕たちはかなりのことをやってきている。たとえば、JavaScriptの力で表示されているコメントを検索できることも多い。

JavaScriptを使ったプラグインによって表示されるFacebookのコメントをGoogleがインデックスしていたことは、1年半前に発見されていましたね。

これまでもGooglebotはJavaScriptをそれなりに理解、処理できていたわけですが、さらにその能力を上げているということです。

GooglebotのJavaScript理解を妨げないために気をつけること

GooglebotのJavaScriptの理解を妨げないように、そしてJavaScriptを使ったサイトの検索結果に悪い影響が出ないように、Googleは次のことに注意するように説明しています。

  • 別ファイルになっているJavaScriptやCSSが(たとえばrobots.txtによって)ブロックされていると、Googlebotがそれらを取得できなくなりインデックスのシステムが一般的なユーザーのようにはサイトを見ることができなくなってしまう。コンテンツを適切にインデックスできるように、JavaScriptとCSSをGooglebotが取得するのを許可しておくことを推奨する。これはモバイルサイトでは特に重要なことで、モバイルサイトではCSS/JavaScriptのような外部リソースは、Googleのアルゴリズムがそのページがモバイル向けに構成されていることを理解する手助けになる。
  • リソースに対するクロールリクエストの量をウェブサーバーが処理できなかったとしたら、ページをレンダリングする能力に悪い影響を与えるかもしれない。ページがGoogleにきちんとレンダリングされることを望むなら、リソースに対するクロールリクエストを処理できるように必ずしておくこと。
  • 潔くサイトの機能を下げることは常に良い考え(高度なJavaScriptを無理して使うなということ)。こうしておけば、互換性があるJavaScript実行機能をブラウザが実装していないとしても、ユーザーがコンテンツを利用できるのに役立つ。また、JavaScriptをまだ実行できない検索エンジンと同様に、JavaScriptを無効にしたユーザーの助けにもなる。
  • ときには、JavaScriptが非常に複雑だったり不可解だったりすることがある。そういった場合は、完全かつ正確にGoogleはそのページをレンダリングできないかもしれない。
  • コンテンツをページに追加するのではなく、ページから取り除くJavaScriptがある。これはコンテンツをインデックスする妨げになる。

ウェブマスターツールにJavaScript診断ツール

JavaScriptを診断しやすくるために、専用のツールをウェブマスターツールにGoogleは提供する予定です。
Googlebotがサイトをどのようにレンダリングしているかを検証できます。

このツールについての詳細はまだわかりません。
近日中に公開するとのことなので、少し待ちましょう。

【UPDATE】
ツールが公開されました。
[ウェブマスターツールのFetch as Googleでレンダリング診断: 画面表示とJavaScriptやCSS、画像の取得状態をチェック ]

「JavaScriptの処理能力の向上」と「JavaScript診断ツールの提供」、僕たちサイト管理者にとってはどちらもとても嬉しいニュースですね。