SEOのために、商品名やカテゴリ階層をURLに入れる必要はない

[対象: 上級]

SEOの効果を期待して、商品やサービスの名前、あるいはジャンルや地域などそれらのアイテムが含まれるカテゴリを必ずしもURLに含める必要はありません。
またキーワードをURLに含める必要もありません。

検索エンジンのためには不要

確かに、検索エンジンはURLをヒントにして、そのページのトピックが何であるかやサイトの構造がどうなっているかを知ろうとしているかもしれません。

しかしそれは副次的なものであり、それ単体で強い影響力を持つものではありません。
コンテンツや内部リンクなど他のシグナルによって理解させることができているのであれば、URLの構成がアドバンテージになることはないのです。

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏による、これを証明する、発言いくつか挙げます

From our (Google’s) point of view, you can use whatever file names & URL structure that makes sense for your site — you definitely do not need to fine-tune it on this level for SEO purposes.

Googleの観点から見ると、サイトにとって意味があるならどんなファイル名やURL構造を使っても構わない。SEOを目的としたこのレベルで、URLをきれいに整える必要はない。

 

There’s no need to artificially add keywords to your URLs. There’s no need to create fake, static-looking URLs for Google.

URLに人為的にキーワードを入れる必要はない。Googleのために擬似的な静的URLを作る必要もない。

 

don’t worry about having to create a fake, static-looking URL

擬似的な静的URLを作ることを気にしなくていい。

 

You don’t need artificially readable URLs for search engines.

検索エンジンのために、擬似的に作った読みやすいURLは必要ではない。

僕が、Googleの人に直接「カテゴリの階層をURLにも反映させたほうがいいのか」と尋ねた際にも、「その必要はない」と回答をもらいました。

商品が複数のカテゴリに所属する場合、URLにどう反映させるかが難しいことがあります。

たとえば、ナイキの女性向けのランニングシューズがあったとします。
このとき、たとえば以下のようなURLが考えられます。

  • example.com/nike/wemen/running/revolution2.html
  • example.com/nike/running/wemen/revolution2.html
  • example.com/wemen/nike/running/revolution2.html
  • example.com/wemen/running/nike/revolution2.html
  • example.com/running/nike/wemen/revolution2.html
  • example.com/running/wemen/nike/revolution2.html

ユーザーがたどったパスに応じてURLを生成したとしたら重複URLができてしまい、それこそSEOにとってプラスになるどころか大きなマイナスになってしまいます。

どれか1つに代表を決めるとしても、どれにするか悩むことも多いでしょう。

ならばいっそのこと、個別アイテムのURLは example.com/revolution2.html にしてしまえばいいのです。
そのアイテムが所属するカテゴリをURLの階層構造に反映させる必要はありません。
カテゴリを含めないフラットなURLでもまったく問題ありません。
(ここでは、revolution2.html にしていますが、?id=2646 のようなパラメータをつけたままのURLでもいいかもしれません。詳細はこのあと)

ユーザーのためには必要な場合も

名前をURLに含める必要はない、カテゴリ階層をURLに反映させなくていい、さらには動的URLもそのままでも構わないとは言いましたが、SEOの効果を高めるためにという観点からです。

製品名やサービス名がURLに含まれていればユーザーにとってはわかりやすいこともあるでしょう。
?id=2646 よりは example.com/revolution2.html のほうが商品名を想起できます。

URLにカテゴリが入っていればどのジャンルなのか認識しやすくもなります。
example.com/nike/wemen/running/revolution2.htmlrevolution2.html を削除して一覧ページを見ようとする慣れたユーザーがいるかもしれません。

キーワードやカテゴリを反映させたURLがユーザーにとって親切なことが多いのは事実です。
無理なく実装できるのであれば利用したいところです。

SEOの観点からでも必要な場合

ユーザー観点からではなくSEO観点からでも、特に以下の場合は静的URLに変換することを推奨します。

  • URLに複数のパラメータが付いていて順番が入れ替わりやすい
  • パラメータが極端に長い

前者は重複コンテンツの原因になります。
rel=”canonical”で対処できますが、重複コンテンツを生むURLは作らないに越したことはありません。

後者はインデックスされにくくなることがあります。

どちらもSEO的なメリットを得るというよりもデメリットをなくすためのURL静的化です。

ただし、先に説明したようにキーワードやカテゴリ階層をURLに含めなければならないということではありません。

なおURLにキーワードが入っていてリンクがURLで張られたとしたら、アンカーテキストの効果が出ることがあることを補足しておきます。

まとめ

この記事で伝えたかったことをまとめます。

  • アイテム名やカテゴリの階層をURLに反映させてもSEO的なアドバンテージはないか、あったとしても極めて少ない
  • 名前やカテゴリが入ったURLはユーザーにとってはわかりやすいので無理なく実装できるなら利用する