構造化データテストツールの存続が決定、schema.orgが運用管理するツールとして移行

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リッチリザルト テストが、今年の 7 月にベータ版から正式版になりました。
これにともない、構造化データ テスト ツールの提供終了を Google は通知していました。
しかしながら一転して、構造化データ テスト ツールは今後も存続することになりました。

SDTT は構造化データのバリデーションに欠かせないツール

構造化データ テスト ツール(以下、SDTT)は、構造化データのバリデーションをチェックするのに非常に便利なツールでした。

リッチリザルト テスト(以下、RTT)は、Google がリッチリザルトとしてサポートする構造化データが有効かどうかの検証を目的として作られています。
そのため、リッチリザルトの対象になっていない構造化データは検証してくれません。

対して、SDTT はリッチリザルトのための構造化データであろうがなかろうが、schema.org の仕様に準拠しているかどうかを検証できます。
純粋なバリデーションができるのです。

そんなわけで、SDTT の存続を求める声が多く寄せられていました。

schema.org のツールとして存続

そこで、Google は SDTT を別の形で残すことにしました。

Google が管理運用するツールではなく、schema.org が運用管理するツールへと移行します。
提供場所も google.com ドメインから schema.org ドメインへと移ります。
開発には当然携わるでしょうが、schema.org の所有物になります。

ただし、リッチリザルトの検証はサポートしなくなります。
schema.org の仕様に準拠しているかどうかだけが検証対象です。

たとえば、イベントのリッチリザルト の必須プロパティがなかったとしても指摘しません。
イベントを意味する https://schema.org/Event タイプが文法的に正しければ警告は出さないのです。
リッチリザルトのために実装する構造化データの検証には RRT を使います。

一方で、新 SDTT はリッチリザルトとしてサポートしていない構造化データも検証できます。

たとえば、Web ストーリーのようなビジュアルなコンテンツを表現する AmpStory タイプが schema.org v11.0 で追加されました
リッチリザルト対象ではないので RRT では検証できません。
でも SDTT では(文法が正しいかどうかを)検証できます。

リッチリザルト テストで AmpStory を検証
[リッチリザルト テストでは AmpStory タイプを検証できない]
構造化データ テスト ツールでは AmpStory を検証できる
[構造化データ テスト ツールでは AmpStory タイプを検証できる]

構造化データを突き詰めていくと、リッチリザルトとして Google がサポートしていないタイプやプロパティも使いたくなります。
そんな場合には、リッチリザルト テストでは力不足なのです。
そんなわけで、SDTT の存続は構造化データ使いにはとても嬉しいニュースです😃

SDTT の schema.org コミュニティへの移行は 2021 年 4 月までを予定しています。