「Multi-Channel Funnels」、コンバージョン経路を解析するGoogle Analyticsの新機能

Google Analyticsの新バージョンが、ベータテストに申し込んだ一部のユーザーを対象に限定公開されています。

レポートの種類は以前のバージョンとさほど変わらないというようなことを書きました。
しかしそんなことはなくて、絶対に使いたいイベントトラッキングと目標設定の連携やきっと使わないだろうなと思えるキーワードクラウドなど、多くの新しい機能が追加されるようです。

今日紹介する、「Multi-Channel Funnels」(マルチ・チャンネル・ファンネル)も新しく追加予定の機能になります。

「Multi-Channel Funnels」では、コンバージョンに到るまでの経路を分析できます。

コンバージョンは、必ずしも初回の訪問で発生するとは限りません。

検索からやって来た最初の訪問では商品を購入せず、翌日に知り合いがブログでたまたまその商品についておすすめ記事を書いていて、「友だちが勧めるなら」ということでリンクをクリックして購入することがあるかもしれません。

「格安 海外旅行」で検索した後にAdWords広告をクリックしてある旅行会社のサイトに訪問し、その後「激安 海外旅行」で検索し、またAdWords広告をクリックして同じサイトに訪問し、さらに検索結果ページに戻って今度はオーガニック検索をクリックしてまた同じサイトに訪問し、最終的に旅行を申し込むことがあるかもしれません。

「Multi-Channel Funnels」を使うとこのようなコンバージョンに至るまでのプロセスを詳細に分析できます。

レポートの種類は大きく分けて、4つあります。

Google Analyticsの「Multi-Channel Funnels」

Assisted Conversions

「Assisted Conversions」では、コンバージョンに間接的に寄与したアクセスを知ることができます。

Assisted Conversions

“その”アクセスではコンバージョンしなかったけれど、コンバージョンに至ったアクセスの間に存在したアクセスです。

Google AdWordsの「サーチ ファンネル」やYahoo!リスティング広告の「アシスト数」も同じように中間に介在した間接的なデータを知ることができますが、これらは広告だけが対象です(よね?)。

「Multi-Channel Funnels」はGoogle Analyticsで取得できるすべてのアクセスが対象になります。

「Googleオーガニック検索 ⇒ Yahoo!オーガニック検索 ⇒ YouTube広告 ⇒ コンバージョン」
だとしたら、GoogleとYahoo!のオーガニック検索がそれぞれアシストとして記録されます。

Top Conversion Paths

「Top Conversion Paths」では、コンバージョンに至る経路の種類とその数を知ることができます。

Google Analyticsの「Top Conversion Paths」

ちょっと見づらいですが(クリックすると少し大きな画像を見られます)キャプチャでは、「Googleオーガニック検索 ⇒ Googleオーガニック検索」でのコンバージョンが1番多く、41回発生しています。
2回、Googleで検索してコンバージョンするユーザーが多かったということですね。

「Top Conversion Paths」はアドバンスセグメントグルーピング機能を利用することもできます。

Google Analyticsの「Top Conversion Paths」

こっちも見づらいですが、たとえば「ブランド検索」「一般サイトからの参照アクセス」「ソーシャルメディアからのアクセス」をアドバンスセグメントであらかじめ定義付けておけば条件によってグループ分けしておけば、それぞれにマッチしたアクセスにまとめたコンバージョンパスを調査できます。

「海外SEO」でブランド検索して、続けて「海外SEO 鈴木謙一」でブランド検索して、コンバージョンしたことが分かるわけですね。w

Time Lag

「Time Lag」は、コンバージョンに到るまでの日数を知ることができます。

Google Analyticsの「Time Lag」

初めて訪問したその場で購入や申し込みをしないことも多いですよね。
「今晩奥さんに相談してから」とか「他のサイトを見てから」とか、翌日以降に意思決定して再び訪問することもあり得ます。

「Time Lag」では何日後にコンバージョンしたかが分かります。
※これって、eコマーストラッキングでも分かると思う。

Path Length

「Path Length」では、コンバージョンに至る経路の数を知ることができます。

初回訪問でコンバージョンしたのならコンバージョンパスの長さは「1」です。
「オーガニック検索 ⇒ AdWords広告」でコンバージョンしたのなら「2」です。
「Twiiterのリンク ⇒ AdWords広告 ⇒ お気に入り」でコンバージョンしたのなら「3」です。

コンバージョンまでに何回のアクセスが発生したかということですね。

「Multi-Channel Funnels」のもう少し詳しい内容は次のビデオで紹介されています(ともに英語)。

こういった機能は目的を持って使わないと眺めただけで終わってしまうのですが、使い道を知っているサイト管理者にとっては力強い味方になってくれそうです。

同じ機能を有料で提供するツールもあります。
でもGoogle Analyticsは無料だし、普段見ている他のデータと連動させ、Google Analyticsのなかで使えるというのが魅力ですね。

「Multi-Channel Funnels」はごく限られたユーザーを対象にテスト中です。
完全な公開時期は未定だそうです。

一般公開前の早期利用はこちらから申請できます。