SCの検索パフォーマンスとGMBのインサイトのデータはどうして一致しないのか?

[レベル: 中級]

Search Console の検索パフォーマンスと Google マイビジネスのインサイトはどちらも検索結果での表示状況をレポートします。
しかしながら、両レポートのデータに許容できないような乖離が発生することがあります。
何が原因でしょうか?

Sterling SkyJoy Hawkins(ジョイ・ホーキンス)氏が、78 件のビジネスリスティングと 1,560 件のキーワードを分析した結果から考察をまとめています。

具体的な調査方法と詳しい分析結果は参照先記事を読んでいただくとして、この記事では、重要なポイントを抜き出して紹介します。

SC の検索パフォーマンスと GMB のインサイトのレポートが異なる理由

Search Console(以下、SC)の検索パフォーマンスのデータと Google マイビジネス(以下、GMB)のインサイトのデータが異なるのは、次のような理由によるものだとホーキンス氏は結論づけています。

  • SCはインプレッション、GMB はユニークユーザー
  • GMB の四半期は直近 3 か月ではない
  • SC はカウントしないが GMB はカウントするリスティング
  • SC はランキングチェックツールもカウントする

順に説明します。

SCはインプレッション、GMB はユニークユーザー

SC の検索パフォーマンスは、検索結果のインプレッション(表示回数)をトラッキングします。
1 人のユーザーが、2 回、3 回 と連続して検索した結果に同じ URL が表示されれば、その分インプレッションも増えます。

一方で、GMB のインサイトはユーザーが単位になります。
同じユーザーによってビジネスリスティングが複数回表示されたとしても、1 インプレッションとしてカウントされます。
同じユーザーでも、スマホと PC から検索すれば別々にカウントされますが、集計データを大きく変えるような数字には通常はならないでしょう。

GMB の四半期は直近 3 か月ではない

インサイトではレポート期間を「四半期」に設定できます。
この四半期はどうやら直近の 3 か月ではないようなのです。

インサイトの期間を四半期を設定

クリスマスシーズンにしか検索されないはずのクエリが 2 月 〜 4 月の 3 か月に “大量に” レポートされていたそうです。
また、2 週間ごとにレポートをチェックしても、数字に変化がまったくないこともありました。

どうやら、インサイトは更新間隔がずいぶんと長いようです。
対して検索パフォーマンスは、その日のデータも入手できるほどに更新間隔がスピードアップしています。

SC はカウントしないが GMB はカウントするリスティング

検索パフォーマンスは、URL の表示をカウントします。
インサイトは、ビジネスリスティングをカウントします。
カウント対象の違いが、データの差異につながることがあります。

特に、モバイル検索では、そのビジネスの URL がビジネスリスティングに表示されないことが多くあります。

PC 検索のビジネスリスティングには、地球マークで「ウェブサイト」が出ています。
サイトへの URL なので、検索パフォーマンスにも記録されます。
インサイトにももちろん記録されます。

ウェブサイトが表示されるビジネスリスティング

モバイル検索だと、ウェブサイトへの地球アイコンはビジネスリスティングには出ていません。

ウェブサイトがないモバイル検索のビジネスリスティング

つまりインサイトには記録されますが、検索パフォーマンスには記録されません。

ウェブ検索の結果にも、そのビジネスのウェブサイトが表示されていれば検索パフォーマンスにも記録されるのですが、場所を指定しない一般的なクエリでは、ビジネスリスティングには出てきてもウェブ検索には出てこないビジネス(のサイト)が多いのです。

ウェブサイトの URL を表示しないモバイル検索のビジネスリスティングが、SC と GMB のレポートの差異を大きくします。

SC はランキングチェックツールもカウントする

Search Console の検索パフォーマンスはランキングチェックツールによる自動化クエリもカウントしてしまうことがあるようです。
しかしながら、GMB のインサイトはツールによるインプレッションを除外しているようです。

ホーキンス氏の知人が自分のツールで確認したとのことです。

これはどうなんでしょうね?
Search Console でも自動化クエリを除外するようにはしています。
GMB がすべての自動化クエリを完璧に除外できているとは思えません。
むしろ、通常検索のほうが順位チェックが盛んなはずで、SC のほうがフィルタリング性能は高いような気もするのですが。

とはいえ、除外する仕組みは異なっているはずです。
GMB は除外できるけれど SC では除外できないランキングチェックツールがあるだろうし、反対に、GMB は除外できないけれど SC は除外できるランキングチェックツールがあるだろうと推測します。

自動化クエリを除外する機能の違いがレポートにも影響することはおおいにありえそうです。

ホーキンスの分析による、SC の検索パフォーマンスのレポートと GMB のインサイトのレポートの乖離が生まれる原因の要約は以上です。
GA と SC のデータが一致しないことがあるのと同様に、GMB と SC も一致しないことがあります。
トラッキングの仕組みやカウント対象が違ってくるので、結果も違ってきます。
相違点を認識したうえでレポートを利用しましょう。