『Search Off the Record』――3人のGoogle社員が始めたSEOポッドキャスト

[レベル: 上級]

Google のチューリッヒ オフィスを拠点にしている John Mueller(ジョン・ミューラー)氏と Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)、そして Martin Splitt(マーティン・スプリット)氏が検索をテーマにトークするポッドキャストを始めています。

『Search Off the Record』というタイトルです。

Search Off the Record

1 話目のエピソードが公開されました。

ジョンが進行を務める形で、ゲイリーとマーティンが最近話題になっている検索関連のトピックについて話しています。
この記事ではその概要を紹介します。

『Search Off the Record』エピソード 1 あらすじ

nofollow リンクの扱い変更

rel=”nofollow” が付いたリンクの扱いを Google は変更しました。

2019 年 9 月には nofollow リンクであってもランキングに利用することがあります。
2020 年 3 月からはクロールとインデックスにも利用することがあります。

変更が実際に始まったのかどうかをしばしば聞かれるそうですが、ゲイリーはわからないとのことです。
少なくとも、公に話せることは何もないそうです。

nofollow の扱いを変更するからと言って、ウェブマスター側での対処は不要です。
特殊なケースでのみクロールやインデックス、ランキングに nofollow リンクを利用することがあるだけであって、基本的には、nofollow リンクは今までと同様に検索のシグナルとしては無視されます。

特殊なケースとは、たとえば(あくまでも例え話)、既存のサイトから「新しいサイトを公開しました」と新規サイトにリンクしたとき、そのリンクに nofollow が付いていても URL の発見に使うかもしれません。
自分のサイトなのに、nofollow を付けるのはおかしな話で、クロールしてもまったく問題ありません。
むしろ、クロールしてもらったほうが嬉しいはずです。

もう 1 つの例は、有害なスパムサイトへのリンクです。
nofollow が付いていたとしてもクロールすれば、そのサイトが検索ユーザーに害を与えるサイトだと認識できます。
検索結果に表示されることを早い段階で防げます。

このようにユーザーの役に立つ場合にのみ nofollow であったとしても、リンクが利用される可能性があります。

とはいえ、Google 検索で本当に利用され始めているのかどうかは不明です。

ちなみに、ほかの検索エンジンは nofollow リンクを無視せずに利用することをすでに実行しているそうで、Google だけが忠実にシグナルから除外していたそうです。
ゲイリーは苦笑いしていました。

rel="ugc"rel="sponsored" の新しい rel 属性についてもゲイリーは触れました。
多くのサイトで利用してもらえているとのことです。

サイト側には特にメリットはないのですが、リンクのパターンを Google が学習するためのトレーニングセットとして役立つそうです。

ゲイリーがブログをスタート

ゲイリーがブログを始めました。
テーマはレシピです。

構造化データの実験もしているらしいです。

どんなブログなのか見てみたいですね。

JS 生成の構造化データ

JavaScript によって構造化データを生成する際のベストプラクティスを Google は公開しています。

きちんと機能するとマーティンがお墨付きを与えています。

JavaScript はレンダリングが遅くなるのではないかという指摘については、現在は心配いりません。
レンダリングは平均的に 5 秒で完了するよう改善されているので、インデックスの遅れが問題になることは通常はありません。

ただし、マーチャントセンターは例外です。

マーチャントセンターは、まず静的な HTML で見つかるフィードだけを処理します。
フィードが何もないことが判明すると、ようやく JavaScript のレンダリングが実行されます。
したがって、マーチャントセンターで必要となるフィードを JavaScript で生成すると遅れが発生する可能性があります。

これは新しい情報です。
該当するサイトは注意してください。

Core Web Vitals

Core Web Vitals を Google は導入しました。

ウェブページのスピードを測定するためのさまざまな指標がこれまでに用いられてきました。
Core Web Vitals として、LCP と FID、CLS の 3 つの指標を Google が選択した理由をマーティンは説明しています。
一言で言えば、現状にいちばんマッチしているからです。

時間がたてば状況もかわります。
1 年程度のスパンで Core Web Vitals を見直すことにしています。

ゲイリーは JS が嫌い

ゲイリーは JavaScript が好きではないそうです。
開発系を専門にするマーティンは怒っていました。

ほかには、ロックダウン中と解除後の 3 人の生活(スイスは早い段階でロックダウンが実施されていました)についての雑談などもポッドキャストは最後に含んでいます。

ポッドキャストはこちらから購読できます。

ブラウザでも聴けるし、Google のポッドキャスト アプリや Spitify などお気に入りのポッドキャスト プレーヤーで聴くのもいいでしょう。

英語のリスニングは得意じゃない、せめて字幕があればという方は、Android スマホを使っていれば「自動字幕起こし」に頼るのもいいかもしれません。