米国議会の常任委員会がGoogleとBing、Yahooにウェブスパムの調査と対策を依頼

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アメリカの上院議院の常任委員会の1つ、「上院通商・科学・交通委員会」 (Senate Committee on Commerce, Science, and Transportation) が、検索結果を不当に操作し消費者に不利益を与えているサイトに対する調査と対策を依頼する書簡をGoogleとBing、Yahoo!の3大検索エンジン企業に送っていたことが明らかになりました。

委員会の独自調査により指摘の対象になった不正を疑われる事例を簡単に説明すると次のようになります。

  1. 指摘の対象になった会社(サイト)は大手の引越し業者に似せた名前のサイトを運営している
  2. その会社(サイト)は引越し業者ではなく本当は仲介業者(客には分からない)
  3. 客は大手の引越し業者と勘違いして申し込み、引越し料金のつもりでお金を支払う(実際には仲介料金)
  4. 引越し業者に実際の引越し料金を別に支払う
  5. クレーム、トラブル発生

指摘を受けた引越し仲介サイトは、大学のニュースサイトや学生組織、ディレクトリなど引越しとは無関係のサイトから何万本ものリンクを集めることで検索順位を不正に上げていたようだとの調査結果が出ています。

検索システムを不当に操作していると思われ消費者に損害を与えているから調査し対策を講じてほしいとGoogleとBing、Yahoo!に委員会は依頼したのです。

政府関連の組織がウェブスパムを独自に調査して検索エンジン会社に対策を直接頼むとは異例の出来事ですね。
ちなみにGoogleへの書簡はMatt Cutts(Matt Cutts)氏宛に送られました。

かなりよく調べられた調査レポートになっているようです。

しかしペンギン・アップデート以前に調査は行われました。

Search Engine LandによればGoogleは次のようにコメントしています。

問題となったサイトはペンギン・アップデートで大きな影響を受けトラフィックを約75%減少させた。
また今年の3月に起こったスパムリンクの排除でもより多大なダメージを受けている。
委員会の指摘を受けさらに調査し新たに品質ガイドライン違反が見つかればすぐに順位の下落が見られるだろう。

コメントから判断すると警告対象になったサイトへの対処はすでに取られていたようです。
とはいえ議会の委員会から指摘されたことでウェブスパム対策によりいっそうGoogleは力を入れるかもしれませんね。