Googleの強調スニペットが持つ力 ―― 分析とケーススタディ、推奨 #SMX East 2016

[レベル: 中級]

この記事では、9月27〜29日に米ニューヨークで参加してきた SMX East 2016 のセッションレポートを共有します。

セッションテーマは強調スニペット (Featured Snippets)、セッションスピーカーはG-Squared InteractiveGlenn Gabe(グレン・ゲイブ)氏です。

強調スニペットがSEOに与えるインパクトとは?、強調スニペットを獲得するには?、一緒に探ってみましょう。

The Power of Google Featured Snippets in 2016

Glenn Gabe at SMX East 2016

強調スニペットが持つ力

強調スニペットには次のような長所がある。

  • 検索結果での特別な扱い
  • 多くのトラフィック
  • 検索ユーザーの信頼感

強調スニペットの種類

さまざまタイプの強調スニペットがある。

リスト

herb type

順番

Googleアカウントのパスワード変更

画像付き

月食とは

順番+画像

Googleマップ 距離 測定方法

米の品種

巨大な動画

PPAP

ほかにもナレッジパネルとの複合など、たくさんの種類がある。
いずれにしても、強調スニペットはパワフル。

強調スニペットはどのくらいのトラフィックを獲得してくれるのか?

検索ボリュームが比較的大きいクエリで強調スニペットを表示できたクライアントがいた。

  • 90日間で、41,144クリックを獲得
  • CTRは13.2%
  • そのページへランディングした検索トラフィックの73%が強調スニペットから

別のクライアントもボリュームが比較的大きいクエリで強調スニペットを表示できた。

  • 非常に多くの検索トラフィックを獲得
  • 強調スニペットが出なくなった ⇒ 2週間で39,000クリックの減少
  • 再び表示 ⇒ 多くの検索トラフィックを獲得
  • 再び消えた

強調スニペットは、気まぐれで予測できないのも特徴の1つ。

強調スニペットでよくある質問

強調スニペットは大規模サイトだけが選ばれるのか?

そんなことはない。どんなサイトでも強調スニペットが表示される可能性がある。
小さなサイトで強調スニペットが出ている例をたくさん見てきた。

強調スニペットは常に最も適した結果になっているのか?

まったく違う。
アルゴリズムで生成されているため、常に改善の余地が残されている。
たとえば、404ページやスパムサイト、情報が古いページが出たりする。

強調スニペットに選ばれるには、検索順位が1位でなければならないのか?

違う。
10位のページが強調スニペットに選ばれているのを見たことがある。
ただし、(知る限りでは)検索結果1ページ目に表示されるページから選ばれている。

質問形式のクエリにだけ強調スニペットは現れるのか?

まったく違う。
質問系クエリ同様に、トピックやビッグキーワードでも現れるのを見たことがある。

4k resolution

HDMI

強調スニペットには構造化データが必要なのか?

不要。
構造化データは、強調スニペットの要因ではない。
GoogleのJohn Mueller氏によれば、必要にすることを検討したこともあったが、構造化データの実装を強いることでサイト管理者を行き詰まらせたくないとの結論にいたり、やめたとのこと。

強調スニペットはパーソナライズの影響を受けるか?

受ける。

  • Googleアカウントにログインしてるときとしていないときで異なる時がある
  • 直前のクエリによって出現することがある
  • 検索ユーザーの居場所の影響を受けることもある

強調スニペットの前処理はどのくらい素速く行われるのか?

かなり速いと思われる。
そのページに前処理が実行されているっぽいと感じてから、すぐに強調スニペットが実際に現れた。

強調スニペットに何が抽出されるかのプロセスを(通常の)スニペットで見ることができる ―― 順番が振られる強調スニペットが出る前に、それぞれの番号の説明が連なる状態でスニペットに出ていた。

強調スニペットの獲得方法

次のようにすると強調スニペットを表示させる確率が高まる。

  • 完璧に、明確にトピックについて網羅する
  • 問いに簡潔に回答し、質問と答えの両方をページに書く
  • 中核になる問いに答える、簡潔なセクションを提供する
  • 過程を示すためのリスト形式または番号形式を使う
  • 回答の近くに際立つ画像を置く(強調スニペットに掲載される可能性あり)
  • HTMLでのテーブル (tableタグ)も忘れてはいけない。強調スニペットを生成しやすくなる。

実際に、クライアントのサイトにこの方法で強調スニペットを表示できた。

なお、クライアントのサイトでは次のようなレイアウトを使った。

強調スニペット用レイアウト

強調スニペットが表示されているかどうかを調べる方法

強調スニペットが検索結果に表示されているかどうかは次の方法で調べられる。

  • SEMRushのSERP Featureモジュール
  • Search Consoleの検索アナリティクスで、質問系のクエリでフィルタをかけ、掲載順位が1位のクエリで目星を付ける。強調スニペットに表示されると、通常はクリックが突然増える。
  • Mozツール

強調スニペットの修正

強調スニペットを修正することができる。
自分のサイトに出ている強調スニペットの修正を試みたところ、7分後に変化していた。
ほかにも成功した人たちがいる。
ただし、強調スニペットのアルゴリズムは気まぐれなので気を付ける。
修正しようとして、逆に消えることもある。

まとめ

  • 自分のサイトのことを知り、自分で作った強調スニペットを表示させる
  • 対象ページとそのコンテンツを分析する
  • 自分の業界でまだ出ていない強調スニペットを見つけ、見つけたら出す
  • Search Consoleの検索クエリで、強調スニペットが出ているページのトラフィックを監視する
  • 画像とリスト形式、番号形式を使う
  • 表(tableタグ)も忘れてはいけない
  • 強調スニペットのアルゴリズムは気まぐれであることを覚えておく。失敗してもくじけてはいけない

以上です。

強調スニペットが出て来るクエリがますます増えてきています。
米Google (google.com) では、日本のGoogle (google.co.jp) よりもさらに多くの強調スニペットが出現する傾向にあります。
それでも、日本の僕たちでも強調スニペットを出すことに成功すると、たとえ米国ほどではないにしても非常にたくさんの検索トラフィックを獲得できることを僕は知っています。

強調スニペットを意図的に狙って出すためのTIPSもセッションでは共有されています。
参考にして強調スニペット表示に挑戦してみましょう!

グレンさんとは、Google+やTwitterで交流があるのですが、会ったのは初めてでした。
僕が普段参加している西海岸のカンファレンスにはあまり来ないんですよね。

会話した印象では、SEOが本当に大好きな人。
話し出すと止まりませんでした。(笑)

Gabe and Me