「良いSEOは良いGEO」、Google ダニー・サリヴァンが語るAI時代の検索で大切なこと

[レベル: 初級]

Google の Danny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏が、8 月末に米オレゴンで開催された WordCamp US のキーノートで講演しました。

AI 時代の SEO についてもサリヴァン氏は触れています。
この記事では、その部分にフォーカスしてサリヴァン氏が何を語ったのかを紹介します。

新しい略語に惑わされるな、SEO の本質は普遍

サリヴァン氏のキーノートスピーチは YouTube に公開されています。

AI 検索の話は 29:58 あたりから始まります。

GEO、もしくは AEO とか呼ばれていますが、とにかくそれをやらなきゃいけないのかなとも私は思っています。

さて、まず GEO が何か知らない方のために説明すると、これは最近出てきた略語です。ただ、正直言うと毎日のように新しい言葉が出てくるので、追いかけるのは大変です。SEOは「検索エンジン最適化」、GEO は「生成エンジン最適化」です。

ちなみに、2010 年頃にも人々が慌てていた時期がありましたが、その頃私は、「SEO は Google の青いリンクに載ることではありません。SEO とは、人々がどのようにコンテンツを探すかを理解し、そのコンテンツを適切に用意することです」と言っていました。

人々が質問を検索するのか、音声デバイスに話しかけるのか、スマホで何かを開くのか、方法はいろいろあります。でも基本は変わっていません。良い SEO は良い GEO であり、AEO であり、AIO であり、LLM SEO でも LMNOPEO でも同じです。すべて問題ありません。
※すずき補足:「LMNOPEO」はジョーク。ABCの歌 (The ABC Song) のなかで「L-M-N-O-P」というフレーズがあり、この部分を噛むことなく上手にすばやく発声できるように取り組むことを、LMNOP Engine Optimization(LMNOP エンジン最適化)とふざけて表現している。会場は当然、笑いにつつまれる。

要するに、慌てる必要はないということです。これまで検索エンジンに対してやってきたこと、つまり SEO と呼んできたことは、今でも十分通用するし、今後もやるべきことです。そして特に大事なのは、良い SEO とは人々のために良いコンテンツを作ることなのです。

最近よく耳にする「ベクトルがどうだ」とか「パッセージ構造がこうだ」とか、そういう複雑な話を読むたびに、理解しようとする人が気の毒に思えてきます。でも結局言いたいことは「人が理解できるように、わかりやすく書きなさい」ということですよね? それならいいでしょう。人のために書くことなのですから。「独自性や面白さのあることを書きなさい」というなら、それもいいですね。人にとって良いことだからです。

私たちがやっているのは、人にとって良いものに自分たちのシグナルをどう合わせるかを理解することなのです。ホッケーのパックを追いかける話に例えられることもありますが、パックがどこに行くかを追うのではなく、先回りしてそこにいることが大事なのです。

つまり、検索エンジンや AI 検索エンジンがどんなシグナルを使っているのか、これをやるべきか、あれをやるべきかと考えていると、本質を見失います。本来、それら全てのものが合わせようとしているようなコンテンツを、すでにもう持っているべきなんです。メンション(言及)も含めてです。

最近は「メンションを獲得しなさい」と言われますが、メンションされるにはどうすれば良いか? 本当に優れたものを持っていることです。それがメンションにつながります。無理に操作する方法を探すこともできますが、人々にとって良いことに注力すれば、その結果として他のことは自然についてきます。だからこそ、それが大切なのです。もちろん細かいテクニックと組み合わせても構いませんが、根本は「人にとって良いこと」であり、それがすべてなのです。

新しいことをサリヴァン氏を語ったわけではありません。
GEO や LLMO、AIO やそういった略語は単なる流行り言葉であり、今までと変わらない SEO の本質を実践することこそが依然として重要だというのです。

「本質」を追求するためのアドバイスとして、Google が推奨する AI 検索最適化のベストプラクティスをサリヴァン氏は続けて説明します。

良い SEO は 良い GEO です。

Good SEO is good GEO