Googleが言うには「不自然リンクとスパムリンクは違う。スパムサイトから張られた自然なリンクだってありうる」

[レベル: 中級]

Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏がスパムサイトから張られたリンクへの対処方法についてアドバイスしました。

不自然リンクとスパムリンクは異なる

まず、ペンギンアップデートによる低評価からリカバリできずにいるサイト管理者からの Twitter での質問に対する助言です。
リンクを否認すべきかどうかをミューラー氏は尋ねられました。

不自然なリンクではなく、ただ単にスパムサイトから張られただけなのであれば、私なら無視する。もっと大切な問題のために時間を取っておきなさい。

ミューラー氏が意味する「不自然なリンク」と「スパムサイトからの単なるリンク」は、きっと次のようなものになるはずです。

  • 不自然なリンク――検索順位を操作するために、サイト管理者が自らの意志で獲得した不正なリンク。たとえば自作自演リンクや有料リンク、ディレクトリへの登録、過度な相互リンク
  • スパムサイトからの単なるリンク――自分がまったく関与しない、一方的に張られたスパムサイトからのリンク

一言でいえば、サイト管理者であるあなたが関わっているか関わっていないかです。
関わっていないのであれば、スパムサイトからのリンクだからという理由で否認する必要はないというのがミューラー氏の考えです。

ペンギンアップデートなどのアルゴリズムで Google が無効化するからでしょう。
無効化は無害化と置き換えて構いません。
プラスには働くことは当然ないし、かといってマイナスに働くこともありません。

スパムサイトからも自然なリンクは張られる

それじゃあ不自然なリンクとスパムリンクの違いは何なのか? という続きの質問にミューラー氏はこのように答えました。

良いサイトから不自然なサイトを獲得することがありうるし、一方でスパムサイトから自然なリンクを獲得することだってありうる。

有料リンクは、まともなサイトから購入することができます(リンクを買う人は、より評価が高そうなサイトからのリンクを欲しがるはずです)。
自作自演にしても、きちんと作り込まれていて、一見すると本物に見えるサイトから張るのが手の込んだ企てです。

つまり、まっとうなサイトから不自然なリンク、言い換えれば不正なリンクを獲得できます。

一方で、自分が関与していなければ、たとえスパムサイトからのリンクであったとしても、それは不正なリンクとは(厳密には?)言えません。
ポジティブな意味での「自然」では決してないにしても、自発的に張られたリンクであることは確かです。
ランキングを操作する目的で、人工的にでっち上げたリンクではありません。

1つ目と同様に、スパムサイトからであったとしても自然なリンク、すなわちあなたが関与していなければ無視できるとミューラー氏は暗に言っています。

信じる?信じない?

関わっていないのであれば、スパムサイトからのリンクを気にする必要はない。
Google 側できちんと無効化する。

これが Google の昔からの主張です。

2016年9月のペンギンアップデート では、それまでとは異なり、不正なリンクであっても順位を下げることはせずに無効化するようにアルゴリズムが変わりました。
いわゆるネガティブ SEO への対応力を高めています。

しかしながら、「いや、Google の言っていることは信じられない。勝手に張られたスパムリンクが原因で順位が下がった」と主張する人がきっといることでしょう。

Google を信じるか信じないか、これはもう、各々の信条によるように僕は思います。

少なくともこのブログに関していえば、怪しいサイトからたくさんのリンクが張られていますが、それによってダメージを受けている兆候は見られません。
もちろん、リンクを否認したことは一度もありません。

リンクに限らず、何もやましいことがなければ、スパムサイトからのリンクは、Google が言うように無視して問題ないと個人的には考えます。
リンクの不正操作に過去に一度でも手を染めていたとしたら、スパムリンクの悪影響に細心の注意を払ったほうがいいというのは飛躍しすぎた結論でしょうか?