Google マット・カッツが答える「リンクの否認」ツールの正しい使い方(後編): ジョン・ミューラーからのおまけ回答つき

[対象: 中〜上級]

今日は、昨日の前編の続きで、GoogleのMatt Cutts(Matt Cutts)氏とSearch Engine LandのDanny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏による「リンクの否認」ツールの使い方についてのQ&Aの日本語訳の後半です。

さっそく行ってみましょう。

Q: wwwの有無はどうなるか? 念のため次のようにした方がいいのか?

domain:badsite.com
domain:www.badsite.com

A: 1行目だけでいい。domain:badsite.com とやれば「wwwあり」からのリンクをすべて無視する。
※鈴木補足: ダニーによれば、「wwwなし」のバージョンもある場合で、domain:www.badsite.com とやれば「wwwあり」からだけのリンクを否認することができて「wwwなし」からのリンクはそれまでのように評価されるはずだとのこと。

Q: 「これは悪いリンクである」というメッセージをGoogleに送ろうと試みて、良いサイトからのリンクを誰かが否認したらどうなるか? もっとはっきり言うと、悪いサイトをより適切に理解するためにこのデータをGoogleは利用するのか?

A: 現状は、そのままの本来の目的でしかこのデータを使っていない。たとえば再審査リクエストのためだ。もっと幅広くこのデータを見るべきかどうかはまだ決めていない。仮に見たとしても、我々は、悪いサイトを決める方法を他にもたくさん持っているし本当に良いサイトを評価する方法も他にたくさん持っている。

抜き打ち検査するかもしれないが、このデータを広範に使うことは今のところ考えていない。自ら災いを招いくようなマネをして質の高いリンクを否認しようとするウェブマスターがもしいたとしたら、それはIQテストみたいなものでそのウェブマスターによるリンクの否認をどうにかして重視しないようにしたくなるだろう。

別のサイトに害を与えるのは明らかに拡張性がないやり方だ。なぜなら良いサイトを作って、次に良いリンクを集めて、それからその良いリンクを否認しなければならないからだ。ブラックハットたちは怠け者だから良いサイトを作るところまですら行かないんじゃないだろうか。

※鈴木補足: 警告の意味も込めてとは思いますが、リンクの否認ツールをテスト目的で使っているとそのユーザーからの否認リクエストに従わなくなるかもしれないと言ってますね。

Q: サイトに害を与える可能性があるネガティブな投票だとしてリンクをみなすよりも、ユーザーが否認する必要がないようにそういったリンクを(Google側で)単純に評価しないようにすればいいのではないか?

A: 手動対処についてもっとオープンにする取り組みの一部として、サイトに張られているリンクがサイトの評価に影響を与えているときにはサイト管理者により多くの情報を提供するようにしてきている。そういった追加の情報によってウェブマスターたちは、リンクの状態にもっと注意を払い質の高いリンクに意識を向けるようになってきた。これはいいことだ。

質の高いリンクに乗り換えるということは、それまでのスパミーな質の低いリンクを一掃する必要があるサイトが出てくることを意味するとも理解している。現状では、サイトのバックリンクをきれいになくすことが困難な場合もある。SEOコミュニティからの意見を聞いて、サイトのバックリンクを削除しようとして実態のある対処をサイト管理者がすでに講じた後に援助できるツールを提供したかった。

Q: 何かコメント、たとえばすでに見てきたユーザーがやってしまった間違いに対する注意はあるか?

A: 「リンクを否認しても再審査リクエストはやっぱり必要ですか?」という質問を何人かから尋ねられた。ブログ記事で回答しているように答えは「YES」だ。繰り返すが、(たとえばウェブマスターツールで警告を受け取って)サイトに手動処置を与えられリンクを否認すると決めたとしても、依然として再審査リクエストは必要だ。

リンクの否認を検出する時間を再審査リクエストのシステムに与えるために、リンクを否認したあと再審査リクエストを送るまで1、2日待ったほうがいい。またリンクの否認ツールを使ったことについて再審査リクエストのなかで触れておくといい。

ここまで残りのQ&Aは終わりです。

おまけで、僕が、John Mueller(ジョン・ミューラー)氏にGoogle+のハングアウトで聞いた質問とその回答も載せておきます。

Q: 自分のサイトにリンクを張っていないページのURLを否認したらどうなるか?

A: 何も起きない。実際ありそうなことだ。たとえば、リンクを否認したとする。2、3日後にリンク元サイトとコンタクトが取れて削除してもらえた。Googleがクロールするまでにはリンクはすでになくなっている。でも依然として否認ファイルには残っている。こんなケースがあったとしてもまったく問題ない。大丈夫だ。
(リンクが張られていないのに否認して)他人のサイトにネガティブな影響を与えることも通常はできない。

※鈴木補足: リンクが張られていないのに否認ファイルに記述しても無視されます。理論的に考えれば当たり前ですが、Googleの人に確認できると安心感が違いますよね。

さて、以上で「リンクの否認」ツールに関するQ&Aはすべて終わりです。

今すぐ実質的に役に立つのは、過去の罪を清算しきれなくてツールを使わざるをえないサイト管理者と僕のようなSEO関係者のごく少数だとは思います。

必要なケースが出てきてはいけないのですが、必要なったときに前編と合わせて見直してください。