Googleハミングバード対策、検索キーワードではなく検索意図に応える

[対象: 上級]

ハミングバードが導入されて以来、「ハミングバードに向けてSEOをどのように施策したらいいですか」という質問をいただくようになりました。

はっきり言ってしまえば、僕たちが取り組むSEOに変化はないのですが、それではなんだろうということでハミングバード導入後のSEO施策で参考になるだろう情報をこの記事では提供します。

WebmasterWorldのディスカッションでのフォーラムモデレータ、Robert Charlton(ロバート・チャールトン)氏の見解を紹介します。

…商品の詳細ページだけではなくサイトに含まれているコンテンツの別の局面をハミングバードは見ている。関連性があって役に立つ、さまざまなクエリの意図を満たすサイトを(検索結果で)返そうとしている。

もしそうだとしたら、SEOの感心事というのは、どんなキーワードがページに含まれているかとか、どんなページがサイトに含まれているかといったものではなくなる。そういう域を超えて、幅広いユーザーに対してページとサイトがどのくらい有用かになってくる。

ユーザーの意図を幅広く予想して、購入サイクルや製品との関わり方(たとえそれが隙間商品であっても)においてさまざまな段階にいるいろいろなユーザーにとって役に立つコンテンツを提供するように、ここのところしばらくは私はクライアントに強く推奨してきた。

ハミングバードというのは、サイトが返せるかもしれないいろいろな有用コンテンツを以前よりも適切に評価できて、そういったサイトにますます多くのユーザーを送り込むものなのではないかという理解に私は至っている。少なくとも、ジョン・ミューラー氏のコメントを聞くとそう思う(鈴木補足: 昨日の記事で紹介したハングアウトのなかでGoogleのジョン・ミューラー氏がハミングバードについてコメントしている)。

そういうことで、1つのページやそのページのtitleタグが単にクエリを満たしているということではもはやなく、サイト全体がいろいろなユーザーを満足させることができるかということが重要になってくる。そんな範囲で考えると、個々のリファラーを特定することは容易ではなくなるし、ランディングページだけでは決めづらくなってくる。実際、このフォーラムで私たち数人が説き勧めてきたこととそう変わりない。

単にキーワードにマッチするのではなく、本当に有用なサイトと言えるものを構築するように導くのはSEO(を指導する人の方針や腕)次第だ。長期的に見ると、これは2語や3語のキーワードからの脱却になるだろう。そして、単なる文字列でなくなるにつれて、クエリを構成するロングテールキーワードもまたいっそう定義しづらくなるだろう(「モバイル検索/地域のお店での購買 vs. オンラインショッピング」の例にあるように)。

そんな状況では、キーワードを追いかけることを私は想像できない。また、ページを見て要になるページがどんなキーワードで上位表示するべきかを言い表すことがとても難しくなるだろうことも想像できない。サイト全体としての幅広いランキングが問題になってくるだろう。意図が考え方の非常に大きな一部になるだろう。

簡単にまとめると、
「さまざまユーザーの“検索意図”を理解して、その意図を満足させる“役に立つコンテンツ“を提供する」
ということです。

検索クエリに含まれるキーワードに固執するのではなく、検索クエリに含まれる意図にフォーカスしなければならないということですね。

たとえば、「結婚式 髪型」で検索したユーザーにはどんなユーザーがいるでしょう?

  • 20代、30代?
  • 身長は高い、低い?
  • ロングヘアー、ショートヘアー?
  • 髪の毛は黒髪、茶系?
  • 肌は色白、色黒?
  • ドレスのタイプは、色は?
  • 合わせて履いていく靴は?
  • ヘアメイクにかけられる時間は、予算は?

いろいろ考えられますよね。
彼氏がいない女性なら、披露宴に同席する独身男性にヒットするようなヘアースタイルにしたいと望むかもしれません。w

検索クエリには現れない、インターネットの向こう側で検索している人間の姿・気持ちを広範囲に渡って想像しながら、要望を満たすコンテンツが必要だということです。

キーワードを飛び越えたその先にあるものを見つけなければなりません。

1つ面白い例を紹介します。

「掃除機が壊れた」

このキーワードで検索した人は何を求めていると思いますか?

掃除機が壊れたことを書いている日記ブログの記事でしょうか?

違いますよね。

この検索をしたユーザーが知りたいのは、「掃除機が壊れた原因」や「掃除機を直す方法」です。

「掃除機が壊れた」で検索すると、検索結果の1位(たまに2位)に出てくるページは、掃除機が故障したときの診断手順を説明したページです。

掃除機が壊れた

掃除機が壊れた(だから、自分で直したい)、掃除機が壊れた(だから、原因を知りたい)という表面上検索クエリに出てこない検索ユーザーの意図をGoogleが認識している証拠だと僕は解釈します。

このページには「掃除機が壊れた」というテキストは含まれていないし、まして「掃除機が壊れた」というアンカーテキストでのバックリンクも張られていません。

この検索結果がハミングバードアルゴリズムの能力によるものかどうかは今となっては確かめようがありません。

でも大事なことは、ハミングバードによるものかどうかではなく、クエリの背後にある意図をGoogleは実際に読み取れるようになっている事実です。

検索ユーザーの探しているものを与えるコンテンツ、検索ユーザーの要求を満たすコンテンツをサイト全体として提供していくことが大切だということはこれまでとなんら変わらりません。

とはいえ、ハミングバード後はこの意識をよりいっそう確固たるものにしなければならないでしょう。