Google、今度はクローキング検出の警告メールを送信

不自然なリンクを検出したときに、ウェブマスターツール経由でGoogleが警告メッセージを送信し始めたことを昨日のエントリで報告しました。

スパム行為に対する通知機会の増加はこれに留まらないようです。

米国のGoogle Webmaster Central 公式ヘルプフォーラムでは、クローキングに対する警告メールがサイト管理者宛てに届いたことが明らかになりました。

届いたのは次のようなメールになります。

Dear site owner or webmaster of bfenthusiasts.com,

While we were indexing your webpages, we detected that some of your pages were using techniques that are outside our quality guidelines, which can be found here: http://www.google.com/support/webmas…er=35769&hl=en. This appears to be because your site has been modified by a third party. Typically, the offending party gains access to an insecure directory that has open permissions. Many times, they will upload files or modify existing ones, which then show up as spam in our index.

We detected cloaking on your site and suspect this is the cause. For example at http://forums.bfenthusiasts.com/ we found:

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For more information about what cloaking is, visit http://www.google.com/support/webmas…er=66355&hl=en.

In order to preserve the quality of our search engine, pages from bfenthusiasts.com are scheduled to be removed temporarily from our search results for at least 30 days.

We would prefer to keep your pages in Google’s index. If you wish to be reconsidered, please correct or remove all pages (may not be limited to the examples provided) that are outside our quality guidelines. One potential remedy is to contact your web host technical support for assistance. For more information about security for webmasters, see http://googlewebmastercentral.blogsp…-now-what.html. When such changes have been made, please visit https://www.google.com/webmasters/to…deration?hl=en to learn more and submit your site for reconsideration.

Sincerely, Google Search Quality Team

Note: if you have an account in Google’s Webmaster Tools, you can verify the authenticity of this message by logging into https://www.google.com/webmasters/to…overview?hl=en and going to the Message Center.

重要な部分を3カ所訳します。

Googleは、あなたのサイトにクローキングを検出しました。これが(スパムと判定された)理由だと思われます。

私たちの検索エンジンの品質を確保するために、bfenthusiasts.com(警告対象となったサイト)のページは少なくとも30日間は私たちのインデックスから一時的に削除されるように予定されています。

あなたのページがGoogleのインデックスにとどまることを私たちは望んでいます。再審査を希望するなら、品質ガイドラインに違反しているすべてのページ(例として挙げた以外のページがあるかもしれません)を修正するか削除してください。

警告メールが届いたサイトはクラッキングを受けて第三者に不正にコンテンツを改ざんされたうえに、クローキングを仕込まれたようです。

GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は、2011年はクローキング対策を強化することをTwitterで明らかにしています。

今回の警告メールはその流れに沿っていると言えるでしょう。

またPubConラスベガスでは、これまでよりも多くの警告メッセージが届くようになるだろうと公表していました。

不正行為に対する戒めの意味もあるでしょうし、サイト管理者に対してペナルティを与えた理由を透明化する意味もあるようです。

特に今回のようなケースでは、サイト管理者が意図的にクローキングという悪事を働いたわけではありません。
クラッキングされる原因をそのままにしておいたという落ち度はありますが、心当たりがないのに突然インデックス削除されてしまったら途方にくれるだけです。
しかしGoogleは具体的な箇所も示しつつ、ガイドラインに違反していることをサイト管理者に伝えました。

しかも、Googleウェブマスターツールのメッセージセンター経由ではなく、サイト管理者に直接メールを送っています。
ウェブマスターツールに登録していないサイトにガイドライン違反やクラッキングが認められたときは、“info”や“admin”、“administrator”のようなよく使われやすいユーザー名をドメイン名の前に加えてメールを送信し、サイト管理者とコンタクトをGoogleは試みます。

ガイドライン違反には厳格に対応する一方で、サイト管理者には情報の提供を確保しようと努めている点は評価できますね。
もっとも、Googleをだまそうとして作為的にガイドライン違反を行っているスパマー相手には警告メッセージを送らず、問答無用でインデックス削除することも多いようです。

昨日の自作自演リンクに対する警告と今日のクローキングに対する警告で、重要なポイントになると僕が考える点は次のとおりです。

  1. ガイドラインに違反するスパム行為への対策強化
  2. (健全な)ウェブマスターに対してのペナルティ原因の透明性確保
  3. (Googleはすべてお見通しだという)スパム行為への威嚇

今回の例のように、意図せず不正行為を行ってしまうこともあります。
その場合に、ペナルティを与えたこと、ペナルティの原因を伝えることも大きな理由の1つでしょう。

スパム検出の能力が、以前と比べて格段に向上したということではないようにも僕は思います。
ただこういった警告メッセージが送られてくると知らしめておけば、「ひょっとしたらバレてるかも」という不正行為に対する抑止に繋がるのではないでしょうか。

特に今回はウェブマスターツール経由ではなくて、メールボックスに届いたようです(もしかしたらメッセージ転送機能の設定で届いたという可能性もありますが、Googleウェブマスターツールに未登録でも連絡先メールアドレスを推測して接触を試みることは事実です)。
Googleウェブマスターツールに登録していないから安心ということでは決してありません。

2011年はまだ始まったばかりです。
予言を信じるなら、この後もスパム行為に対する取り締まりをGoogleは強めていくでしょう。