低品質コンテンツがわずかに存在していても検索では問題にならない。検索トラフィックがないことは価値がないことを意味しない

[レベル: 初級]

サイトの一部分のコンテンツが低品質だからといって、必ずしもサイト全体の評価に悪影響を及ぼすとは限りません。
特に大規模なサイトでは、内容の薄いページが多少なりともあることは一般的なことです。

検索トラフィックが少ないコンテンツは低品質とみなして削除すべきか?

英語版のオフィスアワーで次のような質問が取り上げられました。

10 年以上運営しているニュースサイトです。おおよそ 10 % くらいの記事が中身が薄いとだと認識されそうだと見積もっています。検索からのトラフィックがほとんどありません。

ただ、こうした記事を削除することに労力を費やす価値があるかどうか判断するのに迷っています。

Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は、とてもいい質問だと前置きしてこのようにアドバイスします。

さまざまな要因が関わってくるが、気を付けることがひとつあるとしたら、検索トラフィックが少ないという理由からそのコンテンツが悪いからに違いないと考え、削除しようとすることだ。

たいした検索トラフィックがなかったとしてもまったく問題ないときもある。検索するユーザーが単に少ないだけかもしれない。

気を付けたいのは、サイト内のコンテンツの大部分が薄っぺらくて低品質な場合だ。こうしたサイトは Google が問題視するかもしれない。

巨大なサイトを運営していて一部分がそれほど良いコンテンツでないことがわかっていたとしても、普通は問題ない。更新したり情報を追加したり、複数のページを1ページに統合できたりするなら、もちろんそれはそれでいい取り組みだ。

それでも大きなサイトでほんの一部が薄っぺらいコンテンツだったとしても、そうしたコンテンツを削除することが決定的に重要な作業だとは私は思わない。

長期視点で見れば、どのようにしてコンテンツを維持管理するかのように、質が低いコンテンツの改善や公開前の精査は大切なことだ。でも、大きなニュースサイトでは、おかしな記事が多少あるのは珍しくない。

昔の天気予報のコンテンツを残しておいたとして、10 年後にだれかが調査目的で見つけて役に立ててもらえるかもしれない。10 年前の天気予報というのは、もはや内容の薄いコンテンツとも言えそうだが、固有の情報を持っているし、もし存在しなければ検索で発見してもらえなかっただろう。

多少の低品質コンテンツがあるのは普通、検索トラフィックが少なくても価値はある

もし、サイト内の 80 % も 90 % ものページが、明らかに誰の役にも立ちそうにない低品質な記事だったり、ウェブにあるコンテンツをコピーして寄せ集めただけのオリジナリティのまったくないコンテンツだったりすれば、それは問題でしょう。
Google が低品質サイトとして認識しそうです。

しかしサイトの規模が大きくなればなるほど、中身が薄そうなページが多少なりともできあがります。
全体として品質を保っているなら、少しくらいの低品質(っぽく感じる)コンテンツがあっても問題にはならないということです。

たとえば僕は、Web担当者Forum で連載コラムを更新した週は何年もの間その紹介記事をこのブログで公開しています。
単なる紹介にとどまり特別にユニークな内容はありませんが、この記事がサイトの評価を下げていると感じたことはまったくありません(普段は良い記事を書いています!)。

また、検索からのアクセスが少ないからといって、それが低品質を意味するとは限りません。
コンテンツによっては、検索されにくいトピックのこともあります。
特に、最新の時事ニュース関連の記事は時間がたてばたつほど、検索されづらくなっていくでしょう。
それでも、古くなったとしても一部の人には価値を提供することだってあるはずです。

低品質コンテンツがまったくない状態がもちろん理想的です。
中身が薄そうなコンテンツや内容が現状にそぐわなくなっている記事を見つけたら、改善に取り組むに越したことはありません。
それでも、大多数としてすばらしいコンテンツを提供していて、低品質コンテンツがごくわずかに含まれているくらいなら過敏に反応する必要はないのです。