AMPに構造化データはもはや不要、Search Consoleのエラーレポートからも外れる

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Googleのモバイル検索結果にAMPページが表示されるには、有効なAMP HTMLでのマークアップに加えて、schema.orgを用いた構造化データが必須でした。
しかし、今後は必須でなくなります。

通常の検索結果にもAMPページを将来的に表示することを視野に入れた変更です。

またこの変更にあわせて、Search ConsoleのAMPレポートでは構造化データ関連の問題はエラーの対象から外れました。

AMPに構造化データはもはや不要

これまでは、AMPコンテンツを検索結果に表示させるには次のいずれかのschema.orgによる構造化データが必要でした。

  • schema.org/Article
  • schema.org/NewsArticle
  • schema.org/BlogPosting
  • schema.org/VideoObject

要件指定された構造化データでマークアップすることが、トップニュース枠のAMPカルーセルに表示される条件に含まれます。

オリンピック関連ニュースのトップニュースAMPカルーセル

しかし、通常の検索結果にもAMP対応したページを表示する開発プレビュー版のモバイル検索をGoogleは先週公開しました。

トップニュースのAMPカルーセルはニュース系のコンテンツが掲載対象だったのに対して、通常の検索結果ではコンテンツのタイプは問われません。
結果として、構造化データは必須ではなくなりました。

開発プレビュー版が公開された直後に、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏に確認をとりました。

通常の検索結果に対しては、(AMP用に)特別な構造化データのマークアップは必要ない。

AMPカルーセル掲載にはこれまでどおり必要

ただし、トップニュース枠のAMPカルーセルに掲載されるには、これまでどおり構造化データが必要です。
Article や NewsArticle など、先に挙げた4つのいずれかのタイプの schema.org を実装してください。

構造化データがAMPレポートのエラー対象から外れる

ここまで説明したように、通常の検索結果に表示されるAMPページには構造化データが必須ではなくなりました。

開発プレビュー版の検索結果は試験公開が始まったばかりですが、この変更を先取りしてSearch ConsoleのAccelerated Mobile Pagesレポートでは構造化データはエラーの対象から外れました。
次の2つは「問題」として依然としてレポートされるものの、エラー数を示すグラフには含まれなくなります。

  • 構造化データがありません
  • 無効な構造化データ

AMPエラーレポートの8月2日(正確には8月1日)の「更新」がこの変更を示しています。
この日を境にAMPエラーが急激に減っているサイトがあるかもしれません。

AMPエラーレポート

このキャプチャには出ていませんが、構造化データに問題がある場合はグラフの下のリストには「情報」というラベルとともにレポートされます(「エラーではないけれど可能なら修正してね」ということですね)。
ただし先ほども書いたように、グラフには含まれません。

なお、構造化データがAMPに必須ではなくなったこととSearch ConsoleのAMPレポートでの扱いに変更があったことは、Google+ヘルプページで公式にアナウンスが出ています。

もともと構造化データは、AMPの仕様に必要だったわけではなくAMPカルーセルに掲載するためにGoogleが独自で設定した要件でした。
AMP対応するプロセスのなかに構造化データが不要になったので、実装の敷居がいくらか下がりました。

通常の検索結果にAMPページを表示させることが果たして本当にいいことなのかどうかの議論はこれから本格的に始まるとして、AMP対応が自分のサイトのメリットになるかどうかを検証するために、少しの手間をかけられるなら、これを機に思い切ってAMP化してしまうのもいいかもしれません。