Google検索が&num=100パラメータを廃止、SEOに与える影響は?

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Google は、100 件の検索結果を表示できる &num=100 パラメータを無効にしました。
先週後半あたりからのようです。

num パラメータは、= の後に続く値(数字)で検索結果の表示件数を指定するパラメータです。
&num=100 を検索結果の URL に追加することで、100 件の検索結果を 1 ページにすべて表示できます。

検索結果の表示件数は以前は検索設定で変更できたのですが、たしか連続スクロールが導入されたタイミングでなくなりました(連続スクロールは現在は廃止)。
しかし、num パラメータでの件数調整は依然として有効のままでした。

&num=100 廃止が SEO に与える影響

検索結果はデフォルトでは 10 件表示です。
おそらく、大多数のユーザーはこのまま利用しているはずです。
したがって、&num=100 が廃止されても困ることはありません。

しかし、SEO 観点では問題が生じます。

ランキングチェックツール

多くのランキングチェックツールは &num=100 のパラメータを利用して 100 件の検索順位を一括で取得しています。
このパラメータが無効になると、10 件の検索結果しか取得できません。
結果として、従来とは異なる条件のもとでのランキングチェックになります。

ツールによっては異常な変動を示しています。

異常な変動を示すランキングチェックツール 異常な変動を示すランキングチェックツール 異常な変動を示すランキングチェックツール

実際には検索システムの変更による変動ではなく、従来の順位取得が正常に実行できなくなったことに起因する見た目だけの変動です。

Search Console のインプレッション

ランキングチェックツールで順位取得してないければ、&num=100 パラメータの影響は無関係かというとそういうことでもありません。

ランキングチェックツールは、自動化とはいえ、検索して順位を取得しています。
そして、検索結果が生成されるということはツールであってもインプレッションにカウントされます。
これが、不正確なレポートを引き起こします。

自分のサイトのページが、あるクエリで 95 位前後をうろついていたとしましょう。
検索結果の 9 ページ目です。
人間の検索ユーザーの目に触れる機会は、まぁ、ほぼありませんね。

ところが、&num=100 で 100 件表示にしているランキングチェックツールの検索結果では表示されてしまうのです。
つまり、Search Console ではインプレッションにカウントされます。

Search Console の検索パフォーマンスレポートのインプレッションが、ここ数日で大幅に減少していたとしたら、&num=100 の無効化が原因の可能性があります。

直近 28 日間とその前の 28 日間のインプレッションを比較しました(曜日はそろえてある)。
実線が直近 28 日で、点線がその前の 28 日です。

数日前から、インプレッションが減っているのがわかります。 インプレッション減少

こちらのサイトのインプレッション減少はさらに顕著です。

インプレッション減少

クリックも減っていれば本当にランキングが下がった可能性もありますが、インプレッションだけが減ったのであれば、ランキングチェックツールの順位チェックが濃厚そうです。

とはいえ、すべてのサイトのインプレッションが影響を受けているということでもありません。
変化が見られないサイトもあります。

インプレッション減少

自分のサイトの状況を調べてみてください。

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AI 検索が普及するにツールによるランキングチェックがよりいっそう盛んになりました。
これが、インプレッションの水増しに拍車をかけているようにも思えます。

ただ、ランキングチェックツールを提供する各社が、早くも &num=100 無効化に対応する動きを見せています。
Google が根本的に対処しない限りは、Search Console での正確なレポート取得には今後も支障が出そうです。