[対象: 全員]
スパムと格闘する経歴のなかで、スパムに関連して、後悔している間違いを犯してしまった重要な節目はありましたか?
上の質問に、米Googleのウェブスパムグループのトップ、Matt Cutts(マット・カッツ)氏が回答しました。
有料リンク対策
後悔していることの1つにMatt Cutts氏がまず挙げたのは有料リンクへの対策です。
たしか7年前かそのくらい前だったかな、サンノゼで開催された有名なSEO関連のカンファレンスで参加者からこんなふうに言われたことがあった。
「有料リンクが横行しすぎている。Googleが対処するのは無理だろう。1度はびこってしまったものを元に戻そうと、アルゴリズムを開発したり手動で対策することはできないと思う。」
これを聞いた時に、PageRankを渡す有料リンクを行き過ぎるところまで行かせてしまいウェブでは当たり前のことになるのを許してきてしまった過ちを犯していたことに気付いた。
2005年か2006年の初めから、Googleが、それまでよりもかなり積極的に有料リンクに対処し、PageRankを渡す有料リンクについての言葉使いがかなり強硬になってきたことがわかるはずだ。
Googleは有料リンクを認めていないし、米連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)に違反することもひょっとしたらありうるとかそういうことを、ほとんどの人がこの時点でわかった。
僕たちは、有料リンクをターゲットにしたアルゴリズムを持っているし有料リンクについてのスパムレポートを受け取っている。
だから大部分の人たちは、有料リンクは良い考えではなくもし利用すれば相応の結果に陥ると認識し、PageRankを渡す有料リンクを避けようとするようになった。
でも有料リンクに対して強い態度を示すようになるまでにひょっとしたら時間がかかりすぎてしまったのかもしれない。
コンテンツファーム対策
もう1つの後悔としてMatt Cuttsが挙げたのが、質が低いコンテンツばかりのサイト、いわゆるコンテンツファームへの対策が遅れたことです。
「このサイトは本当にひどい。質が低いコンテンツばかりだ。最悪な体験をユーザーにさせている。」
こんな不満を内部で聞いていた。
ある時、トイレが水漏れしまいこうしたサイトのページに行ったことがあった。そのとき1つのページで役に立つ解決策が手に入ったんだ。
今思えば、一般化しすぎてしまったのかもしれない。
「いやいや、コンテンツファームなんかじゃない。こうしたサイトには素晴らしいコンテンツがたくさんある。だって見てごらんよ、トイレの水漏れ修理に手助けになったページがここにあるじゃないか。」
こんなふうに考えてしまったんだ。
ここで僕が犯した間違いは、フィードバックに耳を傾けもっと規模を大きくした例を見たりそのサイトでもっとたくさんのページを見たりするんじゃなくて、1つの出来事だけで判断してしまったことだ。
それで、コンテンツファームとか呼び方はいろいろあるけれど、低品質コンテンツのサイトが、素晴らしいコンテンツでユーザーのニーズを本当に解決するんじゃなくてむしろページを大量生産していることに気付くのに、余計に時間がかかってしまった。
結果としてようやく事実を悟って、不満が拡大する数カ月前に対策に乗り出した。
だけどもっとずっと早く対処できたはずだった。
常に改善を追求
Matt Cutts氏は、次のように締めくくっています。
とにかく、僕たちは常にフィードバックを探している。「見過ごしているものはないか?」「検索結果をもっと良くするために何をする必要があるか?」
何かを導入する際には、「これをやめさせる方法はないか?」「もっといい対策はないか?」「もっと優れたアルゴリズムはないか?」「もっと早くできたんじゃないか?」こういったことを常に問いかけている。
Googleはとてもいい仕事をして実りがあると僕は感じている。と同時に、もっと良くするための方法がないかを常に考えている。
1つ目の後悔の有料リンク対策は、日本ではさらに遅れましたね。
2つ目の後悔は間違いなくパンダアップデートのことを指しています。
どちらももっと早く対策することができたはずだったとMatt Cutts氏は後悔しています。
現状の検索結果に不満がある場合は、Matt Cutts氏が後悔しなくてすむように僕たちから積極的にフィードバックしてあげるといいかもしれませんね。