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Google は、Fast Company 誌の 2026 年版「World’s Most Innovative Companies(世界で最も革新的な企業)」で第 1 位に選出されました。
AI 分野における Google の 10 年間にわたる歩みについて、Google の CEO である Sundar Pichai(スンダー・ピチャイ)氏が語ったことを Fast Company が記事で公開しています。
インタビュー概要
ChatGPT の登場に不意を突かれたものの、Google の既存の AI 資産を結集し、「その瞬間に応える」ための全社的な取り組みを加速させることでピチャイ氏は対応しました。
具体的な施策として次を挙げています。
- 「Code Red(コードレッド、非常事態)」の宣言
- Google Brain と DeepMind を Demis Hassabis(デミス・ハサビス)のもとで Google DeepMind に統合したこと
- 共同創業者の Sergey Brin(セルゲイ・ブリン)を実務に復帰させたこと
この数年にわたる取り組みの成果が Gemini 3 モデルファミリーです。
Gemini 3 の登場により、Google に対する市場の見方が「AI の後進企業」から「リーダー」へと転換しました。
Gemini 3 はベンチマークで高い評価を獲得し、Google の主要プロダクトを支え、Alphabet のビジネスにも勢いをもたらしています。
主要ポイント
ピチャイ氏へのインタビューをもとに Fast Company が編集した記事の主要ポイントをまとめます。
- ピチャイ氏は、ChatGPT の登場によって生成 AI が Google の予想より早く、そして急速に普及することが明らかになったと語り、その感覚を「居心地は悪いが、興奮を覚えるもの」と表現した。
- ピチャイ氏の対応は撤退ではなく、Google の既存リソースを結集して市場の変化に即応することであり、同時に社内で「Code Red」を宣言するなど事態を緊急事態として扱った。
- 2023 年 4 月、Google は傘下の 2 つの AI 研究機関である Google Brain と DeepMind を統合し、デミス・ハサビスのもとで Google DeepMind を発足させた。これにより重点が純粋な研究からプロダクトの実用化へと移行した。
- セルゲイ・ブリンが現場に復帰し、採用判断やコードレビューに参加した。これがエンジニアリングチームにとって大きなモチベーションになったとピチャイ氏は評価している。
- Gemini 3 を、ここ数年にわたる取り組みの集大成として位置づけている。3 つのモデルがリリースされた。
- Gemini 3 Pro
- より高速で効率的な Gemini 3 Flash
- 数学・科学に特化して最適化された Gemini 3 Deep Think
- Gemini 3 Pro は、複数の業界標準ベンチマークにおいて OpenAI および Anthropic のモデルを上回ると評されており、顕著な分野もあるとされる。OpenAI の CEO である Sam Altman(サム・アルトマン)も社内でこの競争的プレッシャーを認めたとされる。
- Google は Gemini 3 を検索、Gemini アプリ、Google Cloud、そして Antigravity という新しいコーディングプラットフォームに組み込むなど、段階的な展開ではなく即座に広範な展開を行った。
- この実行力が、Google の支配的な検索ビジネスが AI の本格採用を妨げるという長年の懐疑論の払拭に貢献した。
- Alphabet の株価は 2025 年 4 月の底値から 2 倍以上に上昇した。2026 年 1 月には、将来バージョンの Siri をはじめとする Apple の AI 機能を Gemini で提供する Apple との契約が発表され、Alphabet の時価総額が初めて 4 兆ドルを突破した。
- ユーザー数では依然として ChatGPT に大きく水をあけられており(Gemini の月間ユーザー数が 3 億 7600 万〜7 億 5000 万人に対し、ChatGPT は 9 億 4500 万人)、ワープロや表計算などの生産性ツールへの AI 統合においても課題が残る。
- 「AI everywhere(AI をあらゆる場所に)」が中心的なテーマとなっており、Google のプロダクト、インフラ、パートナーを網羅するエコシステム全体に Gemini を実用的かつ組み込み型の機能として展開することを Google は目指している。
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ピチャイ氏の「AI everywhere」というビジョンは、従来の SEO に対して直接的な影響を与え始めています。
検索と Chrome、そして近い将来に Apple のエコシステム全体に組み込まれるにつれ、AI が生成する回答がクリックに取って代わるケースがもっと増えるでしょう。
SEO における優先事項は、特定の順位を獲得することから、それらの回答内での情報源として引用されること、露出してブランド認知を高めることへと移り変わってきました。
単なる量よりも、権威性のある構造化されたコンテンツに高い価値がさらに置かれるようになっています。
