リッチスニペットのための構造化データには schema.org と data-vocabulary.org のどちらを使うべきか?

[レベル: 中級]

レビュー・評価のリッチスニペット

Google検索でリッチスニペットを表示させるための構造化データとして、旧式の data-vocabulary.org を今でも利用することができます。
しかし、現在Googleが公開している仕様としての schema.org を利用することが推奨されます。

schema.org 対 data-vocabulary.org

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏がTwitterでフォロワーから schema.org と data-vocabulary.org の利用について質問を受け、それに対してアドバイスしています。

[フォロワー] schema.org のパンくずリストと data-vocabulary.org のパンくずリストについて、今のあなたの見解はどんなふうになっていますか?

[ミューラー氏] 公式ドキュメントに書かれているマークアップを私なら使う。
https://developers.google.com/structured-data/breadcrumbs

[フォロワー] もう1つだけ質問です。data-vocabulary.org のパンくずリストやレビューの平均評価を使うと、マイナスの評価をGoogleから受けますか?

[ミューラー氏] そういうことはない。私が知るかぎりでは、それらはスニペットに使われるだけでランキングには使われていない。

パンくずリストもレビューもschema.orgが現在の仕様

検索結果に表示されるパンくずリストやレビュー・評価のリッチスニペットなど構造化データのボキャブラリとして、schema.orgをGoogleは現在サポートしています。

schema.orgでのパンくずリストは、昨年6月にサポートされました。

検索結果のパンくずリスト

レビュー・評価は、schema.orgの公開と同時にサポートしていました。
今年の2月からは、レビュー・評価のシンタックスとしてJSON-LDも使えるようになっています。

Googleは、リッチスニペットのためのボキャブラリとして schema.org の登場以前に幅広く使われていた data-vocabulary.org や microformats、GoodRelationsなどを今でもサポートしています。
しかし、Googleが現在公開している構造化データの公式ドキュメントには schema.org だけが載っています。

現状で、data-vocabulary.org や microformats でマークアップしているのであればわざわざ schema.org に入れ替える必要はないでしょう。
そのままでも問題ありません。
古いままにしておきたくないというのであれば、リニューアルのタイミングで schema.org に更新してもいいかもしれません。

ですが、新たに構造化データを設定するのであれば、schema.org を選択することを推奨します。
あえて昔の仕組みを使う理由は通常はないでしょう。

ランキングには影響せず

ミューラー氏は、構造化データはランキングには影響しないと説明しています。
ここでは、ランキングに影響しないことを2つの側面から再確認しておきたいと思います。

構造化データはランキング要因ではない

構造化データでマークアップすることが直接的に評価を押し上げる要因にはなりません。
直接的な成果は、検索結果でリッチスニペットやパンくずリストが表示されることだけです。

間接的には、たとえば次のような効果が期待できます。

  • 検索結果でのクリック率が上がる
  • 検索エンジンのコンテンツ理解を助ける(たとえば、“JFK”が「人物」なのか「空港」なのかを明確に定義できる)

ただし繰り返しますが、構造化データのマークアップそれ自体がランキングの上昇に繋がることはありません。

古い data-vocabulary.org でもマイナス評価にはならない

schema.org の利用が推奨されますが、data-vocabulary.org や microformats もGoogleはサポートしています。
先ほど書いたとおりです。

schema.org を使っているページが data-vocabulary.org を使っているページよりも優遇されるということはありません。
技術的、品質的にリッチスニペットの基準を満たしていればどちらを使っていてもリッチスニペットは表示されるでしょう。

またdata-vocabulary.org をいまだに使っているからといって評価が下がることもありません。

この記事で説明したことは、構造化データにそれなりに精通していれば当たり前のことだったはずです。
構造化データを使い始めたばかり、これから使いはじめるという人の参考にしてもらえればと思います。