Google、ハッキングサイトの手動対策を自動解除するように再審査リクエストを変更

[レベル: 初・中・上級]

サイトがハッキングされたときの対処プロセスの改善にGoogleは精力的に取り組んでいます。
その取り組みの1つとして、再審査リクエストの処理を改良しました。
ハッキングが完全に解消されたと判断した場合、ハッキングの手動対策が(手動の対策だけれど)自動的に解除されます。

ハッキング手動対策の自動解除を試験的に開始

サイトがハッキングを受けていることをGoogleが検出すると、Search Consoleの手動対策対策ビューアに「部分一致」として、警告が出現します。

手動による対策の対象の1つにハッキングは含まれるため、ハッキング状態を完全に解消したのち、通常は再審査リクエストを送信しなければなりません。
その後、そのサイトのハッキングが解消されたことをGoogleのウェブスパムチームの人が目視で確認して初めて、手動対策が解除されます。

しかしこれからは、ハッキングされたコンテンツがもはや存在しないとシステムが検出した場合は、人間の手を介さない、自動的な手動対策の解除が可能になります。
つまり再審査リクエストの送信が不要になることがあります。

このようなハッキングの手動対策の自動解除が、ベータ版として試験提供されます。

ただし自動解除はハッキングを対象にした手動対策に限られます。
サイトへの不自然なリンク価値のない質の低いコンテンツユーザー生成スパムなどそのほかの手動による対策の解除にはこれまでどおり、再審査リクエストが必須です。

いったんハッキングに適切に対処したのであれば、手動の対策はすみやかに取り下げてもらった方がいいに決まっています。
本質的に手動対策ではあるけれど、人手が関与せずにシステムで自動的に解除してもらえれば時間短縮になります。
ハッキングされることは決して嬉しいことではありませんが、処理スピードが速まるのは良いことですね。

そのほかの2つのハッキング対処プロセス改善

Googleは、ハッキングの手動対策の自動解除をアナウンスした記事で、ほかにも2つハッキング対処プロセスの改善を紹介しています。

  • コミュニケーションの改善
  • フィードバックの収集とそれへの対応

コミュニケーションの改善

再審査リクエストが却下した際に、そのサイトに対して却下の理由やさらなる対処法など独自の説明が担当者から付け加えられることがあります。
1年少し前から実施されている取り組みです。

2015年には、再審査リクエストが認められなかったハッキングされたサイトの70%に対して、独自コメントが付け加えられたそうです。
これによりハッキング対処にかかる時間を29%削減できたとのことです。

またハッキングの被害からウェブマスターを守るために、#NoHackedキャンペーンを去年に引き続き今年も実施しました。

フィードバックの収集とそれへの対応

ハッキング被害にあって対処にあたったサイト管理者からフィードバックをGoogleは積極的に集めています。
そしてそれをハッキングの未然の防止とハッキングを受けた後の対処に役立てています。
ハッキングされたサイトの復旧事例を公式ブログで紹介したこともありました。

Googleによれば、2015年は次のようなハッキング状況だそうです。

  • ハッキング被害にあったサイトが180%増加
  • ハッキングを受けたサイトからの再審査リクエストが300%増加

ハッキングなんて自分には関係ないと傍観せずに、真剣に対策していく必要があります。