モバイルファーストインデックスによくある誤解と混乱をGoogleがツイッターで解説

[レベル: 初級]

モバイル ファースト インデックスに関する誤解や混乱を解消するための解説を Google の Twitter 公式アカウントが投稿しました。
補足を加えて紹介します。

検索結果の URL

検索結果の URL: モバイル ファースト インデックスではモバイル版ページをインデックスする。モバイル版が別の URL だと認識した場合は、モバイルユーザーにはモバイル版の URL を表示し、PC ユーザーには PC 版の URL を表示する。

ただしインデックスされるコンテンツはどちらもモバイル版ページ。

【すずき補足】
別々の URL で構成されたサイトにおいては、モバイル検索と PC 検索では検索結果に表示される URL が異なります(もちろん、アノテーションがきちんと設定されていることが前提)。

でも URL は異なったとしても、インデックスされる(= 評価の対象になる)のはモバイル向けページです。

「動的な配信」と「レスポンシブ ウェブ デザイン」の構成では、モバイル検索も PC 検索も同じ URL が検索結果に表示されます。

クロール数

クロール数: 1日にクロールされる URL の合計数は通常は変化なし。しかしクロールの割合は、ほとんどが PC 版ページだったものが、ほとんどがモバイル版ページに移る。

すべてを再インデックスするため、モバイル ファースト インデックスへの移行中は一時的にクロールが多くなるかもしれない。

【すずき補足】
割合としては、現在は「8:2」で PC 版ページへのクロールが8割です。
MFI では逆転して、8割がモバイル版ページになります。

もう少し正確に言うと、スマートフォン版 Googlebot のクロールが 2割から8割に増えます(PC 版 Googlebot のクロールが8割から2割に減る)。

これは、サーバーログで調査します。
Search Console では調べられません。

キャッシュされたページ

キャッシュされたページ: 残念なことに、モバイル ファースト インデックスに移行した多くのページに対してキャッシュされたページを現状では表示できていない。

これは不具合によるものであって、仕様によるものではない。そのうち解決する。

表示上の問題であり、クロールとインデックス、ランキングには影響しない。

【すずき補足】
MFI に移行したページは、Google のキャッシュにはモバイル版ページが表示されます。
が、バグっていてエラーページになるそうです。
Web担当者Forum の連載コラムで説明したことにも関連しています。

スピードとモバイル ファースト インデックス

スピードとモバイル ファースト インデックス: 7月に導入される モバイル検索の Speed Update とモバイル ファースト インデックスは無関係。

高速なサイトは特にモバイルではユーザーにとってすばらしいし、モバイルは PC と比べて接続が遅い傾向にある。

【すずき補足】
モバイル検索のページの表示速度をランキング要因として使う “Speed Update”(スピード アップデート)が7月に導入されます。
しかし Speed Update は MFI とは関係ありません。
MFI に移行していないサイト(ページ)も対象になります。

むちゃくちゃ遅くない限りは、Speed Update の影響を受けることはないと予想されます。
それでも、表示は速いほうがいいに決まっています。

モバイルサイトの UI

モバイルサイトの UI: ハンバーガーメニューやアコーディオンをモバイル版サイトで使っても問題ない

【すずき補足】
現状では、初期状態で隠れているコンテンツは重要度を下げられることがあります。
しかし、MFI では問題になりません
スマホはスクリーンが PC よりも狭いので、コンテンツを初期状態で非表示にする展開式の UI やタブ型の UI が一般的だからです。

必須要件

必須要件: モバイルフレンドリーとレスポンシブ ウェブ デザインのどちらもモバイル ファースト インデックスの必須要件ではない。

モバイル版がないページでも引き続きモバイル検索に表示されるしインデックスに使われる。

そうは言っても、PC 版だけのサイトからモバイルユーザーを受容するサイトに乗り換える絶好の機会だ。:)

【すずき補足】
MFIの導入によって RWD が今まで以上に推奨されます。
ですが、「動的な配信」と「別々の URL」の構成は今後もサポートされます。
評価に違いは出ません。

MFI 後であっても、PC 版ページのみの提供でもインデックスされ検索結果に出ます。
PC 版だけのサイト(モバイルフレンドリーではないサイト)でも実際に MFI に移行しています。
検索結果から削除されることはないし、ましてペナルティなど受けるはずはありません。

ただし、モバイルフレンドリー(モバイル対応)ではないので、モバイル検索では評価が下がることがあります(次で解説)。

ランキング

ランキング: モバイル版ページのコンテンツが使われること以外は、モバイル ファースト インデックスでは何も変わらない。

モバイルフレンドリーはランキング要因だが、モバイル ファースト インデックスはランキング要因ではない。

【すずき補足】
モバイルフレンドリーとモバイル ファースト インデックスは別ものです。
モバイルフレンドリーは検索アルゴリズムであるのに対し、モバイル ファースト インデックスはクロール/インデックス システムの変更です。
PC 版だけのサイトが MFI に移行していることと併せて Web担当者Forum の連載コラムで最近解説しました。

以上です。

モバイル ファースト インデックス関連のブログ記事とドキュメントには必ず目を通しておきましょう。